2010年02月25日

●小さい動物ほど心臓は速く拍動する

 次の数字は何を意味していると思いますか。
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       人 間 ・・・・・  60〜100
       イ ヌ ・・・・・  70〜120
       ウサギ ・・・・・ 130〜300
       ネズミ ・・・・・ 400〜600
       ウ マ ・・・・・  32〜 44
       ゾ ウ ・・・・・      40
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 この数字は「一分間の心拍数」なのです。動物の心臓のさまざまの性質は、その動物の大きさと関係があるのです。すなわち、小さな動物ほど心臓が速く拍動するのです。人間の場合は、研究によって次のことがわかっています。
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 心臓が一度拍動してから、次に拍動するまでの時間は、体重の4分
 の1乗に比例する
     ――長山雅俊著、『心臓が危ない』/祥伝社新書156
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 例えばネズミはゾウの10倍の速さで拍動していることになります。つまり、ネズミはゾウより10倍も速く血液を全身に送り出していることになります。どうしてこういう違いがあるのかというと、心臓という臓器はその仕組みについては同じですが、心臓を構成する細胞が異なっているのです。
 よく「ノミの心臓」といいます。「ノミの心臓」は、気の小さい人のことをたとえていう言葉です。それでは「ブタの心臓」はどうでしょうか。
 こちらはあまり聞いたことはないと思いますが、医学研究の世界ではよく使われており、実際にブタは人間に役に立っているのです。実は、ブタの心臓と人間の心臓は大きさも形もとてもよく似ているのです。
 そのためブタの心臓は、人間の心臓の研究に役に立っているのです。ブタの心臓の弁は、心臓弁膜症の患者さんに「生体弁」という人工弁として、人間の心臓に移植されてきたほどです。なお、最近の人工弁は、カーボンやステンレスの弁が使われるようになってきています。

●あのリンドバークが心臓手術に貢献している

 心臓という臓器にはいろいろな言葉が残されています。次の言葉の意味がわかるでしょうか。
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 胸壁から心臓まではわずか数センチだが、到達するまで5000年
 の歳月を要した。
      ――長山雅俊著、『心臓が危ない』/祥伝社新書156
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 これは心臓外科でいわれている言葉です。心臓にはメスを入れることができなかったので、他の臓器に比べて研究が遅れたのです。もうひとつ、心臓の研究が遅れた原因は、心臓が信仰と深く関わっていたからです。
 スペイン北部にあるアルタミラ洞窟に描かれている壁画の動物の胸には、赤いハートのマークが描かれていて、当時の人はそこを刺せばその動物は死ぬことを経験的に知っていたと思われます。
 オーストリアの王家であるハプスブルグ家には、死体を埋葬するときは心臓を取り出して銀の器に保管するという習慣があったそうです。また、キリスト教の「御心」は心臓であるという説もあるのです。こういう心臓信仰が心臓の研究を長年にわたって遅らせてきたのです。
 心臓の治療が本格的にはじまったのは20世紀になってからのことです。その先駆者というべき人は、ロックフェラー医学研究所のフランス人医師であるアレクシス・カレルです。
 カレルは、血管吻合法を考案した医師です。これによって、心臓治療の第一歩がはじまったのです。カレルは、1912年に医学界に貢献したことによりノーベル賞を受賞しています。
 肝臓や胃などの臓器は血液を遮断すれば手術はできますが、心臓の場合はそれはできないのです。しかし、血液に酸素を送り込む装置とポンプがあれば、心臓と肺を一時的に休ませることができると考えた人がいます。その人こそ、大西洋単独横断飛行を成功させた飛行士、リンドバークなのです。
 リンドバークは、大西洋単独横断飛行の賞金や講演料などをすべてカレルに渡し、共同研究をはじめたのです。そして世界ではじめての人工心肺装置の開発に成功したのです。それは次のように名付けられています。
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         カレル・リンドバーク・ポンプ
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 1935年、この装置によってはじめて心臓にメスが入れられるようになったのです。それから約75年、心臓外科は大きな進歩を遂げることになったのです。しかし、それ以前は心臓病になると、手術ができないままにほとんど亡くなっていたのです。そういう意味で、現代人は非常に幸せであるということができます。 [心臓について知る/01]
posted by キーヘルス at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 心臓について知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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