2009年06月04日

●証には「陽証」と「陰証」がある

 漢方医学における「証」の概念について、もう少し考えましょう。
 熱が出て風邪のような症状が出たとします。インフルエンザが流行っ
ている現在では、なかなか治らないときは病院の発熱センターに行く必
要がありますが、このような症状では西洋医学では「風邪」と診断され
解熱薬、風邪薬などが処方されます。この場合、年齢などには関係なく
同じ処方が行われるのが西洋医学の常識です。
 しかし、漢方医学では、証すなわち患者の体質(実証、虚証)、病気
の表れ方、体内での病気の位置(表裏内外)病気の進行状況(六病位)
に基づいて診療方針が決定され、処方が決まるのです。
 漢方医学では、基本理論として疾病を時間的経過でもって動的にとら
えているので、同じ疾病でも治療法が異なる場合があるのに対し、西洋
医学では一つの疾病に対して治療法は一つなのです。
 時間的経過でとらえるとは、具体的には、病態を進行状況にしたがっ
て「六病位」という6段階に分類していることです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
       1.太陽病(表)    ――
       2.少陽病(半表半裏)   I――陽証
 ≪六病位≫ 3.陽明病(裏)    ――
       4.太陰病(裏)――――――
       5.少陰病(裏)      I――陰証
       6.厥陰病(裏)――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――
 六病位とは、病気の時間的経過を表しているのです。刻々と変わると
いう認識に基づいているわけです。同じ風邪でも初期段階とそうでない
場合、漢方医学では異なる処方(治療法)が用意されているのはこうい
う理論が根底にあるからなのです。
 漢方医学では病位を示す要素として表裏(ひょうり)というのがあり
ます。病毒が皮膚や筋肉、関節など身体の表層にとどまっている状態を
「表」、内蔵などのように身体内部にある状態を「裏」、その中間状態
にある場合を「半表半裏」というのです。太陽病は「表」少陽病は「半
表半裏」、そして陽明病は「裏」、陰証の三陰はどの状態も「裏」にな
っています。そして、この考え方を「三陰三陽」というのです。

●陰陽思想に基づく三陰三陽の考え方

 陰陽というのは、古代中国の思想に端を発し、森羅万象、宇宙のあり
とあらゆる事物をさまざまな観点から陰と陽の2つに分類するという考
え方です。陰と陽とは互いに対立する属性を持った2つの気であり、万
物の生成消滅という変化は、この2つの気によって起こるとされるので
す。
 このような陰陽に基づいた思想や学説を陰陽思想、陰陽論、陰陽説な
どといい、五行思想とともに陰陽五行説を構成したのです。漢方医学の
理論でもこのように陰陽思想の影響は強く、病気診断でもすべて対比要
素で記述され、病人も「陰証」と「陽証」に大別して考えるのです。
 陰陽理論では、「陰」とは沈滞、消極、退行、寒涼など、「陽」とは
陰の反対であり、発揚、積極、能動、進行、温熱などを意味します。陰
証とは病毒が勝って抵抗力が落ち、熱感がなく悪寒や手足の冷えを感じ
る状態をいいます。陽証は逆に体力が病毒に勝り、発熱の状態および発
熱と悪寒を感じる状態――難しい言葉ですが、これを「往来悪寒」とい
うのです。
 寒熱(かんねつ)は漢方で様々な症状の記述によく用いられる要素で
すが、「熱」とは必ずしも体温の上昇を意味しているわけではなく、自
発的な熱感を訴えるときや医師の診断で熱感を認めたときのことをいう
のです。つまり、のぼせ気味で赤ら顔の状態、尿の色が濃く少ない状態
は「熱証」と考えます。
 これに対して「寒」とは、新陳代謝が衰え、自覚的に冷えの感覚を感
じるときの状態を指し、脈は弱く、顔色が青白いなどはこの状態をいい
ます。寒証も必ずしも体温の低い状態を指すのではなく、尿の色が薄く
大量に出る状態も典型的な「寒証」とされます。
 陰証は寒(漢方的概念の寒熱の寒)でもって始まりますが、三陰は三
陽ほど明確な区別があるわけでなく、症状の程度の違いにすぎないので
す。症状は、太陰病→少陰病→厥陰病の順に症状が進行すると考えるのです。
 太陰病は腹が張るが力強さがなく、下痢、嘔吐があり、脈は沈脈――
指を軽く触れただけではわからないような弱々しい脈のこと――です。
少陰病は腹は軟弱無力、手足が冷え、心機能低下、太陰病のときより更
に激しい下痢があり脈は弱い。厥陰病はさらに重い症状で意識朦朧の状
態となります。
 病気は原則的には陽証から陰証への順序で進行しますが、太陽病から
陽明病あるいは陰証になることもあり、また陰証から始まることもあり
ます。漢方治療には次の原則があります。
――――――――――――――――――――――――――――――――陰証に対しては熱をもって治療し、陽証に対しては寒をもって治療する
――――――――――――――――――――――――――――――――
 陽証は体を冷やす作用の薬、陰証は温める作用の薬を使うという意味
です。
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2009年06月11日

