2010年06月17日

●心療内科と精神科──どちらを選ぶか

 最近メンタルクリニックを開業する医師が増えているそうです。患者が増えているからです。「心療内科」と看板に書いてある医院も多いのです。鬱ではないかなと思ったとき、いきなり病院の精神科に行く勇気のある人は少ないと思います。そういう人が心療内科に行くのです。あくまで自分は精神病じゃないと思っているからです。ところで、心療内科とは何でしょうか。精神科とどう違うのでしょうか。
 心療内科と精神科の区別がつかない人は多いと思います。ドクターさえ、その区別がつかないのですから、患者がわからないのは当然のことです。全国で80の医学部・医科大学があるのですが、講座があるのが西の方から、九州大学、鹿児島大学、関西医科大学、東京大学、東邦大学の5大学だけなのです。
 もっとも、近畿大学堺病院、日本大学、東北大学に診療科として心療内科はありますが、系統的に講義や臨床実習を行うことができるのは講座がないとできないのです。そのため、上記5大学を除くと、多くの医学生が心療内科の講義を一度も受けないまま心療内科の医師になる現状があるのです。
 1996年に厚生省(現厚生労働省)が「心療内科」を標榜として認可して以来、全国のクリニックや病院に2000をはるかに超える心療内科が標榜されたのです。しかし、その多くは精神科の先生です。そのため、さらに誤解が生じるのです。また、内科医でも心療内科を標榜できるので、心療内科医には専門的な知識や経験を持っていない人も多いのです。
 そういう意味もあって、門倉真人医師は、鬱病だと思ったら、躊躇わずに病院の精神科に行くべきであるといっています。専門医の診断を受ける必要があるからです。それに、精神科は軽症から重症まで幅広くメンタル疾患に対応できるので、どのような患者の受け入れも可能です。
 「鬱病」と「心身症」とはどこが違うのでしょうか。
 その区別は非常に難しいのです。なぜなら、その初期段階は、どちらの疾患も漠然とした意欲低下や不安感があるので、慎重に鑑別しないと両者を取り違える恐れがあります。
 鬱病には「抑鬱気分」があることが診断のさいの必要な症状のひとつになっています。しかし健康な人でも気分が落ち込むことはよくあり、病的なものか否かの判断は次の2つの症状の有無で判断するのです。
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       1.強い自覚的苦痛があるかどうか
       2.社会生活に支障をきたしている
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●抑鬱気分が朝に起きるとプチ鬱である

 もっとも鬱病になりやすいのは朝なのです。「抑鬱気分」がいつ起きるかによってひとつの診断ができるのです。抑鬱気分は朝に起きやすいのです。つまり抑鬱気分は朝がもっとも悪く、夜になるにつれて良くなることが知られているのです。しかし、鬱病が治ってくると気分が良くなる時間が夜ではなくしだいに朝に近付いてくるのです。気分が良くなる時間が朝になると、それは鬱病が治ったことを意味しているのです。
 鬱病と睡眠の関係ですが、中途覚醒や早朝覚醒で、十分な睡眠がとれないまま、最悪の気分で早朝に目覚めてしまうのです。こういうときは「死んでしまいたい」と考えることも多いといわれます。
 これまでの人生においてあなたは、成功したことと、失敗したこととはどちらが多いと思いますか。
 この場合、成功したことが多いと答える人は加点主義、失敗が多いと考える人は減点主義です。例外はありますが、一般的に成功よりも失敗の方が多いと考えます。減点主義に立つとどうなるかについて、門倉真人医師は次のように述べています。
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 減点主義の人は、朝起きたときに「ああ、今日も失敗しないように、
 面倒なことにはなるべく関わらないようにしよう」と考えます。そし
 て、朝は「プチ鬱」になりやすい時間帯。鬱病が治っても、起床直後
 からしばらくの間は何となく暗い気持ちになるという患者さんはたく
 さんいるのです。一日のスタートを切る大切な朝に、「プチ鬱」と減
 点主義の相乗効果によって、「今日も辛い一日がまた始まった」と暗
 い気持ちに拍車がかかるのです。
 ──門倉真人著『鬱のパワー/落ち込んだあとに3歩前進する方法』
                       講談社+α新書より
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 減点主義で自己評価している人は、必ず自己嫌悪に陥ります。減点主義で評価されると、自分を否定されていると感ずるのです。完全な人間なんていないので、減点の対象を探せばいくらでもあるのです。それをいちいち自己評価していると、誰でも自己嫌悪に陥ってしまうのです。
 自己嫌悪に陥っても減点主義評価を変えないと、プチ鬱の状態になっていくのです。それでは、加点主義に変えればよいのかというと、そう簡単な話でもないのです。失敗を反省して成功に結び付ける気持ちを持つことが一番大切なのです。        ―― [鬱の話/04]
posted by キーヘルス at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 鬱の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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