2007年09月27日

●団塊の世代が老年人口に入ると認知症老人が増える

 東京都は、1981年、1988年、1996年の3回にわたって認知症老人の調査をやっています。その結果、65歳以上の老年人口のうち、認知症老人の占める割合はいずれも約4%で大きな変化はなかったそうです。この数値は、欧米先進国でもほぼ同様――4〜7%であるといわれています。
 しかし、この数値はこれから老年人口に入ってくる層――団塊の世代以降の人には当てはまらないだろうといわれています。というのは、これまでの調査の対象になった老人たちは、若い頃テレビを知らず、主としてラジオを聴いて脳の前頭前野を活発に使っていた世代であるからです。
 これに対して団塊の世代は「テレビ世代」であり、子供の頃には既にテレビがあった世代なのです。団塊の世代とは諸説はあるものの1947年から1949年までの3年間に生まれた世代をいうのですが、1953年にNHKのテレビ放送が始まっているので、青春時代はテレビの面白さに浸った世代であるといってよいと思います。
 ラジオのように音声を聴くよりも、視覚を働かして視聴するテレビは、ともすると脳を休ませてしまう傾向があります。ラジオの場合は、脳をフル回転させて聴き取り、想像を働かせるのに対し、テレビ視聴は、受像機に映っているものを受身で見るという点が違うのです。
 もっともテレビの場合もちゃんと見ようという意思のもとに、きちんと視聴するならいいのですが、見るともなく、ただぼんやりと画面を眺めて、ときどき居眠りをする――そういうテレビの見方は、脳にとって最悪なのです。
 団塊の世代の人たちは、中高年になってからは、そういうテレビの見方をしてきた可能性が高いのではないでしょうか。家に帰って食事をし、テレビでプロ野球の中継を見ながら一杯やる――そういう生活パターンが定着したケースは少なくないと思うのです。
 そういう世代が2007年以降、約800万人も定年を迎えるのです。それらの世代が65歳以上の老年人口に入ってくる頃、認知症の割合が4%程度で済むかどうかははなはだ疑問です。既に要介護者と認定された老人が149万人もいるのです。団塊の世代800万人のうち、もし認知症老人が7%になったたけで、要介護老人の数は200万人を超えてしまうのです。

●「ゲーム脳」は認知症のはじまりである

 認知症の老人というと、物忘れが激しいと一般にいわれますが、一番困るのは引きこもりなのです。老人の引きこもりは子供のそれよりも始末が悪く、一日中外に出ないで、ぼんやりテレビを見ている――それ以外には何もやる意欲が湧いてこないのです。
 一人でボーッとしているから、脳は休眠し、そのうち、自分が誰なのかわからなくなってしまう。こういう認知症の老人たちの脳波を観察すると、前頭前野の活動が極端に落ち込んでいることがわかります。前頭前野は「やる気」をつかさどっているので、ここがやられると、やる意欲が欠落し、何もやらなくなるので、ますます前頭葉は萎縮してしまうのです。
 最近の子供は――一部の大人もそうですが、テレビゲームにのめり込んでいます。ところが、長時間テレビゲームをやっていると、前頭前野の動きが鈍ってくることがわかっています。これを「ゲーム脳」といいます。テレビゲームに熱中している子供の脳波を観察したところ、認知症の老人と同じ形になっていることがわかったのです。
 「ゲーム脳」になってしまうと、キレやすくなるといわれます。本来前頭前野は、人間らしい理性や感情をつかさどる部分であり、ここが不活性になることによって、暴力をふるったり、ひどくなると犯罪に走ったりするのです。
 しかし、同じテレビゲームでも友達と対戦させてみると、前頭前野の動きが活発になるのです。対戦相手がいると、相手の表情を読み取ったり、相手の動きに合わせて作戦を立てたり、言葉をかわすことで思考活動が強化されるので前頭前野が活発に動き出すのです。
 要するに、子供も老人も、一人になってしまうことに問題があるのです。人間は、人と人との関係性の中で生きており、対人関係を含む周囲の環境から刺激を受けて、人間らしい行動がとれるようになるのです。機械相手のゲームばかりやっていると、正常に前頭前野が働かなくなり、認知症の老人の脳波と同じようになってしまうのです。そうすると、思いやりのない自己中心的な最悪の人格が形成されてしまうのです。
 和歌山県立医科大学脳神経外科教授の板倉徹氏は、このことに関して次のように述べています。「キレやすくなる脳」の科学的解明といえます。板倉教授は、テレビよりもラジオを聞くことを勧めています。
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 前頭前野が活性化していないというのはいい換えれば、脳が面倒くさ
 がり屋になっているともいえる。考えるのが面倒くさいから、思いや
 りもなくなってきている。脳の回路でいえば、あちこち情報を駆け巡
 らせて判断していくのが面倒くさいから、パッと短絡させて結論を出
 してしまう。
     ――板倉徹著、『ラジオは脳にきく』より 東洋経済新報社刊
――――――――――――――――――――――――――――――――― 以上
posted by キーヘルス at 04:30| Comment(0) | TrackBack(1) | 脳と老後 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【 団塊の世代 】について最新のブログの口コミをまとめると
Excerpt: 団塊の世代に関する最新ブログ、ユーチューブ、ネットショッピングからマッシュアップした口コミ情報を提供しています。
Weblog: プレサーチ
Tracked: 2007-09-27 07:47
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