2009年12月24日

●ウイルスとは何か――その謎に迫る

 「ウイルス」とは一体何でしょうか。
 若い人ならきっとコンピュータのウイルスを連想するでしょうが、一
般的には「病原体」と考えられています。ウイルスをきちんと定義する
と、次のようになります。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 ウイルス――ヴァイラス――virus は、他の生物の細胞を利用し
て、 自己を複製させることのできる微小な構造体である。   
  ――ウィキペディア
――――――――――――――――――――――――――――――――
 ヴァイラス――virus は、ラテン語で「毒素」を意味する言葉であり
これが転じて病気を引き起こす毒素――すなわち、病原体を意味するよ
うになったのです。しかし、その実態が何であるか、当のギリシャ人に
は知る術まったくなかったのです。
 インフルエンザは、その存在自体は古くから知られていたのですが、
「インフルエンザ」という名前を付けたのは16世紀のイタリア人なの
です。インフルエンザは冬に多く発生するので、冬の天体や寒さにより
発生するものであると考えられイタリアで「天の影響」を意味する「イ
ンフルエンザ」と命名されたのです。英語でいう「influence」 のこと
です。
 インフルエンザの病原体がウイルスであることがわかったのは、実は
20世紀に入ってからなのです。1892年に日本の細菌学の父といわ
れる北里柴三郎博士は、インフルエンザに感染した患者の気道から、病
原体と思われる細菌を分離し、インフルエンザ菌と名付けたのです。し
かし、このインフルエンザ菌はインフルエンザとは関係がないことが後
でわかっています。
 ウイルスを発見したのは、ロシアのドミトリー・イワノフスキー博士
です。彼は、タバコモザイク病の病原体を含む液を素焼きの陶板ででき
た細菌濾過器に通す実験を行い、細菌よりも小さい微小病原体「ウイル
ス」の存在を証明することに成功したのです。
 人に感染するインフルエンザウイルスが分離されたのは、それから約
40年の後のことなのです。インフルエンザに感染した患者の喉頭部か
ら採取した液体をさまざまな動物に移植する実験を繰り返したのですが
一度として成功しなかったのです。
 英国人科学者たちは、試行錯誤の結果、実験動物を変更してみたので
す。その結果、イタチ科のフェレットに病原体に感染させることに成功
したのです。そこでその病原体を含む液を細菌濾過器を使って濾過し、
インフルエンザの病原体がウイルスであることを発見したのです。

●ウイルスの3つのタイプ/A型・B型・C型

 1950年代以降になると、電子顕微鏡やRNA解析技術の発達によ
ってインフルエンザウイルスは分子レベルでかなり詳しいことがわかる
ようになってきたのです。
 その結果、インフルエンザウイルスには、次のようにA型、B型、C
型の3つのタイプに分かれることがわかってきたのです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
           A型      B型      C型
  症 状     典型的     典型的      軽度
  亜 型  H1〜HI6      なし      なし
       N1〜 N9
  宿 主  ヒト、鳥、豚      ヒト      ヒト
        馬、その他   (アザラシ)    (豚)
―――――――――――――――――――――――――――――――― A型ウイルスとは、ヒト、鳥、豚、馬など幅広い宿主に感染し、強い
病原性を発現するタイプであり、最も危険なタイプです。パンデミック
を起こす可能性のあるウイルスです。
 B型ウイルスは、アザラシから分離されたといわれていますが、感染
する宿主がヒトに限定されるタイプです。しかし、感染後の症状はA型
とよく似ていて、症状からはA型と区別がつかないのです。
 C型ウイルスは豚から分離したといわれていますが、主にヒトを宿主
にしているタイプです。子供に感染するとA型に似た症状が出ますが、
大人は感染しても症状は軽微です。
 ここで「RNA」について説明しておく必要があります。DNAとど
う違うのでしょうか。
 DNAとRNAの働きは違います。DNAは、化学的に安定した分子
で壊れにくく、その性質ゆえに、細胞核の中にあって遺伝情報そのもの
を記録・保存する役割を受け持つのです。いわば生物の設計図ですね。
RNAはDNAより小さくて合成・分解が簡単な分子で、DNAの情報
を核の外に持ち出し、酵素やたんぱく質を作る時に使われる、作業説明
書みたいなものです。
 DNAが生化学的に「読み込まれ」たり「翻訳」されたりするとき、
その翻訳された結果の産物がRNAです。次に、このRNAが読み込ま
れ、相当するたんぱく質が作られます。ある種のウィルスでは、DNA
よりむしろRNAが遺伝物質として使用されています。 
―― [インフルエンザの話/03]
posted by キーヘルス at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | インフルエンザの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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