2008年09月25日

●サイレント・キラー/C型肝炎ウイルス

 C型肝炎――ウイルス性肝炎の中でもっともキャリアになる可
能性が高い肝炎であるといわれます。C型肝炎ウイルスが発見さ
れたのは1988年のことであり、「薬害C型肝炎」として現在
最も注目度の高いウイルス性肝炎であるといえます。
 ところで、C型肝炎ウイルスが発見されたのは正確にいうと、
1998年1月3日のことなのですが、この年は昭和と平成の境
目の年なのです。これは昭和の時代に病院で手術などで輸血をし
た経験のある人は、C型肝炎ウイルスの有無を調べてみる価値の
あることをあらわしています。
 現在、C型肝炎のキャリアは全国で約200万人いるといわれ
ていますが、なぜこんなに多いのかというと、1969年から1
994年までの25年間にわたって、手術や出産時に止血に使わ
れた血液製剤が原因でC型肝炎にかかった人が多いからです。早
くから血液製剤に問題があるとわかっていたのに、それを無視し
て使い続けたことが多くのキャリアを生んでしまったのです。
 C型肝炎が怖いのは、キャリアの80%が慢性肝炎に移行し、
その大部分は進行性で、肝硬変に進むといわれている点です。肝
硬変になると、肝がんになる可能性が非常に高くなります。現在、
肝がん患者の75%は、血液検査でC型肝炎ウイルスに陽性反応
が出た人であるという事実は見逃すことはできないことであると
思います。
 C型肝炎には自覚症状というものがないのです。健康診断で肝
臓の数値に異常がないからといって安心していると、気がついて
みたら、肝硬変や肝がんになっていたということが多いのです。
したがって、このウイルスは「サイレント・キラー」と呼ばれ、
恐れられているのです。
 C型肝炎ウイルスが体内に入ると、肝臓の中でウイルスは増殖
し、肝臓の組織が破壊され、線維化が起こるのです。これによっ
て肝硬変になるのです。ここまで自覚症状はほとんどないので、
ある日突然ということになります。

●B型/C型肝炎ウイルスの検査は受けるべきである

 C型肝炎ウイルスはどのような構造をしているのでしょうか。
 大きさは60ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メ
ートル)ほどの球形の粒子です。外側の被膜の表面に長短2種類
の突起を出しており、その突起の根っこに遺伝子のRNAを持っ
ています。エイズウイルスはC型肝炎ウイルスと同じウイルスか
らできているのです。
 これに対してB型肝炎ウイルスは、DNAを持っているのです。
RNAとDNAはともに核酸の種類ですが、その違いは非常に専
門的なものになります。ごく簡単にいうと次の通りです。血液検
査では、これらDNAとRNAを調べて肝炎ウイルスの有無を確
認するのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 DNA/生物の遺伝情報を記録し、子孫に伝えていく記録
媒体である
 RNA/DNAに記録された遺伝情報を取り出して、動く
ようにする
―――――――――――――――――――――――――――――
 C型肝炎ウイルスの有無を調べるには、病院の肝臓内科の外来
を訪ねることになります。そこで、C型肝炎ウイルスの抗体があ
るかどうか、陽性か陰性かを調べます。この検査で陽性が出ると、
C型肝炎の疑いがあるのです。ここではじめて、C型肝炎ウイル
スの量を調べるのです。「HCV−RNA検査」といっています。
 血液の中に肝炎ウイルスが入ると、抗原抗体反応が起こって、
外から侵入した異物である「抗原――ウイルスのこと」は排除さ
れます。そのとき、異物に対抗するために作られたタンパク質で
ある「抗体」は残ります。
 この抗体のあるなしによって陽性と陰性が決まります。抗体が
あれば陽性と出るのですが、B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイル
スとでは、診断結果が違ってくるのです。
 B型肝炎ウイルスの抗体検査で陽性になると、それは感染した
ウイルスが既に駆逐され、抗体だけが残っているということを意
味します。しかし、C型肝炎ウイルスの場合は、抗体反応が陽性
になると、ウイルスが駆除された人と、そうでなくて依然として
ウイルスを持っている人の2つのケースが考えられるのです。同
じ「抗体陽性」でもB型とC型では意味が違うのです。
 「HCV−RNA検査」では、C型肝炎ウイルスの「抗体陽性」
となった人に対して、RNA検査をしてウイルスの有無を調べる
のです。この検査でウイルスがないということがわかると、C型
肝炎ではないことになります。
 ここで大切なことがあります。健康診断の血液検査で、GOT、
GTPという2つの数値を調べますが、この数値が正常でもC型
肝炎にかかっていることはあるのです。C型肝炎ウイルスを持っ
ているかどうか調べるには、病院の肝臓内科に行って、抗体の有
無を調べる検査を受ける必要があります。
 そしてそれが陽性であれば、続いてHCV−RNA検査を受け
ることになります。この検査でC型肝炎ウイルスがいないことが
確認できれば心配ないのです。さいわいこの検査はオプションで
すが、保険適用ですので、1300円ほどで受けることができま
す。
 健康を維持するためには、GOT、GTPという数値だけに頼
らず、病院でB型、C型肝炎ウイルスのチェックをやってもらう
ことは大切です。           ・・・肝臓の話/10 
posted by キーヘルス at 04:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 肝臓の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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