2009年01月15日

●「痛風」は生活習慣病である

 「生活習慣病」という言葉を聞いてあなたは何を連想するでし
ょうか。
 糖尿病、高脂血症、高血圧・・・といったところでしょうか。
いまひとつ、はっきりしませんね。まだまだあるような気がしま
す。ちなみにこの中の「高脂血症」は、コレステロール値のガイ
ドライン変更に伴い、「脂質異常症」というように病名が変わっ
ています。
 そういえば、昔「成人病」という言葉が盛んに使われたのです
が、これは加齢によって発病する病気で、がん、脳卒中、心臓病
は「3大成人病」といわれ国民の死亡率の上位を占めていたので
す。若いときはあまり気にする必要はないが、40歳過ぎたら注
意する病気というイメージです。
 しかし、これらの成人病も長年の生活習慣に深く関与している
ことがわかっていて、生活習慣を改善することによってある程度
防げる病気になってきているのです。このように考えると、生活
習慣病の範囲は大きく広がりますが、生活習慣病に共通している
のは、すぐに死亡に結びつく危険がないということです。これが
成人病との違いです。
 しかし、食生活の変化により、現代は子供でも糖尿病にかかる
危険があり、子供の頃から食生活を含め、正しい生活習慣を身に
付ける必要が出てきているのです。生活習慣病を定義すると、次
のようになります。
――――――――――――――――――――――――――――
 生活習慣病とは、生活習慣が発症原因に深く関与していると
 考えられている疾患の総称である。このような疾患と肥満を
複合する状態を、医学的にメタボリックシンドロームと称す
る。                ――ウィキペディア
――――――――――――――――――――――――――――
 実はここでいう生活習慣病には、「高尿酸血症」という病気が
入っているのですが、このことを知らない人が案外多いのです。
「高尿酸血症」とは、「痛風」のことです。「痛風」とはどうい
う病気かわかるでしょうか。
 痛風は、古代ギリシャの文献にも登場するほど古い病気であり
王侯貴族などの富裕層がかかったことから、「帝王病」とか「ぜ
いたく病」といわれ、庶民には関係のない病気のイメージがあっ
たのです。もっとも、糖尿病もそういうイメージのあった頃があ
りましたが、食生活の変化から現在では誰でもかかる病気になっ
ています。
 かつて日本人で痛風になる人はほとんどいなかったのです。痛
風の患者が増えたのは、1960年(昭和35年)以降のことで
す。なぜなら、この年を境に日本人の食生活が大幅に変化したか
らです。
 それまでの日本人の食生活は、ごはんなどの穀類を中心に、魚
や野菜、海藻などの煮物、焼き物、みそ汁、お新香といった低脂
肪、低蛋白、低カロリーの食生活であり、糖尿病や痛風の入り込
む余地はなかったのです。皮肉な話ですが、そういうかつての食
生活が最も健康的であることが、食の欧米化が進んだ現在になっ
て、わかってきたというわけです。

●「高尿酸血症」――痛風とは何か

 痛風とはどういう病気でしょうか。
 体内で作られる「尿酸」という物質があります。この尿酸がな
んらかの原因で体内に増えすぎて、尿の中ですべて溶け切れなく
なることがあります。これらの尿酸は関節に尿酸結晶というかた
ちで溜まってくるのです。それが、ある日突然、激痛を伴った節
の炎症を起こすことがあるのですが、それが痛風と呼ばれる病気
です。風が吹いても痛いという意味のようです。
 このように、血液中に尿酸の増えた状態を高尿酸血症というの
ですが、1960年代には、成人男性の約5%でしかなかったの
です。それが70年代から80年代前半には15%に増加したの
です。食の欧米化の影響です。そして、バブルがはじけた90年
代には20%になっています。
 もうひとつ大きな変化があります。かつて痛風といえば中高年
のオヤジの病気であり、その好発年齢――よく起こる年齢は50
歳代であったのですが現在では30歳代にピークがきています。
しかし、男女比は「50対1」であり女性はほとんどかからない
病気なのです。
 厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、現在の高尿酸血
症の患者数はおよそ70万人といわれますが、この数字は病院に
行って高尿酸血症という病名で治療を受けている人数であり、そ
れ以外に「痛風予備軍」はたくさんいるのです。その数は、おそ
らく数百万に上るでしょう。
 なぜかというと、糖尿病も同じですが、血液中にブドウ糖や尿
酸が多少増えたとしても、痛くもかゆくもないわけであり、実際
に痛みを感じて、病院に駆け込むというのが一般的な傾向である
からです。
 糖尿病患者の数を把握するためのはじめての「フィールド調
査」――全住民を対象とした調査は1989年に行われたのです
が、その調査で判明したのは患者数は110万人という数だった
のです。
 しかし、この110万人は「糖尿病」という病名で病院におい
て治療を受けている患者数であり、実際には560万人〜570
万人も患者がいたのです。実際にその約20%しか治療を受けて
いなかったのです。
 同じようなことが痛風にもいえると思います。そういうわけで
痛風についてこれからしばらく考えることにします。  
posted by キーヘルス at 03:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 通風 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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