●生活のリズムを守ることが健康の条件

 定年になって時間に余裕ができると、急に運動を始める人がいます。
ゴルフの練習を今までよりも多くの時間をかけてやったり、毎朝ジョギ
ングをしたり登山をしたり、散歩をやったりする人が多いのです。
 しかし、多くの場合、それらは長続きしないのです。それどころか、
はじめたとたんに腰を痛め、歩くのもままならない状態になってしまう
人がたくさんいるのです。まして経験者でもない人が登山など危険がい
っぱいでいす。
 登山が危険なことは誰でもわかっています。しかし、登る対象が富士
山であると奇妙に変な安心感があるようです。頂上は無理としても行け
るところまで行けばよいとして、登山に挑戦してしまう高齢者が多いよ
うです。そのせいか富士登山で亡くなる高齢者がこのところ非常に増え
ているのです。
 その典型的な例が、2009年3月22日に行われた東京マラソンで
起きています。そのときランナーとして参加していたタレント松村邦洋
(41)氏が午前11時半ごろ、15キロ地点手前の東京都港区の路上
で倒れ、一時心肺停止状態になったのです。駆けつけた医師団の処置を
受け意識を回復したので、都内の病院に搬送され入院したのです。幸い
生命に別条はなく、言葉も交わせる状態に回復したが、一歩間違えば命
にかかわるところだったのです。
 松村氏は普段からマラソンをしていたわけではなく、たまたま応募し
た東京マラソンが当たったので、気軽に参加したというのです。これは
日頃やっていないことを急に始めることがいかに危険であるかを示して
います。
 生活にはリズムというものが必要なのです。その基本になるものが、
朝・昼・晩の、一日3度の食事です。これを規則正しく摂るということ
は、とても大切なことなのです。
 「お腹が空いた」という欲求は、人間の体の中にプログラムされてい
る自然な行為なのです。正常なプログラムが確立している人は、決まっ
た時間にお腹が空いて、規則正しく食事を摂ることができます。しかし
プログラムが未熟な場合は、食事が不規則になるばかりではなく、生活
のリズム全体が崩れてくるのです。すなわち、未熟なプログラムにのっ
とって生きていると、生活のリズムが崩れてきます。生活のリズムが良
くないということは、身体のどこかに欠陥があるという証明なのです。
 生活のリズムが崩れるとどうなるかを実感できるのは、時差の開きの
ある外国に旅行に行った時に誰でも体験する時差ぼけです。寝るべき時
間に寝られずに起きていて、起きているべきときに眠たくなって寝てし
まう――あのときの不快感です。これに関して、丁 宗鐡先生は次のよ
うに述べています。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 時差などへっちゃらの実証の人と、プログラムが乱れると生きてい
 けない虚証の人、どちらも健康とは言えません。実証のように生活
 のリズムがちょっとぐらい崩れても対応できてしまう体は一見強そ
 うですが、いつかどこかに必ず問題が発生します。脆弱な対応力し
 か持っていない虚証の人も、それはそれで問題があるのです。漢方
 では実証と虚証の中間に「中庸」という概念を置いているわけで、
生活のリズムにのっとって中庸で生きていくのが理想なのです。
                 丁 宗鐡著/講談社+α新書
       医者を信じると病気になる/「常識」破りの養生法』
――――――――――――――――――――――――――――――――

