2010年03月04日

●血圧はなぜ水銀柱で測るのか

 「血圧」とは何でしょうか。
 血圧とは、心臓から送り出された血液が、動脈の内壁をプッシュする
力──ブラッド・プレッシャー(blood pressure)のことです。そんなことわかっているという人は多いでしょうが、実際に動脈の内壁を押す力がどの程度の圧力なのかについて認識している人は少ないのです。
 血圧の単位は「mmHg」──水銀柱ミリメールです。「Hg」は水銀の元素記号であり「mmHg」というのは血圧計で計測したときに、血圧が水銀をどのくらいの高さまで押し上げるかをあらわした数字です。血圧100の場合は血圧計の中の水銀柱が10センチ上がることになります。
 水銀柱を10センチ押し上げる力とはどのくらいの力でしょうか。
 これは水銀の代わりに水を使った場合を考えてみるとよくわかります
水銀は水の比重の13.6 倍であるので、血圧100とは、水を1メー
トル36センチ押し上げる力ということになります。
 つまり、血液を身体の隅々まで届けるには、そのくらいの力がないと
届かないのです。健康な人であれば問題はありませんが、もし血管に問
題があれば、血管の内壁がそれに耐えられなくなる恐れが出てくるので
す。まして、高血圧の人は治療をしないと取り返しのつかないことにな
る恐れがあります。
 血圧といっても次の2つがあることは知っていると思います。しかし
本当にその意味が分かっているのかをちゃんと説明できる人は少ないの
です。
――――――――――――――――――――――――――――――――
        1.収縮期血圧 ・・・ 最高血圧
        2.拡張期血圧 ・・・ 最低血圧
――――――――――――――――――――――――――――――――
 血圧が「150/80」の人がいるとします。「150」というのは
心臓が収縮したとき、つまり、血液が送り出されたときの血圧のことで
す。血液は強い勢いで送り出されるので、これを「最高血圧」というの
です。
 「80」は、心臓が拡張したとき、いわば血液が心臓に入ってくると
きの血圧のことです。これを最低血圧というのです。
 ところで、血圧はどこで測るのでしょうか。医師に計ってもらう場合
は、二の腕で測りますが、血圧計によっては手首で測る場合もあるし、
指で測る場合もあります。医師が二の腕で測るのは、心臓が血液を押し
出したばかりの血圧──中心血圧という──を知りたいからです。
 手首でも指でも血圧は測れますが、心臓から離れた場所は血管が細い
ので、ちょっとした変動で数値は変化してしまうのです。ですから、血
圧計を購入する場合はなるべく二の腕で測るものを選ぶべきでしょう。

●血圧は家で測るのが一番正確である

 血圧は測る場所によっても異なりますが、計る時間によっても異なり
ます。また、計る状況によっても数値は違って出てきます。
 計る時間帯ですが、とくに留意すべきは起床時──起床一時間以内の血圧なのです。これは「早朝高血圧」を見逃さないために必要です。「早朝高血圧」というのは早朝だけ高血圧になるというものです。この場合、日中は正常血圧なので気がつかないことが多いのです。そのため、「仮面高血圧」ともいわれているのです。
 榊原記念病院の循環器内科部長である長山雅俊医師は、早朝高血圧に
ついて次のように述べています。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 早朝高血圧にはいくつかのパターンがあることが知られいしますが
 多いのは目が覚める三時間ほど前からだんだん血圧が上昇し、朝目
 が覚めた時に著しく血圧が高いパターンです。これがなぜ注意しな
 ければならないかというと、午前中に血圧の不安定さが血管への大
 きなストレスになって、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす引き金にな
 ることがあるからです。これはとても恐ろしいことです。  
      ――長山雅俊著、『心臓が危ない』/祥伝社新書156
―――――――――――――――――――――――――――――――― 長山医師が勧める血圧を測る一番良いタイミングは、朝起きたら、排
尿を済ませ、少し休憩したあと、食事前に計るというものです。もちろ
ん、血圧の薬を飲んでいる場合は、飲む前に測ることが大切です。これ
を週に3回ほどやればベストであるといいます。
 医師の測るときの血圧が正しいとは限らないのです。なぜなら、血圧
を測るときは薬も飲んでいるでしょうし、医師の前に出ると緊張して血
圧の上がる人もいるからです。これを「白衣高血圧」といいます。
 したがって、血圧は家で測るのが一番正しいのです。医師の診察を受
けるときは、家で計った血圧をメモして持っていくことが正しい血圧の
数値を知ることにつながるのです。医師が血圧を測るとき、聴診器をあ
てますが、あれは何をしているかわかりますか。腕にマンシェットとい
うものを巻いて圧をかけ、血液を遮断します。そうすると、聴診器には
音は聞こえなくなります。それから徐々に緩めていくと、ドクン、ドク
ンという音が聞こえます。そのときの水銀柱の数値が最高血圧、再び音
が聞こえなくなったときが最低血圧ということになるのです。
                ―― [心臓について知る/02]
posted by キーヘルス at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 心臓について知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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