2008年07月03日

●こうして胃や十二指腸に潰瘍ができる

●胃の構造を覚える必要がある

 ピロリ菌がどのようにして胃を侵食するのかについて、少し詳しく見ていくことにします。ところで、私たちの胃というのはどういう構造をしているのでしょうか。
 胃は「胃袋」といわれるように、袋状になっている消化のための臓器です。最初に、「噴門」と「幽門」という言葉を覚える必要があります。胃の上方の入口が「噴門」であり、食道からつながっています。出口は「幽門」といい、十二指腸につながっています。この入口と出口は固定されていますが、胃そのものは腹部に固定されているわけではありません。
 胃は袋状になっていますから、食べ物が入っているときと入っていないときは、大きさが異なります。何も入っていないときは1000ミリリットル以下であり、入っているときは2000ミリリットル以上に大きくなります。食べ物が入っているときとそうでないときは倍以上の大きさの開きがあるのです。
 さて、次に胃の構造ですが、胃の内部から外側にかけて次の5つの層に分かれています。
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         1.粘膜層
         2.粘膜下層
         3.筋層――――きんそう
         4.漿膜下層――しょうまくかそう
         5.漿膜
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 胃の粘膜――粘膜層と粘膜下層のことですが、ここには次の4つの細胞があるのです。
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         1.「胃酸」を分泌する細胞
         2.「ペプシノーゲン」を分泌する細胞
         3.「粘液」を分泌する細胞
         4.「ガストリン」を分泌する細胞
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 「ペプシノーゲン」は既にお馴染みですが、これは分泌されると、消化酵素「ペプシン」になる前駆物質です。「ガストリン」というのは、胃酸の分泌を調節するホルモンのことです。

●ピロリ菌と胃潰瘍・十二指潰瘍の関係

 それでは、ピロリ菌は胃のどこにいるのでしょうか。
 ピロリ菌は、粘膜層の表層や粘液の中にいます。そして、胃の細胞を直接・間接に傷害するのです。これが長く続くと、胃粘膜を保護しているバリアが壊れて、粘膜層の細胞が破壊されるのです。この状態を「びらん」といいます。
 この「びらん」を放置すると、それはさらに深くなり、粘膜下層や筋層までが傷害され、破壊されます。この状態が「潰瘍」です。
 しかし、人間の身体は実によくできていて、ピロリ菌による破壊攻撃によって破壊された粘膜を修復する力が働いて、そのほとんどのケースは修復されるのです。しかし、それは身体全体に活力がある場合であって、病気をして身体が弱っていたり、歳をとって身体の抵抗力がなくなると、ピロリ菌の攻撃活動が粘膜を修復しようとする力を上回って潰瘍の状態が進行し、がんになってしまう可能性もあるのです。
 さて、十二指腸についても構造を覚える必要があります。十二指腸は胃の出口「幽門」につながっています。その名の示すように、指を横に12本並べたぐらいの長さ――20センチ〜30センチ――があります。この十二指腸の幽門につながる部分を「十二指腸球部」といいます。
 十二指腸は小腸の一部ですが、その構造は胃とまったく同じ5層があるのです。しかし、筋層に関しては胃のそれが非常に強靭であるのに対して、十二指腸の筋層は薄いのです。しかし、消化されたものを吸収する部分である粘膜が発達しているのです。
 十二指腸では、重炭酸によって胃酸を中和し、酸が過剰になることを防いでいます。酸が過剰になると、十二指腸球部――幽門につながった部分で傷害を受けやすくなるのです。これが「十二指潰瘍」の原因になるのです。
 胃がピロリ菌に感染すると、胃の前庭部で傷害により炎症が起こります。そうすると、胃酸分泌を刺激するホルモン「ガストリン」が出て、酸が過剰になります。そのため十二指腸球部が過酸状態になり、その状態が続くと、十二指球部潰瘍になる可能性があります。
 ピロリ菌によって胃潰瘍や十二指潰瘍が起きやすくなるメカニズムは以上の通りですが、ピロリ菌以外で、胃潰瘍や十二指潰瘍が起きる原因として、最も代表的なのは「消炎鎮痛剤」によるものです。
 消炎鎮痛剤は解熱剤や痛み止めとして使われますが、これを過剰に摂取すると、胃炎、胃潰瘍、十二指潰瘍などの胃腸障害を起こしやすいのです。また、最近は心臓病などでも使われる「アスピリン」も潰瘍の因子となりやすいので覚えておくべきです。                       
posted by キーヘルス at 04:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ピロリ菌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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