2010年12月24日

●「糖質ゼロ」の清涼飲料水の正体

 最近「糖類ゼロ」とか「糖質ゼロ」の清涼飲料水が多く出ています。
ところで、「糖類」と「糖質」の違いがわかるでしょうか。
 まず、知っておくべきことは、「糖類」と「糖質」では、「糖類」の
方が対象範囲は狭いということです。すなわち、砂糖や果糖などが「糖
類」で、その糖類にでんぷんや甘味料を含んだものが「糖質」という定
義になります。
 それに、レギュラータイプのコーラや缶コーヒーなどの清涼飲料水に
は、糖質がおよそ10%の濃度で含まれているのです。こういってもピ
ンとこないでしょうが、1・5リットルのペットボトルなら、角砂糖
(3g)50個分の糖質が含まれている計算です。
 そんなに入っていたら飲めない──このように思う人は多いでしょう
が、冷やすと、甘味を感じにくくなるので、美味しく飲めるのです。常
温ならとても飲めないでしょう。それに最近は健康志向ですから、それ
に合わせて「糖質ゼロ」、「カロリーゼロ」と銘うった清涼飲料水が多
くなっているのです。
 それでは「糖質ゼロ」なら大丈夫かというと、そうともいえないので
す。健康増進法による栄養表示基準では、100ml当り0・5g未満
なら、「糖質ゼロ」と表示できるからです。
 「カロリーゼロ」でも同じようなことがいえます。100ml当り5
キロカロリー未満なら、「カロリーゼロ」「ノンカロリー」と表示でき
るのです。なお、100ml当り20キロカロリー以下の製品は「カロ
リーオフ」や「低カロリー」という表示が許されています。
 「糖質ゼロ」や「カロリーゼロ」の清涼飲料水を実際に飲んでみると
かなり甘いのです。なぜ、甘いのかというと、人口甘味料──アセスルフ
ァムK、スクラロースなど──が使われているケースが多いからです。
 アセスルファムKは砂糖の200倍、スクラロースは砂糖の600倍
の甘さがあるのです。どうしてそんなものが使えるのかというと、これ
らの人口甘味料は体内で消化吸収されないので、カロリーにならないか
らです。
 こういう人口甘味料を飲んでも血糖値は上がらないのですが、過去に
甘いものを食べたときに血糖値が上がった経験を持つと、人口甘味料で
も舌や胃腸のセンサーで甘みを感ずると、血糖値の上がることを予測し
て、脳が血糖値が上がる前に先回りして「インスリン」を出して準備す
るのですが、人口甘味料の場合は空振りを食うのです。これを繰り返し
ていると、膵臓の負担になって、膵臓病の原因にもなります。

●甘いものを食べると脳が活性化する!?

 太ることを恐れて糖質を摂ることを制限すると、「脳が働かない」と
いうことがよくいわれます。これは本当のことなのでしょうか。
 糖質は、脳の神経細胞の主要な栄養源であり、不可欠なものであるこ
とは確かです。脳というのは、体重の2%ほどなのですが、安静時のエ
ネルギー代謝の18%前後を消費するといわれているのです。1日トー
タルで300キロカロリーは必要なのです。
 1日で300キロカロリーというと、体重60kgの人が時速10キ
ロメートルで30分走って消費するのと同じカロリーなのです。糖質は
1g4キロカローですから、300キロカロリーをすべて賄うには糖質
は1日75g必要になります。
 こういう事実があるので、糖質を制限すると「脳が働かない」という
ことがいわれるのですが、それは間違いです。人間には、糖質が十分に
摂れないときのために、体内で糖質を作るバックアップシステムを持っ
ているからです。
 このバックアップシステムには、次の2つの系統があるのです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
         1.肝臓が糖質を蓄えている
         2.肝臓で糖質を作る糖新生
――――――――――――――――――――――――――――――――
 第1の系統は「肝臓が糖質を蓄えている」です。
 人間は肝臓に糖質を蓄えています。体重70キログラムの成人で、約
90gの糖質をグリコーゲンとして蓄えています。糖質供給のメカニズ
ムは次のように働きます。血糖値が低くなると、膵臓からグルカゴンと
いうホルモンが分泌されます。このホルモンの働きで、グリコーゲンは
ブドウ糖に分解されて脳に糖質を供給するのです。
 第2の系統は「肝臓で糖質を作る糖新生」です。
 肝臓で備蓄できるグリコーゲンは最大90g程度なので、半日何も食
べないと、底をついてしまいます。そこで肝臓には体脂肪とタンパク質
から糖質を作り血糖を維持する仕組みがあるのです。これを「糖新生」
というのです。グリカゴンはこの糖新生のプロセスもサポートするので
す。
 食後4〜6時間であれば、グリコーゲンと糖新生で脳の栄養は賄われ
るのです。食間は体脂肪の分解が進むのです。しかし、間食として甘い
ものを摂るとインスリンが分泌されて体脂肪の分解はストップしてしま
うのです。ですから脳に良いからと勝手な理屈をつけて、甘いものを間
食として摂ることは、肥満の原因になるだけです。人間の体は非常によ
くできているのです。
                ──[健康常識に意義あり/03]
posted by キーヘルス at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康常識に異議あり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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