2009年08月13日

●胆嚢がオーバーワークにならないように

 油っこいものを食べると、胃の調子を崩す人やすぐ下痢をする人がい
ます。こういう状況が起きると、素人は胃や腸の具合が悪いのではと考
えます。しかし、多くの場合、それは違うのです。それは胆嚢の具合が
よくないのです。
 胆嚢は肝臓の下に張り付くようにある袋状の臓器です。形はちょうど
ナスのような形をしています。胆嚢は胆臓で作られた胆汁を蓄える働き
があります。油を分解して消化するには、この胆汁が必要なのです。胆
汁は特に脂肪分の消化を助ける働きがあり、胆嚢は必要に応じて収縮し
て、この胆汁の流れ道(総胆管)を通して十二指腸へ送り出し食物の消
化を助けるのです。
 胆嚢の働きが悪くなると、胆汁の分泌が少なくなり、油っこいものを
食べると胃がもたれたり、下痢をしたりするのです。冷たいものの摂り
過ぎや油っこいもの中心の食事は控えるべきです。
 既に述べているように人間には虚証の人と実証の人がいます。酸化し
た油を食べると、調子が悪くなるタイプには虚証の人が多いのです。実
証の人は油っこいものを好む人が多いのですが、実証の人でも油っこい
ものを食べ続けると胆嚢の働きが鈍って胃腸の調子を崩す人がいます。
 油っこいものを食べ過ぎると、胆嚢がオーバーワークになって、正常
に機能しなくなるのです。実証の人で胆嚢の働きが鈍るのは、中高年齢
になってからです。したがって、若い人で、油によって胃腸の調子の悪
くなる人は、ほとんどが虚証の人と考えてよいと思います。
 頻繁に便秘になったり、下痢をしたりする人は「過敏性腸症候群」の
可能性があります。「過敏性腸症候群」は、自律神経の変調が原因で起
こります。女性よりも男性に多い病気です。
 重要な会議ある、大切な商談がある、人前でスピーチをするなど緊張
する場面になると、下痢の症状を訴える人がいますが、これなどは過敏
性腸症候群であり、男性の虚証の人に多く見られます。
 漢方医学では、過敏性腸症候群を病気ではなく、体質としてとらえま
す。同じ薬を使う場合でも、病気として治そうするのではなく、コント
ロールするという考え方で対処します。そのため、胃腸の症状に対応す
るには漢方薬が適しているのです。
 最近の研究でわかったことですが、人間の小腸と大腸は免疫機能の中
心なのです。人間の身体の中にあるリンパ球などの免疫機能のうち、半
分以上は腸にあることがわかってきたのです。したがって、胃腸が強く
なるということは、健康の向上につながるのです。

●食物アレルギーは「脱感作」をして治す

 食物アレルギーのある人が多くなっています。食物アレルギーとは、
特定の食品を飲食することで体内に取り込まれ、アレルギー状態が発生
する免疫反応をいうのです。
 食品によっては、アナフィラキシーショックを発生して命にかかわる
こともあります。蕎麦アレルギーがとくに有名です。日本では食品衛生
法施行規則などにより特定原材料等として、表示の義務付けや推奨が規
定されています。
 それでは、食物アレルギーは何によって起こるのでしょうか。
 乳幼児から幼児期にかけては食物アレルギーの主要な原因として、鶏
卵と牛乳がその半数以上を占めます。青年期になるにつれて甲殻類が原
因の事例が増え、牛乳が減ります。成人期以降では、甲殻類、小麦、果
物、魚類といったものが主要なアレルギーの原因食品となっています。
 問題は、食物アレルギーがあるからといってそれを治療しない人が多
いことです。食物アレルギーになったら未来永劫治らないのではなく、
十分直すことができるからです。
 そのためには「脱感作(だつかんさ)」をする必要があります。「脱
感作」とは、過敏性の原因になる食べ物を少しずつ体内に取り入れなが
ら、体の反応――過敏性を減弱させていくことをいうのです。
 蕎麦アレルギーの場合はどうでしょうか。
 過敏性の強い人であると、蕎麦を含んだ食べ物を食べただけで体に発
疹が出てきます。そして大量に食べると全身が真っ赤になります。そう
であるからといって、脱感作をしないと、いつまで経っても体質は改善
しないのです。
 丁 宗鐡先生によると、蕎麦アレルギーの場合は、蕎麦を300度ぐ
らいの高温で揚げて食べるとよいそうです。高温で揚げることにより、
蕎麦のタンパク質は変性し、抗原性はほとんどなくなるのですが、わず
かに残った抗原性が体内に入って脱感作を進めていくのです。
 なお、蕎麦に限らず、ほとんどの食材は揚げることで、タンパク質は
変性するのです。もち米のグルテンでアレルギーを起こす人も、もち米
を焼きおにぎりのようにして食べれば大丈夫なのです。
 食物アレルギーの対処法として大切なことは、腸を丈夫にすることで
す。腸が丈夫の場合、アレルギーを起こすタンパク質が体内に入ってき
ても、それを消化吸収できれば別に問題はないのです。
 腸を強くするには、子供の頃からの規則的な食事の習慣が大事なので
す。そして極力間食を避けることです。食べる時に一挙に消化酵素が出
るようにしておくことが大切なのです。  ―― [漢方医学/13]
posted by キーヘルス at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漢方医学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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