2007年12月27日

●ブドウ糖の補給と脳の活性化の関係

●マイクロソフト社の会議室に飴玉のある理由

 人から聞いた話ですが、米国のマイクロソフト社の会議室には、氷とミネラウオーター、それに飴玉が置いてあるそうです。氷とミネラウオーターはわかりますが、なぜ飴玉が用意されているのでしょうか。
 関係者に聞くと、それは脳にブドウ糖を与えるためだというのです。会議で良いアイデアを生み出すために、参加者の脳は働きやすい状態にあることが大切ですが、そのためにはブドウ糖の補給が効果的なのです。脳が働くためにはブドウ糖を切り離しては考えられないからです。
 1950年に米国のハーペンという学者がやった実験があります。小学生を対象に45分おきにブドウ糖を与えながら、朝から昼まで算数の問題を解かせたのです。その結果、ブドウ糖が与えられるたびに、その直後は解答の正解率が跳ね上がったというのです。
 こんな実験もあります。ブドウ糖を与えた人と与えない人に時速70キロ以上で車を運転させたのです。そうしたところ、ブドウ糖を与えない人の運転ミスが急増したというのです。とくに時速100キロを超えると、その差は顕著になり、ブドウをとらない人のミスがとった人の6倍にもなったそうです。なお、時速70キロ以下では、両者にほとんど差はなかったといいます。
 人間が生きていくために必要なエネルギーは、呼吸によって体内に取り込んだ酸素と食べ物からとったブドウ糖が化学変化を起こしたときに生ずるものなのです。
 もちろん、脳以外の各器官でもエネルギーの供給は必要です。しかし、脳以外の器官は、ブドウ糖をいったん乳酸に分解したあと、再び肝臓や筋肉で「グリコーゲン」として加工できるので、ブドウ糖の貯蔵ができるの対し、脳はそれができないのです。脳はブドウ糖を消費するだけで、貯蔵できないので、体外からそれを取り入れるしかないのです。
 しかも、脳のブドウ糖の消費量は他の器官に比べると大きいので、頻繁にブドウ糖を補給する必要があるのです。日本では、一日朝、昼、晩の3度の食事と、午後3時に「おやつ――甘いもの」を食べる習慣がありますが、これは脳にブドウ糖をバランスよく与えるための昔の人の知恵なのです。

●総カロリーを変化させず食事を4回に分ける

 身体の貯蔵庫といわれる肝臓で貯蔵できるグリコーゲンの量はせいぜい55グラム程度といわれています。これで脳以外の身体全体のブドウ糖を補うのですからけっして多い量ではないのです。
 健康体といわれる人の体内には、血液100CC中に約100ミリグラムのブドウ糖があります。これが血糖値です。しかし、ジョギングやエアロビクスなどの少し激しい運動をしたり、何かを真剣に考えて脳を集中的に使ったとすると、通常血糖値は60〜70ミリグラムぐらいに下がるのです。
 血糖値が60〜70になると、音に対して敏感になり、情緒が不安定になって、ささいなことに腹を立てるようになるといいます。さらに血糖値が50ミリグラムまで下がると、手先に震えがきたり、ものごとに集中できなくなったりとして、仕事が手につかなくなるのです。
 トライアスロンなどの激しいスポーツをする選手は、運動のさいときどき飴玉を口に放り込んで、一時的にブドウ糖を補給しているといわれます。このさい重要なのは、血糖値を上げることではなく、つねに正常な血糖値を保つ必要があるということです。減りすぎてもいけないし、増えすぎても、もちろん、いけないのです。
 京都大学名誉教授の大島清氏は、正常な血糖値を保つために一日4食を提案しています。ちょっと考えると矛盾しているように思えますが、1日の総カロリーを変えずに、食事の回数を4回にするとよいといっているのです。
 さらに、食事に当たっては、まず、食事の4分の1ぐらい食べたら、いったん箸を置いて、10分くらい休み、そしてまた食べ始める――これを繰り返すことを勧めています。または、一口食べたら箸を休め、口の中のものを意識して何度も噛むというやり方もよいといいます。
 どうしてこのようなことをするのかというと、食事の途中で休むと、一時的に脳は満腹感のシグナルを出すからです。このシグナルが出ると、今まで食べていた量が食べられなくなり、ダイエット効果につながるのです。
 痩せたいからと、1日3回の食事を2回に減らす人がいますが、逆効果になることが多いのです。食事の回数を減らすことで、逆に一度に多くの量をとるようになってしまい、太ってしまうからです。食事の速さと量は比例しているのです。早ければ多く食べてしまい、ゆっくり食べると量は減るのです。
 最近塾通いの小学生たちに成人病が増えているといわれます。それは塾の前や後に食べるハンバーガーなどが一食分になって、総カロリーが増える4回食事が習慣となっているからです。大島清教授は次のようにいっています。
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 教育とは知育、体育、徳育を指すが、現代では「食育」というものを加える必要があるのではないか。このままでは人間の家畜化が進むばかりである。
       ――大島清著、『頭脳200%活性法』より PHP文庫
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posted by キーヘルス at 04:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 脳と老後 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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