2010年03月25日

●狭心症を定義する

 今回からしばらく「狭心症」について考えます。まだ年齢も若く、昨
日まで元気で活躍していた人が突然急死する──そういうことがよく起
っていると思います。心臓の病気はそれが怖いのです。
 ところで「狭心症」とは何でしょうか。医学のテキストには次のよう
に書いてあります。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 狭心症とは、心筋が一過性虚血に陥ったために生ずる胸骨胸部なら
 びにその近接部に特有な不快感を主症状とする症候群である。
      ――長山雅俊著、『心臓が危ない』/祥伝社新書156
―――――――――――――――――――――――――――――――― ここで「心筋」というのは、素人には心臓そのものと考えた方がわか
りやすいと思います。「一過性虚血」とは、心臓に一時的に血のめぐり
が悪くなる状態のことで、そういう症候群を狭心症というのです。
 心臓に一時的に血が行かなくなると何が起きるかというと、一般的に
は「胸の痛み」です。しかし、それはすぐ治まるので、誰も深刻な病状
だとは思わないのです。
 「胸の痛み」といってもいろいろです。一般的には、胸の胸骨の裏側
が締めつけられるように痛むというものですが、人によって痛みはそれ
ぞれ異なります。なかには、歯が痛いとか、歯が浮くという症状を訴え
る人もいます。
 医師の側から見て、狭心症の診断はどうあるべきでしょうか。
 若い医師は、負荷検査をやるとか、24時間心電図検査をするとか、
動脈にカテーテルを入れて検査するとか──検査のオンパレードになり
勝ちです。しかし、長山雅俊医師は、検査の前にやるべきことがあると
いうのです。
 それは、今から240年も前の医学の教科書にちゃんと載っているの
です。著者と書名は、次の通りです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
      へバーデン博士著
      『ヒストリー・アンド・キュア/病歴と治療』
――――――――――――――――――――――――――――――――
 この教科書には、狭心症について実に具体的に、そして見事な表現で
述べられているのです。患者が読んでも納得のいく表現です。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 狭心症は強烈で特異な症状で、しかも少なからず危険を伴う。その
 症状は、胸部の絞扼感──締めつけられ、掴まれる感覚。狭心症の
発作は歩行時、あるいは食後すぐ歩いたりすると胸の部分に激烈な
痛み、あるいはその痛みによって、このまま続くと死ぬのではない
かと不安感を抱かせる。ところが立ち止まって深呼吸などをすると、
 発作はたちまち消えてしまう。そして初期は、その発作以外に何の
 症状も見られない。痛みの場所は、胸骨の上、もしくは中間および
 下部、さらにはしばしば胸部の左上にも放散する。
 へバーデン博士著/『ヒストリー・アンド・キュア/病歴と治療』
――――――――――――――――――――――――――――――――
 へバーデン博士が強調するのは、とくに狭心症については、「患者の
訴えを時間をかけてよく聞く」ことです。博士はこういう考え方で患者
に接していたので、上記のような見事な狭心症の症状を表現できるので
す。

●狭心症には3つのタイプがある

 狭心症には、次の3つのタイプがあります。
――――――――――――――――――――――――――――――――
         1.    労作性狭心症
         2.    安静時狭心症
         3.労作性兼安静時狭心症
――――――――――――――――――――――――――――――――
 第1のタイプは「労作性狭心症」です。
 身体を動かす、つまり歩いたり、走ったりすると、出る狭心症です。
しかし、胸を張って大きく深呼吸すると、たちまち、痛みは消えるので
す。しかし、身体を動かすと同じ症状がときどき起こるのです。
  第2のタイプは「安静時狭心症」です。
 何もせず、静かにしているときに起こる狭心症です。夜、急に胸が締
めつけられるような痛みを覚えて目を覚まします。今までに感じたこと
のない痛みですが、しばらく我慢するとウソのように痛みが消えます。
 しかし、朝起きて歯を磨こうとすると、突然発作が起きたりすること
があります。少なくとも労作性狭心症よりもリスクは高いといえます。
 第3のタイプは「労作性兼安静時狭心症」です。
 これは文字通り、運動しても休んでいても発作が起こるタイプです。
労作性狭心症がだんだん悪くなり、発作の起きる頻度が高くなって安静
時にも発作が出るようになります。これは命に関わる危険な状態です。
 この狭心症の3つのタイプは、並列的な関係ではなく、最初に労作性
狭心症の症状が出て、それが悪化して安静時にも出るようになるという
悪くなるステップと考えてもよいと思います。
―― [心臓について知る/05]
posted by キーヘルス at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 心臓について知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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