●適度なストレスは人間の生命力を高める

 腹八分は医者いらず――こういうことばがあります。お腹が空いたら
食事をするが、決して満腹するまで食べない。本能のままに食べると満
足してやる気がなくなるので、もう少し欲しいというところで止めるの
です。
 食事の量を減らすと、かえって生命力が表れるといいます。それは、
呼吸や消化といった身体機能の基本を司る「脳幹」が刺激され、隠され
ていた生命力が表れてくるからです。
 つまりこういうことです。生命の危機を本能的に感ずると、脳幹は活
性化されるのです。人間は、脳幹によって導き出される潜在能力がある
ことは確かなのです。逆に脳幹がつねに満たされていると生命力は徐々
に失われて行くことになります。
 甘いものが体内に摂取されると、脳幹は活力がなくなるといわれてい
ます。野性的な本能が失われて、人間がお人好しになってしまう――丁
 宗鐡先生はそういっています。若いからといって甘いものを摂り過ぎ
ると、脳幹の活力が弱体化するのです。
 定年退職などで会社を辞めると、仕事のストレスから一気に解放され
るのです。しかし、それによって、幸せを感ずる時間はそれほど長くな
いのです。ストレスがなくなってしまうと、人間から活力が失われるの
です。ストレスを悪としてしまうことは間違いです。いい意味で適度の
ストレスや緊張が必要になるのです。
 そのため、多くの人は自らストレスを求めて、わざわざ冒険をしたり
何らかの教室に通ったりするのです。そういう適度な緊張があるからこ
そ、ゆったりとした時間、心身を弛緩させることが楽しいと感ずるので
す。緊張と解放の関係から生まれる高揚感は年齢や性別を問わず、誰で
もが感ずるものです。適度なストレスは人間にとって必要なのです。
                    ―― [漢方医学/04]
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2009年06月18日

●交感神経と副交感神経――バランスが重要である

 人間は生きている限り、外界からさまざまな刺激を受けます。この刺
激をストレスというのです。このストレスに対して人間はそれに対応す
る適当な行動を起こさなければならないのです。そうしないと危機に陥
り、最悪の場合は、その生存が許されない事態も起こりうるのです。
 この外界からのストレスに対してまず反応するのが自律神経系です。
自律神経系は次の2つの神経系が拮抗する作用を持っています。
――――――――――――――――――――――――――――――――
      1. 交感神経 ・・・・・ 昼の神経
      2.副交感神経 ・・・・・ 夜の神経
――――――――――――――――――――――――――――――――
 交感神経は、別名「昼の神経」と呼ばれ、昼間、活動的なときに活躍
する神経です。交感神経が働くと、瞳孔は拡大し、心臓の拍動は速くな
り、血管は収縮して血圧を上げ体はエネルギッシュな状態になります。
 自律神経は、体を動かしたり、寒さや暑さなどの物理的な刺激にのみ
反応するわけではなく、精神的な刺激に対しても働きます。たとえば強
い恐怖を感じたり、興奮したとき、はげしい怒りを感じたとき、緊張し
たとき、悩みや不安をかかえているときなども、それらに反応して交感
神経が働くのです。
 これに対して副交感神経は「夜の神経」とも呼ばれ、体を緊張から解
きほぐし、休息させるように働く神経です。副交感神経が優位になると
瞳孔は収縮し、脈拍はゆっくりとなり、血圧は下降して、体も心も夜の
眠りにふさわしい状態になります。
 自律神経の働きというのは、そのときどきの状況に応じて体をうまく
適応させることですが、それを具体的にみると、このように交感神経と
副交感神経という2つの神経が必要に応じて、ちょうどスイッチを切り
かえるようにお互いがうまく切りかわりながら、各器官の働きを調節し
ていることがわかります。そのおかげで、体や心の健康が保たれている
のです。
 理論的には、12時間ずつ交互に交感神経と副交感神経を働かせるの
が理想です。起きているときは交感神経、寝ているときは副交感神経と
いうのであれば、労働時間が12時間を超えることは問題であるといえ
ます。交感神経と副交感神経のバランスのとり方は健康に大きく影響す
るのです。
 寝ないで起きていても、好きなことをしていたり、家族とくつろいだ
りしているときは副交感神経が働いています。この副交感神経の働いて
いる時間を寝ている時間を含めて12時間にすることは大事なのです。
このバランスがとれていると病気はしないものです。

