2010年08月26日

●「認知行動療法」が注目されている

 「認知行動療法」といわれる鬱病の治療法があります。この療法に関
して新聞に次の記事が出ていました。
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 うつ病などの治療で薬だけに頼らない「認知行動療法」が注目されて
 いる。これまで効果を疑問視する意見もあったが、薬物療法と併用す
 ると効果的というエビデンス(科学的な証拠)も出そろってきた。4
 月から一部で健康保険も適用になった。ただ、診察に時間がかかる割
 に診療報酬が低く、医師の教育が行き届かないなど、医療現場に浸透
 するには課題も多い。
           ──2010年4月9日付、日本経済新聞より
――――――――――――――――――――――――――――――――
 「認知行動療法」は精神療法のひとつで、考え方や行動のクセを改め
て、落ち込みやすいといった気分を変える療法です。鬱病の患者は、自
分の世界や将来に関して、悲観的、否定的なものの見方をしがちなので
す。
 何かがうまくいかないと、「自分はダメな人間だ」とか、「生きてい
く価値のない人間だ」というネガティブな考え方──認知を抱き、それ
が気分や行動に大きな影響を及ぼすのです。
 認知行動療法では、これを「認知の歪み」としてとらえ、患者にそう
いう認知の歪みがあることを把握してもらい、それが妥当性を欠いたも
のであることを患者に気付いてもらうのです。
 そして、面談や作業などを通じて、歪んだ認知を現実性のある妥当な
ものへと修正し、行動も変えて行くのです。主に軽症から中等症のうつ
病患者が対象で、精神科医や心療内科医、臨床心理士らが面談をしなが
ら進めるのが一般的な治療方法です。英国では、軽症鬱病の患者に関し
ては、薬物療法ではなく、最初に認知行動療法を用いることが治療ガイ
ドラインで定められています。千葉大学大学院医学研究院の清水栄司教
授は次のように述べています。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 欧米では認知行動療法が、薬物療法と並んで、欝病治療の柱となって
 いる。治療効果についてのエビデンス(科学的根拠)が出揃ってきて
 いる。            ──「週刊東洋経済」7/24より               ――――――――――――――――――――――――――――――――

●光トポグラフィー検査で鬱病か否かがわかる

 光トポグラフィー検査というものがあります。赤外線よりもやや波長
の短い近赤外光を頭蓋内に照射し、その反射光を計測して、大脳皮質の
血液量の変化を見るものです。
 これによって脳の活動状態がわかるのです。健常者と、鬱病、双極性
障害、統合失調症では脳の活動状態が違うので、本当に鬱病かどうかの
判断に使えるのです。
 2009年4月10日付の日本経済新聞・夕刊に、光トポグラフィー
検査による鬱症状の診断について次の記事がありました。この検査法は
2009年4月から先進医療として認められているのです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 うつ病患者が急増しているが、診断は問診に頼っているため誤診も少
 なくないようだ。最新鋭の検査装置を使って脳の血流を調べ、精神疾
 患かどうかを診る試みが、4月から先進医療として認められた。誤診
 を回避したり治療方針が立てやすくなったりなどの利点があり、将来
 心の病の診断は大きく様変わりしそうだ。
──2009年4月10日付の日本経済新聞・夕刊
――――――――――――――――――――――――――――――――
 先進医療というのは、高度な医療技術を研究と診療の中間として位置
付け、保険適用について検討する制度で,2009年末時点で120種
類の技術が指定されています。この先進医療のひとつとして,「光トポ
グラフィー検査を用いた欝症状の鑑別診断補助」が2009年4月に精
神医療分野として初めて承認を受けたのです。保険診療と併用でき,検
査料は1万3000円程度です。
 こんなケースがあります。42歳の男性ですが、5年ほど前から微熱
と倦怠感が続くので、心療内科を受診したところ「鬱病」と診断された
のです。しかし、いくら治療を続けても改善しないので、東大病院を紹
介され、光トポグラフィー検査を受けたのです。
 検査によると、そこに見られたのは鬱病ではなく「双極性障害(躁鬱
病)」だったというのです。双極性障害の患者は、躁状態と欝状態を繰
り返すのですが、受診するのはほとんどが欝状態のときなのです。その
ため、鬱病と誤診されてしまうことが多いのです。
 誤診され、抗欝剤を処方された場合、「躁転」して病状が悪化すると
きが多いのです。したがって、鬱病が疑われたら、光トポグラフィー検
査を受診することが望ましいのです。
 この検査で進んでいるのは東大病院であり、この3月から「4日間の
短期入院プログラム」(心の検査入院)を実施しています。対象者とし
ては、鬱病を治療しているが、なかなか改善しない人、何度も発症を繰
り返して治らない人です。費用は3割負担で7万円程度です。
                       ──[鬱の話/14]
posted by キーヘルス at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 鬱の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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