2009年12月17日

●インフルエンザとは何か

 インフルエンザとは何でしょうか。
 インフルエンザとは、多い年で、日本人の10人に1人がかかる、感
染症であるといってよいと思います。病源体は「インフルエンザウイル
ス」といってその大きさは直径100ナノメートル──1万分の1ミリ
メートルの大きさのウイルス病源体です。
 感染すると数日の潜伏期間を経て発症し、38度以上の発熱、頭痛、
全身の倦怠感、筋肉・関節痛、咳、鼻水などの症状があらわれます。し
かし、季節性のインフルエンザであれば一週間程度で通常回復します。
 インフルエンザウイルスの大きさは、ウイルスとしては中程度ですが
このウィルスが警戒されるのは、その「伝播力」にあります。おそらく
地球上に存在するあらゆるウイルスの中で、一番伝播力が強いといわれ
人間はこのウイルスから逃げることは困難であるといわれます。
 ところで、インフルエンザと風邪はどう違うのでしょうか。
 インフルエンザの症状は風邪そのものですが、自覚症状からインフル
エンザにかかったか、風邪なのかを分けることは通常困難です。
 風邪の概念は漠然としています。「風邪は呼吸器疾患の総称である」
といわれていますが、これではあまりにも漠然としています。風邪は、
さまざまな感染症を集めた「症候群」なのです。インフルエンザもその
中のひとつです。
 風邪症候群を起こすウイルスとその割合は次のようになっています。
――――――――――――――――――――――――――――――――
   ライノウイルス ・・・・・・・・・・・ 30〜40%
   パラインフルエンザウイルス ・・・・・ 15〜20%
   RSウイルス  ・・・・・・・・・・・  5〜10%
   アデノウイルス  ・・・・・・・・・・  3〜 5%
   コロナウイルス  ・・・・・・・・・・    10%
   インフルエンザウイルス ・・・・・・・  5〜15%
   その他 ・・・・・・・・・・・・・・・    10%以下
      ──河岡義裕/河本研子著/ブルーバックスB1647
    『インフルエンザ パンデミック/新型ウイルスの謎に迫る』
――――――――――――――――――――――――――――――――
 風邪の90%以上はウイルス性感染によるものですが、インフルエン
ザはこのうち、5〜15%を占めているに過ぎないのです。

●なぜ、インフルエンザの新型は怖いか

 それにしても今回のインフルエンザで、なぜこんな大騒ぎをするので
しょうか。それは、今回のインフルエンザが新型であるからです。季節
的なインフルエンザは毎年発生しますが、数十年の一回の周期で、人間
がまったく免疫を持っていない新型のインフルエンザウイルスが発生し
ます。今回のインフルエンザウイルスはまさにそれに該当するのです。
 今回の新型は、2009年3月にメキシコで発生し、現在世界中に感
染が拡大している豚由来の新型インフルエンザウイルス──A型、H1
N1亜型であり、新型なのです。
 20世紀以降にインフルエンザウイルスは、次の3回のパンデミック
を引き起こしてきたのです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
     スペイン風邪 ・・・・・・・・ 1918年
     アジア風邪 ・・・・・・・・・ 1957年
     香港風邪 ・・・・・・・・・・ 1968年
――――――――――――――――――――――――――――――――
 スペイン風邪による世界の死亡者は、実に2000万人〜4000万
人、日本人の死亡者は38万人です。当時の世界人口の約半数が感染し短期間に大量の死者を出したのです。これほどの死亡者を出した感染症
は過去になく、中世の黒死病(ペスト)に匹敵するのです。
 アジア風邪については世界の死亡者は200万人、香港風邪の世界の
死亡者は100万人、日本人の死亡者は1万人です。このように人間が
免疫を持っていない新型のインフルエンザがいかに恐ろしいか理解でき
ると思います。
 現在ウイルス学や医療は高度に発達していますが、その高度な医学を
もってしても、この数十年に一度の新型インフルエンザには手を焼いて
いるのです。したがって、世界中が今回の新型インフルエンザウイルス
に危機感を持ったのは当然のことです。
 その新型インフルエンザウイルスに対する警戒感は、1997年に香
港で家禽類を中心に猛威をふるっていたH5N1亜型の高病原性鳥イン
フルエンザウイルスが人間に感染し、18人中6人が死亡するという事
件からです。なぜなら、それまでは鳥インフルエンザウイルスは人間に
は感染しないし、感染しても重篤な症状にはならないと考えられてきた
からです。
 この後も高病原性鳥インフルエンザウイルスの人間への感染は続いて
おり、2009年8月の時点で483例の感染が報告されていますが、
そのうちの262人が死亡しているのです。死亡率は実に62%という
ことになります。       ―― [インフルエンザの話/02]
posted by キーヘルス at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | インフルエンザの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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