2008年07月24日

「肝がんの原因はお酒の飲み過ぎではない」

●肝がんの原因はお酒の飲み過ぎにあらず

 もし、あなたが肝がんであると診断され、入院して手術を受けたとします。手術は無事に成功し、明日は退院という日の前の晩に担当医師がやってきて、次のようにいったら、あなたはどう思いますか。
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 いよいよ明日は退院ですね。おめでとうございます。お宅にお帰りに
なったら、早速ビールで乾杯されたらどうですか。
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 「えっ!本当ですか。ビールなんか飲んで大丈夫なのですか」――きっとあなたはこういうでしょう。横に奥さんでもいたら、「先生、お酒なんてとんでもありません。このさいお酒と縁を切るよう主人にいってください」というにきまっています。
 肝がんの手術をして、退院する前の日の最後の病棟診断で実際に患者にこのようにいっている医師がいるのです。高山忠利氏――日本大学医学部消化器外科部長がその人です。肝臓外科医のベテランなのです。
 多くの人は、肝臓病になるのはお酒の飲み過ぎのせいと勝手に決めていると思います。アルコールは肝臓の敵だと信じて疑わないからです。
 高山先生によるとこれは誤解だというのです。肝臓障害の原因として、アルコールが主犯とされたのは1988年までのことであり、これは「古い常識」であるというのです。しかし、欧米ではアルコールの取り過ぎで肝臓病になり肝がんになる人が多いですが、アジアではアルコールが原因で肝がんになる人は少ないのです。
 それでは何が原因で肝臓病になるのでしょうか。それに、1988年に何があったのでしょうか。
 1988年にC型肝炎ウイルスが発見されたのです。肝臓にとって本当に警戒すべき大敵は肝炎ウイルスであり、お酒が原因で肝炎や肝がんになるケースは少数派なのです。高山先生がこれまでに診てきた3000人以上の肝がんの患者のなかで、お酒が原因でなった人はせいぜい2%程度だというのです。高山先生は自著で次のようにいっています。
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 たとえば100人の肝がんの人がいるとしましょう。そのうち、75
人がC型肝炎ウイルスを持った人(キャリア)、15人がB型肝炎ウ
イルスのキャリアです。残る10人の中に、アルコール多飲が原因の
人がいたとしても、せいぜい2人か3人。そんな程度でお酒だけが原
因で肝がんになる可能性は決して高くありません。むしろ、肝炎ウイ
ルスと肝がんの関係のほうがはるかに密接です。  
――高山忠利著/講談社+アルファ新書/383−1B
『肝臓病の「常識」を疑え!/世界的権威が説く肝臓メンテナンス法』
――――――――――――――――――――――――――――――――
 いわゆる大酒飲みの人に肝がんの人は少なくないですが、そういうケースの場合も、よく調べてみると、ほとんどのケースが肝炎ウイルスを知らずに持っているのです。肝がんになったのはお酒が原因ではなく、肝炎ウィルルスである場合が多いのです。

●ウイルスなしに肝がんなし

 肝がんは、中国、韓国にもっとも多く、日本がそれに続きます。そのため、肝がんは「アジアがん」といわれるのです。それから、地中海沿岸のスペインイタリア、ギリシャも肝がんは多いですが、ヨーロッパでは北に位置する国ほど少なくなっています。それから、アメリカやオーストラリアではもっとも少ないのです。
 同じがんであるのに、発生者数が国別にこんな多くの差があるのは、肝がんだけなのです。これほど大きな国別差が出るのはB型、C型肝炎ウイルスの感染者数が違うのです。アジアは肝炎ウイルスの蔓延地帯であり、そのために肝がんが多発するのです。
 お酒を飲むと顔が赤くなる――こんなことは常識で、民族を問わず人間であれば誰でもそうなると思っていませんか。
 実は欧米人はお酒を飲んでも顔は赤くならないのです。彼らはもともとお酒を飲めない遺伝子を持っていないのです。したがって、欧米人は食事のさい、まるで水のようにお酒を飲み、その飲む量はアジア人の比ではないのです。それでいて、彼らは決してお酒に飲まれてしまうことはないのです。
 こういう欧米人に対してアジア人は、体質的にもお酒をたくさん飲めない遺伝子を持っているのです。そのため、顔が赤くなるのは、日本人をはじめとするモンゴル系の民族、東洋人だけなのです。そのため、欧米人は、東洋人がお酒で顔を赤くする現象を「オリエンタル・フラッシャー」と呼んで珍しがっているのです。
 このように、少なくとも日本人が肝がんになる原因としてお酒の飲み過ぎが原因ではなく、肝炎ウイルスが主犯であると考えられます。医学界には次の言葉あるくらいなのです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
       No virus,no cancer./ウイルスなしに肝がんなし
――――――――――――――――――――――――――――――以上
posted by キーヘルス at 03:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 肝臓の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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