2008年03月20日

●茨城県調査で示されている驚くべき事実

●高血圧でも降圧剤を使わない方が総死亡危険度は低い

 「NIPPON研究」――既にご紹介したように滋賀医科大学の上島弘嗣教授を中心として行われた調査です。1980年に国民栄養調査の対象になった人を14年間にわたって追跡調査したものです。
 これに似た調査に「茨城県調査」というのがあります。この調査は1993年に健康診断の対象になった人を約5年間追跡調査したものです。どちらの調査も血圧と総死亡の関係について調べているのですが、その結果は驚くべきほど一致しているのです。
 この茨城県調査では、死亡の「相対危険度」を示しています。死亡の相対危険度とは、基準になる値に対して、比較しようとしている血圧値の人の死亡率の比のことをいうのです。
 留意すべきは、当時の高血圧の基準は「160/95以上」で降圧剤を服用するという旧基準であるということです。最大血圧140〜160の人は高血圧の境界型とされていたのです。男女差はそれほど大きくないので、男女合わせた数値になっており、降圧剤なしと降圧剤ありのそれぞれの数値がグラフ化されています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
   ≪総死亡の場合≫   降圧剤なし      降圧剤あり
   140/90未満     100           
   境界型         1.05       1.25
   160/95以上    1.25       1.34
                     ――茨城県調査より
―――――――――――――――――――――――――――――――――
 これは当時の正常血圧140/90未満を100とした場合の数値ですが、降圧剤を使用していない群よりも、服用している群の方が総死亡の危険度は高くなっています。
 ここで注目すべきことがあります。「降圧剤あり」の境界型というのは、もともと160/95以上の高血圧症の人が降圧剤を使ってそのレベルまで下げたことを意味しています。ところが、血圧は下がったものの、肝心の総死亡の危険度は1.25と上がっており、降圧剤を服用しない160/95以上の人の危険度と同じになっている点です。わざわざ降圧剤を服用して、総死亡の危険度を上げているようなものだからです。これは、NIPPON研究での「降圧剤を使用すると自立度が低下する」とも一致します。
 これによると、安易に降圧剤を使用しない方が死亡の危険は少なく長生きできる――これが本当なら降圧剤を飲む意義はないことになります。

●降圧剤で血圧を下げるとがん死亡の危険度は高くなる

 茨城県調査にはもっと驚くべき事実があります。それは、がん死亡の危険は正常血圧の人よりも高血圧の人の方が低いという結果が出ていることです。
 降圧剤を使用していない場合で、血圧が140/90未満でのがん死亡の危険度を1とした場−合、降圧剤なしと降圧剤ありのデータは次の通りです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
   ≪がん死亡の場合≫  降圧剤なし      降圧剤あり
   140/90未満    1.00           
   境界型         1.04       1.14
   160/95以上    0.90       1.00
                     ――茨城県調査より
―――――――――――――――――――――――――――――――――
 これによると、160/95以上の高血圧の人のがんによる死亡の危険度は0.9であって、むしろ低くなっているのです。しかし、高血圧の人が降圧剤を服用して境界型まで下げた場合、危険度は1.14と増加してしまっています。それも、降圧剤を服用しても境界型まで下げられなかった場合よりも高くなっているのです。
 降圧剤なしで高血圧(160/95以上)の人のがん死亡の危険度は0.9降圧剤を服用して境界型まで下げた人の危険度は1.14――つまり、降圧剤を服用することによって1.3倍もがん死亡の危険度を上げてしまったとになるのです。
 以上をまとめると、血圧が当時高血圧といわれる160/95以上になると総死亡危険度は増加しますが、降圧剤を使用して160/95未満に下げると総死亡危険度はかえって増加するのです。
 これに対してがん死亡の危険度については、もともと高血圧の人の方が危険度は少ない傾向があるのですが、降圧剤を使って血圧を下げると、がん死亡の危険度は増加するのです。
 このような調査結果を知ると、降圧剤を服用するのが怖くなります。しかもこの調査では、2000年の基準よりも高めに設定されていた「160/95以上」の旧基準を前提しており、もし、降圧剤を使用して、新基準の「130/85」まで下げたら、どういう結果が出るのか心配になります。
 こういう現象の出る原因とされているのが、降圧剤として幅広く使われている「カルシウム拮抗剤」といわれているのです。           
posted by キーヘルス at 04:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 血圧の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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