2008年10月16日

●原因がわからないがんとわかるがん

 日本人の死因の第1位はがんです。年間に約33万人の人が亡
くなっているのです。そのがんができる部位のベスト5は、男女
によって次のように違うのです。肝がんは男性の第3位になって
います。
――――――――――――――――――――――――――――
    第1位  第2位  第3位  第4位  第5位
 男性  肺    胃    肝臓   大腸   前立腺
 女性  大腸    胃    肺    肝臓   乳房
――――――――――――――――――――――――――――
 肝がんは1975年から男女ともに増加していて、2005年
には男性で人口10万人当たり38人(全体で2万3000人)
女性で17人(全体で1万1000人)亡くなっています。
 がんは細胞の異常増殖ですが、その原因は何でしょうか。
 がんがなぜできるのか、その原因については、これほどまで医
学が進歩している現代でもわかっていないのです。
 しかし、唯一原因が特定できるがんがあります。それは肝がん
です。肝がんについては、その原因の90%は肝炎ウイルスであ
ることがわかっています。とくにB型・C型肝炎ウイルスについ
ては、どのくらいの確率でがん化し、がんになるまでどのくらい
の期間を要するのかについてもある程度わかっているのです。こ
ういうがんは肝がんしかないのです。
 肝がんはどのようなかたちをしているのでしょうか。
 肝がんは、その周りに被膜と呼ばれる厚い膜を持っています。
この膜の中でがん細胞は少しずつ増殖していくのですが、めった
なことでは膜の外に飛び出すことはないのです。しかし、まれに
この膜を突き破って外に飛び出し、血管の中に入ってしまうがん
があるのです。このがんは「門脈腫瘍栓」と呼ばれ、治療の困難
ながんなのです。
 門脈というのは、腸で吸収した栄養分を含む血液を肝臓に運ぶ
血管です。門脈腫瘍栓というのは、この門脈の中にがん細胞が入
り込んで、血管を塞いでしまう病気です。こうなってしまうと、
手術でこれを完全に取り除くことはかなり困難になります。いわ
ゆるタチの悪い肝がんの一種といえます。このタイプの肝がんは
腫瘍が小さくても要警戒なのです。
 このように肝がんは、肝炎ウイルスが原因のほとんどなので、
その有無を自ら申し出て検査しておくべきです。もし、肝炎ウイ
ルスがないとわかれば、少なくとも肝がんにはならないといえる
からです。

●肝がんのステージは何によって決まるのか

 肝がんの専門医である高山忠利先生によると、肝がんを4つに
分けて手術の方針を決めるそうです。そのさい、チェックするの
は次の3つです。
――――――――――――――――――――――――――――
    1.がんの個 数 ・・・・・ 個数は1個
    2.がんの大きさ ・・・・・ 2センチ以下
    3.腫瘍栓の有無 ・・・・・ 腫瘍栓なし
――――――――――――――――――――――――――――
 肝がん手術をするさいのステージを決めるポイントは、上記1
〜3の判断基準によって次のように決められます。
――――――――――――――――――――――――――――
     ステージ1:ポイント123すべてに合致
     ステージ2:ポイント2項目が合致
     ステージ3:ポイント1項目が合致
     ステージ4:ポイントはすべて合致しない
――――――――――――――――――――――――――――
 「ステージ1」はいわゆる早期がんであり、手術をすれば完治
できます。手術として一番多いのは「ステージ2」と「ステージ
3」の肝がんです。「ステージ4」になると手術はできないので
す。
 しかしもうひとつ「分化度」といわれるポイントがあります。
これを決めるのは病理部門の仕事です。病理検査とは、患者さん
から摂取したがん細胞を顕微鏡で調べる検査で、高い専門性が要
求されます。
 「分化度」はがんの顔つきといわれ、次の3つに分けられるの
です。
――――――――――――――――――――――――――――
   1.高文化 ・・・・・ 正常ながん細胞に近いがん
   2.低文化 ・・・・・ 細胞の形が不整であるがん
   3.中分化 ・・・・・ 高分化と低分化の中間存在
――――――――――――――――――――――――――――
 「高分化」というのは、比較的おとなしいタイプのがんです。
これに対して「低文化」はとてもタチの悪いがんです。「分化」
というのは、正常な細胞に付ける名称であり、正常の度合いが高
いのが「高分化」、度合いが低いのが「低分化」なのです。「中
分化」はその中間です。
 「高文化」の肝がんであれば、相当大きくなっていても手術で
取れる可能性が高いのですが、「低文化」になると、がんが小さ
くても取れないことが多く、取れた場合でも再発を防ぐことが困
難になります。
posted by キーヘルス at 03:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 肝臓の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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