2008年01月24日

●肥満そのものより肥満になる生活環境が問題

●女性を中心に肥満の人が増えている/米国

 肥満は本当に健康に良くないのかについてもう少し考えてみましょう。
 医学とはお門違いの法律の専門家、コロラド大学のポール・カンボス法学部教授は、『肥満の謎』という著書において、肥満と健康との関係について次のように述べています。
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 自分が5年前に肥満と健康の問題について調べ始めた時には「肥満は 健康上の深刻な問題だ」という事実はもう十分に立証され、いまさら 論ずるに価しないものだと考えていた。ところが多くの本を読み、数 百という論文を調べ数え切れないくらいの医学者、科学者にインタビ ューした結果、体重や体重制御について政府やメディアのいうことが 著しくゆがめられているか間違いであることがわかった。                        ――ポール・カンボス教授
            ――高田明和著、『脳によく効く栄養学』より
                      朝日新書/朝日新聞社刊
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 統計的に調べてみます。米国の調査によると、1980年から2000年までの男女の肥満率は次のようになっています。
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                 女性     男性
       1980年まで  17%    13%
       1990年まで  27%    20%
       2000年まで  34%    28%
            Gibbs W.W.Scientific Amer.292;48.2005
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 これによると、明らかに女性を中心に肥満の割合は高くなっています。もう少し正確にいうと、1980年以降の肥満率は大人で2倍、データを示してはいませんが、子供では3倍に拡大しているのです。
 それでは、心筋梗塞、脳卒中による死亡者数はどうでしょうか。1950年から2000年までの心筋梗塞と脳卒中の人口10万人当たりの死亡者数は次のようになっています。
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           1950年     2000年
    心筋梗塞  500人以上      200人
    脳 卒 中  200人以上       80人
            Gibbs W.W.Scientific Amer.292;48.2005
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 肥満になる人の数が増えているのに、死亡率それ自体は大きく下がっているのです。これに加えて高血圧患者、高脂血症の患者も減っているのです。

●肥満と死亡率には直接の関係はない

 死亡率の低下には、喫煙者数の低下や医学技術の向上などの要因が考えられるので、年齢別に肥満と死亡率の関係について調べてみましょう。米国「国民の健康検査と栄養検査の調査」(NHANES)――1971年から1994年までの3次にわたる調査に基づき調べてみると、面白い結果が出たのです。
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     ≪25歳〜59歳≫
      BMI 25〜30の人の死亡率 = 0.7
      BMI 30〜35の人の死亡率 = 1.2
     ≪60歳〜69歳≫
      BMI 25〜30の人の死亡率 = 0.7
      BMI 30〜35の人の死亡率 = 1.1
     ≪70歳以上≫
      BMI 25〜30までの死亡率 = 1.1
      BMI 30〜35までの死亡率 = 1.1
            NHANEST/U/V  1971〜1994
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 BMIが18〜25の人の死亡率を1とした場合、年齢が25〜59歳までの人の場合、BMI30〜35までの人でも1.2 程度であり、BMIが25〜30までの死亡率はむしろ0.7と大きく下がっているのです。この結果は60〜69歳でも、70歳以上でも死亡率にはほとんど変化がないのです。
 この数値を見る限り、肥満になると死亡率が高くなるということではなく、肥満になるような生活環境に問題があるといえます。具体的にいうと好きなものを食べて運動をしない、そういう生活環境が問題なのです。
 浜松医科大学高田明和名誉教授によると、「歩く」だけでも大きな効果が得られるそうです。週1時間以下しか歩かない人の糖尿病の危険率を1とした場合、週1〜 2.4時間歩く人の危険率は0.5 と半分以下、1週間に2.5 時間以上歩く人の場合には危険率は0.3 以下になるということです。
 歩くという単純な運動でも計画的に実施すれば、肥満が抑えられ、糖尿病にもなりにくくなるのです。意識してやってみる価値はありそうです。 

posted by キーヘルス at 04:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 生活習慣病 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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