2008年10月02日

●肝臓の線維化について知る

 肝臓には不思議なことがたくさんあるのです。C型肝炎ウイル
スに感染していても、GOT、GPTが正常値である人がいるの
です。ウイルスに感染していても、なぜか肝臓の細胞が壊れない
人がいるのです。
 しかし、そういう人でも肝臓の線維化は少しずつ進み、肝硬変
になっていくのです。GOT、GPTの数値が高い人がC型肝炎
ウイルスに感染すると、かなり早いスピードで肝臓の線維化が進
み、肝硬変になります。GOT、GPTの数値の良し悪しによっ
て、肝硬変になる速度が異なるのです。
 GOT、GPTの数値が高いということは、肝細胞が生まれる
先から壊されている状態が続いていることを意味しており、それ
が繰り返されることによって、肝臓の組織がダメージを受けて線
維化が起こるのです。この線維化の進んだ状態が肝硬変というこ
とになります。
 肝臓の線維化についてもう少し詳しくお話ししましょう。肝細
胞が壊されると、なぜ線維化が起きるのでしょうか。それに線維
化された肝臓は修復できないのでしょうか。
 既出の日本大学医学部消化器外科部長の高山忠利氏は、肝臓の
線維化の修復について次のようにわかりやすく説明しています。
――――――――――――――――――――――――――――
 細胞修復にはコラーゲンというタンパク質が必要になります。
 たとえば、転んで膝に擦り傷をつくると、やがてかさぶたが
 できますね。それと同じことが肝臓で起きているわけです。
 かさぶたは周りの皮膚より硬いでしょう。あれは線維化を起
 こしているからなのです。絶えず修復を繰り返していると、
 線推化が進むというのは、ケロイド状の皮膚をイメージする
 とわかりやすいかもしれません。 ――高山忠利著/講談社
 +アルファ新書/383−1B
 『肝臓病の「常識」を疑え!/世界的権威が説く肝臓メンテ
  ナンス法』
――――――――――――――――――――――――――――
 肝臓の線維化はどのようにして調べるのでしょうか。
 これは血液検査で簡単に調べることができます。この血液検査
は次の3つのポイントについて調べます。
――――――――――――――――――――――――――――
  1.線維化の進行速度 ・・・ V型プロコラーゲン
  2.線維化の程度計測 ・・・   W型コラーゲン
  3.線維化が作るもの ・・・    ヒアルロン酸
――――――――――――――――――――――――――――
 「V型プロコラーゲン」というのは、線維化の進む速度を反映
するもので、コラーゲンと一緒に作られて血液中に流れ出てきま
す。「W型コラーゲン」は肝臓の中にあるコラーゲンが分解され
てできるものです。そして「ヒアルロン酸」は、肝臓が線維化を
起こすときに多く作られるものです。
 実は1と2のコラーゲンは、肺に線維化が起きたときや膝の関
節が線維化を起こしたときにも出るのですが、3のヒアルロン酸
の有無を調べて肝臓の線維化を特定するのです。これは肝臓に特
有のものであり、これがあると肝臓の線維化であることをあらわ
しているのです。

●「インターフェロン」という薬がある

 「インターフェロン」――C型肝炎訴訟のときしきりと使われ
ていた言葉です。読者も何回かは聞いたことがあると思います。
インターフェロン――C型肝炎の薬であることは知っていても、
それが飲み薬なのか注射薬なのかわからないと思います。
 インターフェロンは、C型肝炎ウイルスの増殖を抑え、駆除す
る注射薬なのです。ウイルスが単に減少するだけでなく、根源を
絶って駆除できる可能性が高いところから、C型肝炎の治療法で
最も効果がある薬がインターフェロン注射なのです。根源を絶つ
ことができるので、発がんも抑制できるのです。なお腎がん、皮
膚がんなどの一部のがんには、インターフェロンが抗がん剤とし
ても使われているのです。
 インターフェロンは、人間がウイルス感染を受けたときなどに
体の中で作るタンパク質の一種なのです。インターフェロンの種
類は、現在までにα型、β型、γ型の3種類が分かっています。
 それぞれの性質は少しずつ異なっていますが、主な作用として
抗ウイルス作用、免疫増強作用、抗腫瘍作用などがあります。イ
ンターフェロンによる慢性ウイルス性肝炎の治療は、この抗ウイ
ルス作用により肝炎ウイルスを攻撃し、ウイルス性肝炎の治療を
するのです。
 初期のインターフェロンは、週3回の注射を1年続ける必要が
あり、しかも保険適用でなかったために、患者さんにとってかな
り敷居の高い薬であったといえます。
 しかし、「ペグインターフェロン」というインターフェロンに
ポリエチレングリコロールという新しいタイプができ、インター
フェロンの排泄がゆっくりとなり、効き目が持続するようになっ
たのです。そのため、週1回の注射で済むようになり、外来での
治療も可能になったのです。しかも、2004年12月から保険
適用になったことで、患者さんにとってかなり垣根が低くなった
といえます。

posted by キーヘルス at 03:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 肝臓の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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