2010年07月15日

●鬱病の自殺は「病死」である

 よく「自殺する」と自分でいう人は自殺しないといいますが、それは
本当でしょうか。
 これに関して精神科医の香山リカ氏は、「好きにすれば」と絶対に突
き放してはならないと断って、次のようにいっています。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 「自殺する」って周囲に言う人たちの多くは、助けてほしいとか、自
 分に注目を集めたいという目的で言ってるんだと思います。ただ、そ
 の人たちは、往々にして死ぬ真似事をするので、そのときに誤って死
 んでしまうケースがすごく多い。本気では死にたくなかったか、どっ
 ちでもいいや、って思っていて、結果として死んでしまう。本当に信
 念を持って死ぬ人はかえって「死ぬ」とは言わないケースが多いです
 ね。 ──五木寛之/香山リカ共著/『鬱の力』/幻冬舎新書088
――――――――――――――――――――――――――――――――
 鬱病になると、「自己否定」が強く働きます。「自分なんて消えてし
まえばいい」、「自分がいるから周りに迷惑や心配をかけてしまう」、
「こんなダメな人間の自分は死んでしまったほうがいい」というように
です。つまり、自分を責めるわけです。
 このように心が動いていくと、仕事や日常の何でもないことができな
くなってしまい、やむなく退社させられたり家族や周囲に白い目で見ら
れたりしてしまうのです。そしてそのことでまた更に鬱になるのです。
こうなると、周囲に理解できる人がいないと、最悪の状況は回避できる
かもしれませんが、そういう人がいない場合、最悪の状況は「自殺」な
のです。
 つまり、鬱病の自殺は「自殺」と考えるべきではなく、「病死」と考
えるべきなのです。病気ですから、良くなったり、悪くなったり、急変
したりするのです。その急変して最悪の状況になった状態が「自殺」な
のです。
 鬱病の人の10人に1人が真剣に自殺を考えたことがあり、また40
〜50人に1人が自殺を計画したり、試みたことがあるとされているこ
とからも、鬱病は自殺に結びつきやすい病気ということができます。
 もうひとつ大事なことがあります。自殺を試みる人は、鬱病の症状が
最もひどい極期ではなく、初期の不安やイライラが強いときと、病気が
快方に向かう回復期に起きやすいことが知られていることです。極期で
は自殺する意欲がわかない状態ですが、回復過程に入り意欲が出てくる
と自殺への衝動性が高まるのです。

●鬱病は「心の風邪」である

 古賀洋吉氏という人の『愛の日記』というブログに「鬱病による自殺
が減りますように」の一文があります。鬱病による対処法が詳しく、て
いねいに書いてあります。以下はそのまとめです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 1.自分の尺度で余計なアドバイスをしない
   「がんばれ!」は禁句です。なぜなら、鬱病はがんばりすぎたひ
   との病気なので、これをいわれると「お前はがんばっていない」
   と言われている気になるからです。自分の尺度でなく、相手に合
   わせるべきです。
 2.言葉通りに解釈して反論してはならない
   相手が相当理解に苦しむことをいってもすべて許してあげる度量
   を持つべきです。鬱病の「症状」と本来の「人格」を混同しない
   ことが必要です。何をいっても「鬱病にいわされている」と考え
   るべきです。
 2.正論をいわず、特別扱いするよう努める
   いわゆる正論を話して相手を追い詰めないことです。傷ついた人
   には、回復する十分な時間が必要であり、それまではやさしく、
   そして全力で守ってあげるのが周りにいる人の役目であると考え
   るべきです。
 3.話をじっくり聞き、問題の理解に努める
   自己は捨て話を聞くことに集中すべきです。心の壁の向こうで出
   られなくなっている本当の姿が見えるまで、暗闇の中で路頭に迷
   った瞬間を感じるまで、相手の心をつかむ感触がある瞬間まで話
   を聞くことです。
 4.失った自信を取り戻させる努力をしよう
   自分がどんなに素晴らしい人間なのかを思い出させる必要があり
   ます。例えば、本人の素敵なところを大量に指摘し、「自分には
   価値がない」という勘違いがいかに馬鹿げているかを伝える必要
   があります。
 5.必ず、逃げ道を用意しておくようにする
   鬱病の大きな原因は、逃げ道がないと本人が絶望していることで
   す。欝の影響で思考回路が閉鎖的になり、本人では逃げ道を作れ
   ない事が多いのです。回復するまで、逃げられる方法を提供する
   必要があります。  http://yokichi.com/2009/01/post-180.html
――――――――――――――――――――――――――――――――
 鬱病は「心の風邪」といわれます。本人の気持の持ち方しだいで、た
だの風邪に終るか、重病になるかが左右される病気です。とくに、周り
にいる人のサポートが治癒のカギを握る病気なのです。
                      ──[鬱の話/08]
posted by キーヘルス at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 鬱の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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