2008年02月01日

●心臓病・脳卒中はやせている方が危険?

●太っている人よりもやせた人の方が危険 ?!

 私たちは「肥満」が健康維持にとって大敵であると教えられてきています。とくに日本の診断基準では肥満が重視されているのです。高血圧や高血糖という生活習慣病の危険要因を抱えている人は、心筋梗塞や脳卒中を起こす危険が高いわけですが、それはやせている人よりも太っている人が危険であるということが常識化されています。
 しかし、最近の調査によると、必ずしもそういえないことが次々と明らかになってきています。2007年5月28日付の朝日新聞によると、上野弘嗣・滋賀医科大教授を主任研究者とする厚生労働研究班は、心筋梗塞や脳卒中になる危険度は太っている人よりもむしろやせた人の方が高くなるという調査結果を発表しています。
 この調査では、心筋梗塞や脳卒中になる危険要因として、次の4つを上げています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
   1.高血糖          3.高中性脂肪
   2.高血圧          4.低HDLコレステロール
―――――――――――――――――――――――――――――――――
 上島教授は、1990年に全国の保健所で検診を受けた男女約7200人を10年間追跡調査して、死亡原因を調べたのです。肥満でなく、かつ他の危険要因がひとつもない人の循環器病で死亡するリスクを「1」とした場合、肥満の人とそうでない人で、上記危険要因がそれぞれ2つと3つ以上抱えている人の循環器病での死亡率の割合は次のようになっているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
     ≪肥満/BMI25以上≫
      危険要因2つ   ・・・・・・ 1.5倍
      危険要因3つ以上 ・・・・・・ 2.4倍
     ≪肥満/BMI25未満≫
      危険要因2つ   ・・・・・・ 2.0倍
      危険要因3つ以上 ・・・・・・ 2.8倍
―――――――――――――――――――――――――――――――――
 これによると、明らかに太っている人よりもやせている人の方がリスクが高いことになります。上島教授は、肥満を重視しすぎる日本の診断基準の枠外の人にも高リスクの人をいることを警告しています。

●人間は肥満になりやすい遺伝子を持っている

 人間には「倹約遺伝子」というものがあります。倹約遺伝子の提唱者である米国ミシガン大学のジェームス・ニール教授は次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
 動物は飢餓の危険に見舞われる可能性が高い。そのために食べ物が十
分にある時にはこのエネルギーを脂肪として蓄え、飢餓に備える仕組みをもっている。これが倹約遺伝子の作用である。先進国では飢餓の可能性はないが、この遺伝子の機能は維持されている。このために人間は非常に肥満しやすいのである。――高田明和著、『脳によく効く栄養学』より
                     朝日新書/朝日新聞社刊
―――――――――――――――――――――――――――――――――
 このように人間は倹約遺伝子によってもともと肥満になりやすいメカニズムを身体にもっているのです。ですから、肥満だからといって食事を制限するなど無理なダイエットをしようとすると、かえって肥満になってしまうことがあるのです。
 人間のこのメカニズムを働かせようとするのは脳なのです。無理な食事制限によりカロリーの摂取量が減ると、脳はただでさえ低下している基礎代謝をさらに低下させてギリギリの部分で生命維持を図ろうとするのです。
 つまり、少ないカロリーでなんとか生き延びようとして、そのため自らの体質を変えてしまうのです。また、エネルギーを多く消費する筋肉は、生命維持を図るためにそぎ落とされ、少しのカロリーでも脂肪として蓄えようとして生き残りを図るのです。
 それに無理な食事制限は結局は長続きしないものです。こういうときに食事制限をやめて摂取カロリーを増やすと、飢餓を恐れている脳は、摂取されるカロリーをできるだけ多く脂肪に変えて蓄えようとするわけです。そういう体質が出来上ってしまったからです。
 いわゆる「リバウンド」という現象はこれによって起こるのです。これにより、ダイエット前より太ってしまうのですが、この太り方は不健康な太り方ということになります。失われた筋肉を取り戻すより、脂肪の上に脂肪を重ねることになるからです。ダイエット前よりも太っているのに、それが体力の回復には結びつかないのです。
 肥満の解消法としては、過度に脂肪を摂らないことと、脂肪を燃やすための運動を行うしかないのです。その運動として誰でもやれるのが「歩く」ということです。できれば少し速めに歩いて体に酸素を取り込みながら歩く有酸素運動をすべきですが、できなければただ歩くだけでも効果があるのです。 
posted by キーヘルス at 21:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 生活習慣病 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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