●交感神経と副交感神経をどのように切り替えるか

 「眠れない」とさかんにいう人がいます。しかし、人間というものは
一日のどこかで必ず寝ているものです。こんな話があります。「眠れな
い」と訴える患者さんを本人の了解のもとにカメラで監視したのです。
 そうすると、その患者さんはベッドに入ると大いびきをかいて寝てし
まったといいます。そこで朝起きたときに具合を聞くと、「一睡もでき
なかった」というのです。このように人間はちゃんと寝ているのです。
 問題は「睡眠の深さ」なのです。9時間、10時間寝ないと疲れが取
れないという人は、眠りが浅い人です。ぐっすりと眠れる人であれば、
睡眠は4〜5時間でも十分なのです。
 交感神経と副交感神経の切り替えは人によって違います。晩酌をする
ことで眠りを誘える人はお酒によって2つの神経を切り替えているので
す。お酒でなくても入浴でもいいし、お香だったり、アロマオイルだっ
たり、人によって違いがあります。
 午前中に調子が出ず、ぐずぐずしている人がいます。副交感神経がま
だ働いているのです。そういう人は昼過ぎから調子が出て、夕食が終わ
ったときにはピークに達します。交感神経が働いているのです。こうい
う人は夜寝られなくなります。そして夜ふかしして体調がすぐれないま
ま朝を迎えて、その日も同じことを繰り返すのです。
 したがって、朝は素早く起きて意識して副交感神経を交感神経に切り
替えるのです。この切り替えに入浴が良いといわれますが、朝が忙しい
勤め人には現実的ではありません。そして、交感神経の働いている12
時間はバリバリと仕事を含む活動的なことをするのです。そして、仕事
を終えた後は何らかの方法で、スイッチを副交感神経に切り替えるので
す。
 しかし、なかなかこのバランスがうまくとれないことが多いのです。
悩みや心配事―――ストレスをかかえて交感神経の興奮状態がつづいた
り、夜ふかしして生活のリズムが乱れ、本来なら副交感神経の働く時間
帯に交感神経が働く状態が続いたりすると、2つの神経の切り替えがう
まくいかなくなります。
 そして、交感神経だけが、極端に偏って働くようになります。つまり
自律神経のバランスがくずれるのです。その結果、ときには活動させ、
ときには休息させるという各器官のコントロールがうまくいかなくなり
全身ありとあらゆる器官にさまざまな不定愁訴があらわれてきます。こ
れが自律神経失調症――一般的にはノイローゼと呼ばれる症状です。鬱
というものの正体も自律神経失調症なのです。 
                    ―― [漢方医学/05]
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2009年06月25日

