2009年12月03日

●ご存知ですか──「フレンチ・パラドックス」

 フランスのボルドー大学の科学者セルジュ・レヌーが、「フランス、
ベルギー、スイスに住む人たちは、他の西欧諸国の人々よりも、チーズ
やバターなどの乳脂肪、肉類、フォアグラなどの動物性脂肪を大量に摂
取しているにもかかわらず、心臓病の死亡率が低い」という説を打ち出
したのです。
 その原因を調べたところ、彼らが日常的に飲んでいる赤ワインではな
いかという説が出てきたのです。人間を始めとする動物が、赤ワインが
豊富に含まれる「ポリフェノール」を摂取すると、動脈硬化や脳梗塞を
防ぐ抗酸化作用、ホルモン促進作用が向上するという発表が行われたの
です。
 しかし、これに反論する学者も多いのです。フランス人の心筋梗塞が
少ないのは、ワインのポリフェノールのせいではなく、「ワインの飲み
すぎで肝疾患で死ぬ人が多いから、相対的に心疾患で死ぬ人が少ないだ
けだ」と主張する学者もいるのです。
 しかし、その理論は、世界保健機関(WHO)によって「フレンチ・
パラドックス」──フランスの逆説と呼ばれ、1990年代初頭に全世界に急速に広まったのです。それまでの日本はどちらかというと、白ワインの消費量が多かったのですが、このニュースが広がると、日本でも赤ワインによる健康ブームが巻き起こることになったのです。

●ポリフェノールを含む食品とは何か

 ポリフェノールは、植物に含まれている色素や渋み成分のことで、体
の酸化と「血管の老化」を防ぎ、血圧を下げる効果をもたらすのです。
ポリフェノールの仲間を少し上げてみましょう。
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   ケルセチン──たまねぎ、りんご、ブロッコリーなど
   イソフラボン──大豆、豆腐など
   ルチン──そば、アスパラガスなど
   アントシアニン──ブルーベリー、りんご、さつまいもなど
   カテキン──赤ワイン、緑茶など
――――――――――――――――――――――――――――――――
 別に赤ワインを飲まなくても、日本人になじみの深いポリフェノール
を含む食品には、緑茶のカテキン、大豆、豆腐があるので、それらを意
識してとるようにすればよいと思われます。
 日本人は欧米諸国に比べると喫煙者が多いのですが、喫煙している人
の割合からすると心筋梗塞になる人は少ないのです。それは、日本人が
日常食べている食品にポリフェノールが多く含まれているからです。
 とくに緑茶のカテキンは、「血管の老化」を防ぐ力が強いのです。緑
茶には脳梗塞を予防する効果のあるテアニンや血糖値を下げる効果のあ
るポリサッカライドという物質も含まれているのです。

●くだものを食べなくなった日本人

 最近の統計によると、日本人が一年間に消費するくだものの量は世界
各国の平均値を下回っているのです。くだものの代表として、りんごを
取り上げることにします。りんごは、体内の悪いものを掃除する役割が
あるのです。
 既に述べたようにりんごはカリウムを豊富に含んでいますが、カリウ
ムはナトリウムをくっつけて排出する掃除役としての働きがあります。
また、りんごにはペクチン──水に溶ける食物繊維が豊富なのです。ペクチンもコレステロールを吸着して排出する掃除役として働きます。
 くだものを煮ると、それに含まれているペクチンが水に溶け出し、糖
分とともに煮詰めるとくだもの中の酸との作用によってゼリー化するの
です。くだものによりこのペクチンの量が足りない場合には、理想的な
ゼリー化状態にするためにそれを補うことになります。
 古くからジャムをつくるときに、りんごの芯などが伝統的に使用され
てきましたが、今日、ペクチンはその優れたゲル化特性から、ジャムや
フルーツソース、ゼリーの製造など幅広く利用されるようになっている
のです。このようにペクチンは、ジャムの製造にあたって重要な役割を
果たしているのです。
 りんごの皮の色素には、悪玉コレステロールの酸化を防ぐアントシア
ニンが含まれています。したがって、りんごを食べるには皮をむかない
で、皮ごと食べると効果があるのです。
 血管を若返らせるために忘れてはならないことがあります。それは、「水分補給」です。水分を補給しないと、血液はねばり気を増してくるのです。その結果、血液が流れにくくなります。
 血管が詰まることが多いのは、寝起きの時間帯──副交感神経が交感神経に切り換わる時間帯に多いのです。睡眠中に汗をかき、水分が失われて、血液が詰まりやすくなるのです。そういう意味では、風呂上りも要注意です。
 水分補給はこまめに少しずつとるのがベストです。運動をして汗をか
いたりしたときは、必ず水分の補給を行う必要があります。大量に汗を
かくと、水分とともに塩分も失われることがあります。このときには、
水だけではなく、塩分をとることも大切です。  [血管の話/15]
posted by キーヘルス at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 血管の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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