2008年08月28日

●脂肪肝には有酸素運動が効果的である

 脂肪肝と診断されても医師はこれといった治療の指示をしない
ものです。少なくとも今まではそれでよかったのです。「運動を
して体重を落としなさい」というアドバイスぐらいです。確かに
体重を落とすのは大事なことです。
 実は現在はそう呑気なことをいっていられないのですが、その
理由については後述します。
 その医師のアドバイスを「体重を落とす=痩せる」ととらえて、
ダイエットで無理に痩せようとすると、「ダイエット脂肪肝」に
なってしまいます。これではかえって肝臓に脂肪を溜め込んでし
まい、逆効果になります。
 一番良いのは軽い「有酸素運動」をすることです。ところで有
酸素運動というと、エアロビクスダンスを連想する人がいます。
それもそのはず、有酸素運動を英語で「エアロビクス」(Aerobics)
というからです。エアロビクスダンスは有酸素運動のひとつに過
ぎないのです。有酸素運動を定義すると、次のようになります。
―――――――――――――――――――――――――――――
 有酸素運動とは、身体にある程度以上の負荷をかけながら、
長い間にわたって継続して行う運動である。
―――――――――――――――――――――――――――――
 主に酸素を消費する方法で筋収縮のエネルギーを発生させる運
動が「有酸素運動」であり、酸素を消費しない方法で筋収縮のエ
ネルギーを発生させる運動は「無酸素運動」というのです。陸上
競技でいうと、短距離は無酸素運動、長距離は有酸素運動という
ことになります。
 無酸素運動は筋力を高めますが、有酸素運動は循環器系などの
内臓の状況を好転させるのです。また、無酸素運動はスポーツマ
ンらしさを増進させますが有酸素運動は不健康な状況を健康な状
態に戻し、体内の糖代謝、脂肪代謝を改善する効果があります。
 それでは、具体的にどうしたらよいかというと、できるだけバ
ランスの良い食事をとることを心がけて、毎日ウォーキングをす
る――これを続ければ良いのです。「歩くと身体に良い」という
考え方よりも「歩くと脂肪が燃える」と考えて毎日ウォーキング
をするのが良いのです。
 こうした有酸素運動が功を奏して、肝臓から脂肪が抜けていく
と、それまで脂肪が占めていたスペースに肝細胞が戻ってくるの
です。別に一時的に避難していた肝細胞が元の位置に戻るのでは
なく、脂肪がなくなってスペースができると、その周辺の肝細胞
が分裂して、新たに生まれた肝細胞がスペースを埋めるのです。
これは他の臓器には見られない不思議な現象です。

●脂肪肝とNASHの関係

 冒頭の話に戻ります。確かに昔は、脂肪肝になってもそう心配
することはなかったのですが、最近では少し心配なことがあるの
です。それは、見た目は普通の脂肪肝なのですが、そこに肝炎が
絡んでいるケースが少なくないのです。
 実はこれは脂肪肝ではなく、「非アルコール性脂肪性肝炎」と
いう病気なのです。この病気は、アルコールを飲まないのに肝臓
の中に脂肪が溜まってくるので、そのように呼ばれます。正式な
病名は次の通りです。
―――――――――――――――――――――――――――――
    「非アルコール性脂肪性肝炎」 /ナッシュ
    Non-Alcoholic Steato Hepatitis/NASH
―――――――――――――――――――――――――――――
 NASHの問題点は、発がんリスクを伴う病気だからです。つ
まり、肝がんの原因になるのです。この病気にかかると、肝臓に
鉄分が溜まりやすい状態になります。そうすると、活性酸素から
生ずる酸化ストレスの影響で、肝臓の繊維化が進行するのです。
これに肝炎が絡むことによって、肝硬変になる可能性が高まるのです。
 どういう人がNASHにかかるのかというと、はっきりしてい
ることは、アルコールを飲まない人です。健康診断の受験者の2
0%が脂肪肝であるということは既に述べましたが、そのうちの
8%がNASHであるというデータもあるそうです。
 このデータについて具体的に述べることにします。
 脂肪肝の患者100人中65人ぐらいの人は、多少なりともお
酒を飲む人であるとします。このようにアルコールを飲む人は、
非アルコール性であるNASHには該当しないので、除外されま
す。残る35人の中で、6ヶ月以上にわたってGOTやGPTの
数値が異常をきたしている8人がNASHということになるので
す。
 肝機能障害がある――つまり、GOTやGPTの数値に問題が
ある人で、お酒を飲まないにもかかわらず、エコー検査で脂肪肝
と診断された人は、肝臓の専門医の診断を受けて、NASHであ
るかどうかを調べてもらうべきであると既出の高山忠利医師はア
ドバイスしています。
 NASHのことはまだ正確にはわかっていないそうです。NA
SHであるとなぜ発がんするのか――脂肪肝とウイルスの関係性
を現在多くの研究者が調べているのです。肝臓病の中で、現在一
番研究が盛んなのが脂肪肝であるといって良いと思います。
                       
posted by キーヘルス at 04:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 肝臓の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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