2008年07月10日

●ピロリ菌は3種類の薬によって除菌される

●ピロリ菌と胃がんの関係

 もし、胃・十二指腸潰瘍という診断が下されたら、ピロリ菌が陽性であるかどうかが重要なポイントになります。ピロリ菌が陽性であるかどうかを調べて陽性の場合、除菌治療を行う必要があります。なぜなら、除菌によってその再発率を劇的に抑えることができるからです。
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   ≪除菌治療による胃潰瘍の累積再発率の低下≫
          1ヵ月後   6ヵ月後   12ヵ月後
   除菌不成功   32%    62%     62%
   除菌 成功    5%     8%     12%
    ――伊藤真愼著、『ピロリ菌/日本人6千万人の体に棲む
              胃癌の元凶』 祥伝社新書/034
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 しかし、これほどピロリ菌と胃・十二指腸潰瘍の関係が明確になっているにもかかわらず、医療機関によってはピロリ菌の診断やその除菌を積極的には行わず、漫然と抗潰瘍剤を投与するだけのところも多いので、治療に不満を感じたら、遠慮せずに医師に説明を求めるべきです。
 胃潰瘍がどういう状況で胃がんになるかについては、十分には解明されていないのです。しかし、ピロリ菌感染による持続的な慢性胃炎を原因とする胃粘膜傷害が長く続いていることと胃がんの発症とは密接な関係があると考えられているのです。
 ピロリ菌感染に伴ってニトロソアミンという発がん物質が生じたり、ピロリ菌が胃の細胞に「CagA」という特殊なたんぱく質を注入することで細胞の新陳代謝が鈍り、菌を排除することができなくなって胃がんの発症につながるということが最近の研究によって知られてきています。
 医師の問診だけで胃がんを予測することは、ほとんど不可能であるといわれています。問診では、胃がんのリスクの高い人をいかにして絞り込むかという点に重点が置かれます。胃に何らかの症状があって家族に胃がんになった人がいる人や、ピロリ菌の感染が疑われる慢性胃炎や潰瘍の既往症があって除菌治療を受けていない人などはリスクの高いケースになるのです。
 最近では、血液検査も胃がんの発見に寄与することが多いのです。血液検査では、次の5つについて検査できます。
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            1.貧血があるかどうか
            2.栄養の状態はどうか
            3.肝機能異常があるか
            4.腫瘍マーカーの状況
            5.ペプシノーゲン検査
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 中でも5の「ペプシノーゲン検査」は、既に述べているように、胃粘膜の萎縮の状況を反映する検査であり、胃がんのリスクがあるかどうかの判断材料になるといわれています。

●健康保険が効くピロリ菌除菌方法

 以上の考察からわかるように、ピロリ菌が陽性の場合は速やかに除菌をするのがベストですが、実際にどのようにして除菌するのでしょうか。
 ピロリ菌の除菌には、次の3つの薬の組み合わせて一週間内服する方法が標準であり、この処方は健康保険で認められています。
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 胃酸を抑える薬 ・・・・・ ランソプラゾール/オメプラゾール
 抗生物質――@ ・・・・・ クラリスロマイシン
 抗生物質――A ・・・・・ アモキンシリン
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 2000年の発表によると、この除菌方法の除菌効果は90%であるということですが、年々除菌成功率は低下し、現在では70〜80%になっているといわれます。それは、細菌の薬剤に対する耐性化が進んでいることが原因であると思われます。
 抗生物質は、その使用量が増えることによって、薬剤耐性が生じやすくなるのです。特にクラリスロマイシンはピロリ菌に効きにくくなっており、耐性菌が増加しているといわれます。
 しかし、もうひとつの抗生物質であるアモキンシリンは、ペニシリン系抗生剤ですが、これはピロリ菌に対しては耐性が生じにくいので、耐性菌の割合は2〜3%といわれます。
 したがって、クラリスロマイシンが効かないときは、胃酸を抑える薬であるプロトンポンプ阻害剤とアモキンシリンの2剤で治療する方法をとるとともに内服量や内服日数を増加させることによって、除菌効果を高めるのです。
 ピロリ菌除菌治療によって生ずる副作用は、抗生物質の服用によって正常な腸内細菌に影響し、軟便や下痢になる程度の軽度のものが多く、多くの人にとって受け入れられやすい治療法であるといえます。         
posted by キーヘルス at 04:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ピロリ菌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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