2010年08月05日

●鬱病になる原因はわかっていない

 厚労省の「うつ対策推進方策マニュアル」というものがあります。そ
の中の「うつ病の可能性を疑う状態」のチェックというのがあるので、
ご紹介することにします。やってみてください。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 1.毎日の生活に充実感がない
 2.これまで楽しんでやれていたことが楽しめなくなった
 3.以前はラクにできていたことが、今ではおっくうに感じられる
 4.自分が役に立つ人間だと思えない
 5.わけもなく疲れたような感じがする
――――――――――――――――――――――――――――――――
 イススかノーで答えて、そのうちの2項目以上が2週間以上、ほとん
ど毎日続いていて、そのためにつらい気持ちになったり、毎日の生活に
支障が出ているようであれば、直ちに医師の診断を勧めています。
 ところで、鬱病は何が原因で起きるのでしょうか。実は、現在でも原
因が究明されていないのです。次の2つの仮説があります。
――――――――――――――――――――――――――――――――
           1.セロトニン仮説
           2.神経可塑性説
――――――――――――――――――――――――――――――――
 第1の「セロトニン仮説」とは何でしょうか。
 脳内で不足している神経伝達物質のセロトニンを抗鬱剤が増強し、鬱
病を改善するというものです。動物実験では1時間程度でセロトニンが
増えることはわかっています。
 しかし、人の場合、抗鬱剤を服用した患者に症状改善が見られるまで
2週間程度かかるのです。もし、セロトニン欠乏が原因であれば、この
タイムラグは説明できなくなります。抗鬱剤が脳内に何らかの変化をも
たらしたのではないかと考えることもできるのです。
 第2の「神経可塑性説」とは何でしょうか。
 この説によると、ストレスを受けたとき、コルチゾールというストレ
スホルモンが過剰に分泌され、BDNF(脳由来神経栄養因子)の機能
が低下するのです。その結果、脳の神経細胞から伸びる突起が萎縮した
り、神経細胞の新生が阻害され、脳の神経細胞に異常をきたし、鬱状態
になるという考え方です。
 一般的には、人はストレスを受けてもそれに慣れるのですが、鬱病の
人はストレスに弱く、身体がストレスを受け続けるので、神経細胞が影
響を受けるというのが、神経可塑性説です。
 抗鬱剤は、セロトニンを増加させ、BDNFを増強し、神経細胞に作
用すると考えられています。抗鬱剤が効くのはこれが原因であるという
考え方です。

●鬱病には10種類のタイプがある

 鬱病は一つの原因で起きる病気ではなくて、さまざまな原因で起きる
症候群と理解されています。したがって、医師は患者から症状を聞き、
あるレベル以上になれば、抗鬱剤を使うメリットがあるという判断して
いるので、なぜ、鬱病になったかはあまり問題にされないのです。
 現在、鬱病は多様化しており、そのタイプは次の10種類に及ぶので
す。
――――――――――――――――――――――――――――――――
  1.メランコリー型 ────── オールドタイプ鬱病

  2.双極型 ───────I
               I── ニュータイプの鬱病
  3.非定型 ───────I   (DSM−非収録)

  4.葛藤反応型 ─────I
  5.逃避型        I
  6.未熟型        I
  7.ディスチミア型    I── ニュータイプの鬱病
  8.恐怖型        I  (DSM−W非収録)
  9.職業結合型      I
 10.双極スペクトラム ──I
                 「週刊東洋経済」7/24より
――――――――――――――――――――――――――――――――
 「DSM−W」というのは、米国精神医学学会作成の基準のことです。
現在日本では、はっきり鬱病と診断されるのは、「メランコリー型」だ
けであるといわれています。これは富士山に例えると冠雪部分のみです
が、米国精神医学学会の基準「DSM−W」では、5合目から上なので
す。
 この基準に従うとしても、冠雪部分は治療ができるものの、土地の部
分はどのように治療すべきかきちんとしたことは決まっていないようで
す。DSM−Wでは、患者から症状を聞き出す90分に及ぶ面接マニュ
アルがあるのです。少なくとも精神科に関しては現状において、日本の
医療には、問題が多いようです。       ──[鬱の話/11]
posted by キーヘルス at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 鬱の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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