2008年11月06日

●世界一の長寿国にして健康不安大国である日本

 2008年4月から「特定健診」――別名「メタボ健診」がは
じまっていますが、この健診には数々の疑問があるのです。しば
らく、この問題に詳しく著書も多い東海大学医学部教授、大櫛陽
一先生の著書などをベースにして連載していきたいと思います。
 まず、日本という国が健康に関してどういう国であるか考えて
みたいと思います。まず、健康に関係のない話から始めます。い
ろいろな統計でよく出てくる「OECD」とは何かご存知でしょ
うか。
 第2次世界大戦後の話です。米国のマーシャル国務長官は、経
済的に混乱状態にあった欧州各国を救済しなければならないと考
えて、そういう趣旨を盛り込んだ提案を行ったのです。これが
「マーシャルプラン」です。
 これを契機として、1948年4月、欧州16か国でOECD
――欧州経済協力機構が発足したのです。これが現在のOECD
の前身になります。その後欧州経済の復興に伴い、1961年9
月にOECD加盟国に米国およびカナダが加わって、新たにOE
CD――経済協力開発機構が発足したのです。日本は1964年
にOECDの加盟国になっています。現在OECDはEU加盟国
19ヶ国、その他11ヶ国の合計30ヶ国で構成されています。
 はっきりしていることは、日本人の寿命はこのOECD加盟国
の中で一番長いということです。だから、世界一長寿国といわれ
るのです。「脂質異常症」が原因とされる心筋梗塞などの虚血性
心疾患の死亡率も一番低いのです。OECD平均で見ると、男性
が4分の1、女性は3.5 分の1です。
 しかし、自覚的健康観、つまり、自分は病気ではないかと考え
る人は、OECD加盟国中最下位のスロバキアに次いで下から2
位なのです。したがって、1人当たりの医療機関での受診回数は
トップであり、OECD平均の約2倍なのです。急性期医療の平
均在院日数もトップであり、OECD平均の2.3 倍になってい
ます。
 つまり、日本は最も健康な国なのですが、同時に世界で最も健
康不安に国民が怯えている国ということになります。全国民を対
象にした健診制度は欧米に例がないものであり、医療関係者はだ
からこそ日本は世界一長寿国であると胸をはるのですが、その一
方においてその健診が国民に強い健康不安を抱かせているとい
えるのです。

●日本では男性の6割、女性の5割が病人である

 とても不思議なことがあります。2006年に全国719施設
での受診者数296万人のうち、健康な人は11.8 %であると
人間ドック学会が発表したのです。なんと88.2 %の人は不健
康な人であることになります。
 人間ドック学会は、1984年には、健康な人は29.8 %で
あると発表していますから、健康な人はこの22年の間に3分の
1に減ったということになるのです。これは少しおかしいと思い
ませんか。なぜなら、この間にも寿命が伸びているからです。
 2008年4月から始まった特定健診では、男性の94%、女
性の83%が異常と判定され、男性の6割、女性の5割に医療機
関で受診するよう勧奨されているのです。これは常識的にいって
判定基準がおかしいのではないかと考えのが自然なのではない
でしょうか。
 大櫛陽一先生は、インフルエンザの治療薬タミフルの例をあげ
て日本がいかに薬漬けの医療をしている国であるかを説明して
います。日本のタミフルの消費量は、2005年には世界の消費
量の80%を占めているとして、次のように述べています。
――――――――――――――――――――――――――――
 効果があるかどうか不明な新型インフルエンザのために、国
 が1050万人分の備蓄を終え、都道府県に対して同量を備
 蓄するように要請しています。現在は減少していますが、日
 本では、人の血液で作られたアルブミンを1985年には世
 界の3分の1近くを消費していました。このように薬好きの
 日本人は、世界の製薬企業にとっては良いお客さんなのです。
 ―大櫛陽一著『コレステロールと中性脂肪で、薬は飲むな』
                   祥伝社新書/131
――――――――――――――――――――――――――――
 別に日本人は薬が好きなわけではないのです。医師の指示に忠
実なだけなのです。しかしこれもよいことではないといえます。
もっと主体性をもって自分の健康に向き合うべきです。
 タミフルというと、インフルエンザに罹患した子どもに異常行
動が起こったときに、その原因はタミフルではないかと大騒ぎに
なりました。しかし、厚労省の委員会では、タミフルは関係して
いないという結論を出しています。
 しかし、その委員会の委員長である横田俊平氏(横浜市立大学
医学部)にタミフルの発売元である中外製薬から6年間で100
0万円の寄付金が提供されていたことが判明したのです。これに
よって、同委員会の委員長だけでなく、他の2人の委員にも波及
して、3人が解任されたのです。
 こういうことがあったのに、再び特定健診が問題視されていま
す。なぜならこれによって日本人のほとんどは病人にされ、薬を
飲まされることになるからです。次回から特定健診の矛盾に迫っ
ていきたいと思います。
posted by キーヘルス at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 特定検診 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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