2009年04月09日

●「成人病」を「生活習慣病」に変更した理由とは何か

 昔、糖尿病、高血圧、高脂血症、がんなどの病気は「成人病」と呼ば
れています。それが、1996年からそれらの病気は「生活習慣病」と
呼ばれるようになったのです。病気の名前を変えたのはもちろん厚生省
なのですが、これには将来に対する重要な伏線がありそうです。
 なぜ、成人病ではいけないのでしょうか。
 成人病というと、成人して年をとるに伴い老化するために起きる病気
でありどのように生活習慣を変えて病気にかからないよう努力しても病
気自体は加齢にしたがい進行するというイメージがあります。つまり、
加齢ということが免罪符になって、自ら生活習慣を改善しようと努力し
なくなるイメージが「成人病」という言葉にはあるのです。
 それなら「生活習慣病」ならどのように変わるのでしょうか。
 生活習慣病という名前には、悪い生活習慣を積み重ねた結果かかる病
気というイメージがあります。つまり、そういう病気にかかるのは、患
者自身にも責任があるというイメージになるのです。厚生省が今回のメ
タボ検診などで将来狙っているのは、自ら悪い生活習慣を改善しないで
そういう病気にかかった人はペナルティとして多く医療費を取る魂胆が
あるのではないかと思われます。
 医師の岡部正氏は、このことを糖尿病に例をとって医療費の矛盾を指
摘しているのでご紹介しましょう。糖尿病には、次の2つの種類があり
ます。
――――――――――――――――――――――――――――――――
  1.1型糖尿病 ・・・ 先天的にインスリン分泌機能がない
  2.2型糖尿病 ・・・ 成人になってからの発症するタイプ
――――――――――――――――――――――――――――――――
 1型糖尿病は、子供に多いのですが、先天的もしくはウイルスの感染
などが原因で、膵臓のインスリン分泌機能が壊され、注射でインスリン
を生涯補い続ける必要がある病気です。
 2型糖尿病は、成人になってから発症することが多く、発病の原因の
多くは食べ過ぎ、運動不足に代表される悪い生活習慣であるとされてい
ます。つまり2型糖尿病は生活習慣の改善に努力すれば、かからないで
済む病気であるという考え方です。これに対して1型糖尿病は、患者自
体はどうしようもないわけで
医療費を同じように扱うのは疑問であると岡部氏は述べています。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 インスリン注射には高い医療費がかかりますが、1型糖尿病の人と
 2型糖尿病の人の医療費(健康保険の点数)が全く同じで差がない
 のは不公平ではないか、という考え方も成り立ちます。1型糖尿病
 の人は自分の責任で病気になったわけではなく、やむなくインスリ
 ン注射をしなくてはならなくなった人たちです。一方、2型糖尿病
 の人の多くは、そういう事態になることを医者から警告され、自分
 でも理解をしているにもかかわらず、食べ過ぎ・運動不足に代表さ
 れる悪い生活習慣を改めなかった結果、インスリン注射をするよう
 になった人ということになります。
『奇跡のホルモン「アディポネクチン」―メタボリックシンドローム、
 がんも撃退する』              ――講談社α新書
――――――――――――――――――――――――――――――――

●血糖値改善・血圧降下はアディポネクチンに関係のある

 血糖値を改善する糖尿病の飲み薬の中には、アディポネクチンを増加
させる働きをするものがあります。血糖値を改善する薬には次のタイプ
があります。
――――――――――――――――――――――――――――――――
      1.インスリンの分泌を促進するタイプ
      2.糖分の増加・吸収を遅くするタイプ
      3.インスリンの働きを強化するタイプ
――――――――――――――――――――――――――――――――
 このなかで、3つ目のタイプ「インスリンの働きを強化するタイプ」
の薬にはアディポネクチンを増加させる働きがあります。これは最近に
なって判明した事実です。
 「インスリンの働きを強化するタイプ」の薬のひとつとして、ピオグ
リタゾン――商品名は「アクトス」というのがあります。このピオグリ
タゾンには、アディポネクチンを非常に増やす効果があるのです。しか
し、ピオグリタゾンは効く人と効かない人がいるのです。インスリンの
分泌能力があり、アディポネクチンの低い糖尿病の患者には大きな効果
があるそうです。
 血圧とアディポネクチンの関係についても述べておきます。血圧降下
剤の進歩は目覚ましいものがありますが、降下剤のなかには、アディポ
ネクチンを増やす降下剤もあるのです。現在、アディポネクチンとの関
係で注目されているのは、「アンギオテンシンU受容体拮抗薬」(AR
B)という種類の降下剤です。具体的な薬品としては「ニューロタン」
「プロプレス」、「ディオバン」、「ミカルディス」、「オルメテッ
ク」などがそれに該当します。血圧降下剤を飲んでいる方は薬の名前を
確認していただきたいと思います。
 ARBを飲んでいる高血圧の患者は、それ以外の降下剤を飲んでいる
人よりも糖尿病になりにくいことはわかっていたのですが、それはアデ
ィポネクチンの量に関係があることが最近判明したのです。         
posted by キーヘルス at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | アディポネクチン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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