●「お茶」の違いは加工法によって決まる

 「お茶」は健康にいいといいます。しかし、健康のためにお茶を飲む
ならお茶について正確な知識を持つ必要があります。
 お茶といってもその種類はさまざまあり、その効能もさまざまです。
おなじみの日本茶から紅茶・中国茶・健康茶・ハーブティーなど沢山あ
りますが、これらのお茶はすべて「カメリア・シネセンス」という学名
のツバキ科の植物から作られているのです。
 同じ茶の樹の葉が原料なのですが、色や味に違いが出るのは、加工法
――発酵のさせ方が異なるからです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
          日本茶 ・・・・・ 無発酵
          中国茶 ・・・・・ 半発酵
          紅 茶 ・・・・・ 全発酵
――――――――――――――――――――――――――――――――
 無発酵というのは、茶葉を摘んですぐ熱処理を加えて酸化させない加
工法のことをいいます。日本茶は「無発酵」です。
 半発酵というのは、発酵の途中で茶葉を加熱して発酵を止めてしまう
加工法をいいます。中国茶、ウーロン茶は「半発酵」で作ります。
 全発酵というのは、茶葉を完全に酸化発酵させる加工法です。紅茶は
「全発酵」という加工法で作られるのです。
 日本茶のように発酵させていないお茶は、体を冷やす作用が強いので
す。したがって、お茶は暖めて飲むのがベストなのです。しかし、最近
では冷やしたお茶がたくさん売られていますが、冷たい日本茶を飲むと
代謝機能を鈍らせ、体にとって何のプラスにもならないのです。
 これらの冷たい日本茶の弊害について、丁 宗鐡先生は、次のように
いって警告しています。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 お茶に含まれるカテキンは抗酸化作用や血中コレステロール調節作用
など多様な生理活性作用があることで知られていますが、過剰摂取す
ると体を冷やすだけでなく腸にもよくないなど、いろんな弊害をもた
らすものなのです。しかし温かくして飲んだり、さらにはウ一口ン茶
紅茶などのように発酵させることで、カテキンは体にやさしいマイル
ドなものに変化します。日本茶を飲むにしても温かい状態で飲むよう
にしてください。最近ではカテキンを大量に含んだ冷たいお茶がペッ
トボトルでたくさん販売されていますが、私はおすすめしません。漢
方の虚証にあたる人や胃腸の弱い人は、無発酵の日本茶よりも発酵さ
せてあるウ一口ン茶や紅茶があっていると思います。年配の人には全
発酵の紅茶が最も適していると言えるのでしょう。
                  丁 宗鐡著/講談社+α新書
       『医者を信じると病気になる/「常識」破りの養生法』
――――――――――――――――――――――――――――――――

●高血圧における西洋医学と漢方医学の違い

 高血圧症の人に対する治療の考え方も西洋医学と漢方医学では異なり
ます。高血圧の人は実証の人に多くみられるそうです。いつも元気でテ
ンションが高く、活動的な人に多いのです。
 そういう人に対して、西洋医学では血圧が高いとすぐ薬で下げようと
しますが、それをすると、別の問題が出てくるのです。もともと高血圧
は末梢血管の流れが悪くなるのが原因で起こります。どうしてかという
と、末梢血管の重要な組織に酸素や栄養が行き渡らないと体は機能しな
くなってしまいます。そういう事態を避けるため、体は自ら血圧を上げ
て、末梢血管に血液を送ろうとするのです。
 したがって、高血圧を治療するには、末梢血管の詰まりや滞りを解消
する治療と並行して血圧を下げる必要があるのです。また、その人の性
格や人生の質を考慮しながら、少しずつ下げていくのです。
 高血圧の漢方医学における治療について、丁 宗鐡先生は次のように
述べています。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 かつて末梢血管の滞り、動脈硬化は一度なってしまったら治らないと
言われていました。「動脈硬化は血管が錆びてしまったからで、その
錆は二度と落ちない」というワケです。しかし近年の研究で決してそ
んなことはなく、錆もちゃんと落とすことができるということが分か
ってきました。血管の錆を落とすには適度な運動をすることが一番効
果的です。コレステロールには善玉(HDL)と悪玉(LDI)があ
りますが、その善玉を増やしっつ、全体としてのコレステロール値は
下げるようにすることも大切です。また、大柴胡湯や柴胡加竜骨牡蠣
湯といった漢方薬も、動脈硬化や血液中の脂質に対して改善効果があ
ります。こうした漢方治療や適度な運動を続ければ血管が若返って血
圧も正常になりますし、動脈硬化やその他の合併症を防ぐことにもな
るのです。 
                 丁 宗鐡著/講談社+α新書
       『医者を信じると病気になる/「常識」破りの養生法』
―――――――――――――――――   ―― [漢方医学/06]
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