2008年12月11日

●コレステロールや中性脂肪に性急な薬物治療は不要

 大櫛陽一先生の本に次のケースが出ていたので、ご紹介するこ
とにします。ごく何でもない健診の結果です。しかし、これが恐
ろしい結果になるのです。
――――――――――――――――――――――――――――
 300人の部下を持つ部長の33歳の福田氏は、1996年
 10月に健康診断を受けたのです。その結果、総コレステロ
 ール値が257mg/dl、中性脂肪が651mg/dlで
 高脂血症と言われたのです。そのとき、正常値は総コレステ
 ロール値が257mg/dl、中性脂肪で50〜149mg
 /dlと言われ、自分でも高いと感じたようです。入社時よ
 り体重が10kg増え、身長178.3 センチ、体重89.
 2キロ(BMI=28.1 )になっていました。その原因は
 仕事のストレス、つきあいでの飲み会などの生活習慣にある
 と分かっていました。タバコは28歳で止め、ウォーキング
 と食事の節制で体重を8kg減少させたと書かれていますの
 で、この時点での体重は81kg、BMIは25.1 と推定
 されます。
  大櫛陽一著『コレステロールと中性脂肪で、薬は飲むな』
                  祥伝社新書/131
――――――――――――――――――――――――――――
 BMIについて説明します。BMIは、次の言葉の省略なので
す。「ボディマス指数」といいます。人間の肥満度を表す指数で
す。
――――――――――――――――――――――――――――
    BMI=Body Mass Index/ボディマス指数
――――――――――――――――――――――――――――
 ボディマス指数は、体重と身長の関係から算出するのです。た
とえば、身長160センチメートル、体重50キログラムの場合
は次のようになります。
――――――――――――――――――――――――――――
 160cm=1.6m  50kg ÷(1.6m×1.6m)
 ≒19.5
――――――――――――――――――――――――――――
 日本肥満学会によると、BMIが22の場合が標準体重なので
す。BMIが25以上の場合を肥満、18.5 未満である場合を
低体重と判定するのです。
 まず、総コレステロール値が257mg/dlは、男女別の5
歳ごとの基準値で見ると、30〜34歳男性は127〜250m
g/dlですからあわてて薬物治療をする必要はないのですが、
日本では薬物治療になります。また、中性脂肪の651mg/d
lは、体重が8kg下がったときに検査すれば、中性脂肪も大幅
に下がっていたものと思われます。福田氏は生活習慣改善に意欲
的な人なので、薬物治療は不要なのです。

●コレステロール低下薬の併用で死にそうになった事例


 しかし、福田氏は12月の再検査でベザトール――フィブラー
ト系が処方されたのです。しかし、その後、2回にわたって不整
脈が出たので、メバロチン――スタチン系が出されたのです。
 中性脂肪を下げるには、フィブラート系の薬が使われます。こ
の薬は肝臓で中性脂肪が合成されることを阻害するのです。スタ
チンという薬が開発される前からの薬です。コレステロールと中
性脂肪の両方が高い人では、フィブラートとスタチンの両方が処
方されるのですが、それぞれに強い副作用――横紋筋融解がある
のです。
 福田氏はフィブラートとスタチンの両方が処方されたのです。
3ヵ月後に異変が起こります。臀部の筋肉が痛くなり歩けなくな
ったのです。明らかに横紋筋融解の副作用が起こったのです。
――――――――――――――――――――――――――――
 その後、腰が「くの字」に曲がった状態での激痛、喉の筋肉
 の異常、尿排泄困難、体中の筋肉の萎縮、歯髄炎、水虫、結
 膜炎、ヘルペス、咽頭炎、全身の毛の脱色、勃起不全、皮膚
 と粘膜の異常、胃痛などの症状が出ても毎日5kgのウォー
 キングを続けていました。1年後に総コレステロール値21
 2mg/dl、中性脂肪273mg/dlでしたが、1年半
 の間、2剤の併用を続けていました。(中略)その後、横紋
 筋融解がさらに進んだようで、一人で歩けなくなり、声が出
 にくくなったりして、入院生活となってしまい、会社もやめ
 ることになってしまったのです。この時点でコレステロール
 低下薬メパロチンの必要はなくなっていました。
  大櫛陽一著『コレステロールと中性脂肪で、薬は飲むな』
                  祥伝社新書/131
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 本来であれば、福田氏のケースでは、ほとんど薬物治療は不要
なのです。なぜなら、福田氏は生活習慣を改善する努力をしてお
り、それによる改善に期待できるからです。中性脂肪を下げるの
に薬は不要なのです。
 それにしても、中性脂肪を下げる薬の恐ろしさです。こケース
の福田実氏のケースでは、2003年7月から裁判が始まり、約
5年後に2008年5月22日に、国、製薬会社、病院に勝訴し
たのです。
 しかし、国が控訴したのです。そのため、最終結審までにはあ
と何年もかかります。何かというと、薬を処方しようとする医師
が多いですが、盲従するのは考えものです。患者は自分でも研究
する必要があるのです。
posted by キーヘルス at 03:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 特定検診 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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