2008年05月29日

●謎の細菌−−ピロリ菌とは何か

●「ピロリ菌」とはどういう細胞か

 「ピロリ菌の感染者は胃がんのリスクが高い」――こういうことがよくいわれています。しかし、「ピロリ菌」の正体が何であり、それはどのようにして感染するのか、感染しているかどうかはどうして判断するのか、感染したらどうするのか――こういうことについてほとんど分からないでいるケースが多いと思います。そこで、しばらくピロリ菌について研究してみましょう。
 まず、ピロリ菌の正体は何でしょうか。
 ピロリ菌は、人間の胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどとの関連が注目され、この20年ほどの間に急速に解明が進んだ細菌です。その正式名称は次のように大変長い名前が付いています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
      ヘリコバクター・ピロリ/Helicobacter pylori
―――――――――――――――――――――――――――――――――
 「ヘリコバクター」というのは「ラセン状の細菌」という意味であり、「ピロリ」とは胃の出口付近の幽門部のことをいうことばです。ヘリコバクター属の細菌は、その培養が困難であり、科学や医学の歴史において長く表舞台に登場してこなかった細菌なのです。
 しかし、ピロリ菌は胃潰瘍や胃がんの部位から発見されることが多く、胃の中に生息しているのではないかと思われていたのです。つまり、ピロリ菌の栄養源は人間の胃の細胞ではないかという疑いが持たれていたのです。
 しかし、胃の中は強い酸性を有しており、通常の細菌ならとても生きていられる環境ではないのです。そのため「胃には細菌は生息できない」という説が長く信じられてきたのです。
 これは後でわかったことですが、ピロリ菌は尿素を分解してアンモニアを作り、酸を中和する能力を持っているので、酸性の強い環境でも生き伸びることができたのです。
 ピロリ菌には病原性を発揮するものと、あまり影響を与えないものがあるのです。病原性を発揮する強い菌は胃の細胞に付着して炎症を引き起こし、潰瘍の原因になる傷をつくります。または、その菌の持つ酵素の化学反応によって胃の細胞が壊され、それが潰瘍やがんの原因になります。
 
●ウォーレンとマーシャルのノーベル医学生理学賞

 細菌の発見は顕微鏡の進化に関係があります。顕微鏡の精度が上った19世紀の後半にドイツの細菌学者のベッチャーは胃潰瘍の部位に細菌がいることを発見してそれを論文に書いて発表しています。1875年のことです。
 この菌が現在のピロリ菌であったかどうかはわかっていないのですが、胃には細菌は住み着かないという当時の常識によって、誰も胃潰瘍と細菌の関係を本気で調べようとはしなかったのです。
 その後、1892年になって、イタリアの解剖学者のビゾゼロがイヌの胃の病理標本中にラセン状の細菌が存在していたことを報告しています。これが記録に残る最も古いヘリコバクター属の細菌の記録ですが、これはピロリ菌そのものではなかったのです。しかし、発見者の名前をとって「ヘリコバクター・ビゾゼロ二ー」と名づけられたのです。
 しかし、それでも細菌学界では、「胃に細菌がいるはずはない」という常識を固く信じており、胃潰瘍などから細菌が発見されるという報告があっても、それをまともに受け取らず、ピロリ菌が発見されるまで、さらに100年もの年月を必要としたのです。それまでは、胃の潰瘍の原因としては、胃酸が引き起こすものという説が有力だったのです。
 しかし、オーストラリアの病理学者であるロビン・ウォーレンは、ロイヤルパース病院で、胃炎患者の生検標本の中に細長く曲がった細菌がいることを発見します。ウォーレンは同じ病院のバリー・マーシャルという消化器科の若手医師と協力して、この細菌について調べ始めたのです。
 そうすると、胃炎だけではなく、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、胃がんにおいても同じ菌が次々と見つかったのです。しかし、この未知の菌があることを証明するには、菌を分離・培養する必要があるので、これに取り組んだのです。しかし、それは簡単には成功しなかったのです。
 培養期間は2日間でやることにし、何回も繰り返したのですが、そのつど失敗を重ねたのです。1982年のイースターでの出来事です。培養実験がたまたま4月14日のイースターの休日にかかったために、培養期間が5日間に延びてしまったのです。
 しかし、この偶然によって、2人は1ミリほどのピロリ菌の細菌集落をはじめて認めることができたのです。この報告は「胃炎患者で認めたピロリ菌の存在」と「ピロリ菌培養成功」として、1983年の英国の医学雑誌「ランセット」で紹介されたのです。
 しかし、それでもピロリ菌の存在に疑問を持つ学者は多くいて、その存在が受入れられるまでにさらに十数年を要したのです。しかし、このウォーレンとマーシャルの研究は2005年のノーベル医学生理学賞に輝いたのです。1982年の研究成果が13年も経ってはじめて認められたのです。昔からの思い込みや常識がいかに新しい発見を遅らせるかの例であるといえます。  
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2008年06月05日

●長年胃に住み続けるピロリ菌

●「コッホの原則」をすべてクリアする 

 ピロリ菌は、1892年にイタリアの解剖学者ビゾゼロによって発見されていながら、結局、ウォーレンとマーシャルが2005年にノーベル医学生理学賞を受賞することによってその存在がはじめて認知されるという、発見にゆうに一世紀を超える年月がかけられているのです。
 細菌学には「コッホの原則」といわれるものがあります。コッホはドイツ人で、19世紀の細菌学の歴史に名を残している人物です。「コッホの原則」とは次の4項目からなっています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
   1.ある病気において、ある決まった微生物が検出される
   2.その微生物を病変部位から分離・培養することが可能
   3.その微生物を他の動物に感染させ同じ病気を引き起す
   4.そのときに生じた病変部位にその微生物が検出される
―――――――――――――――――――――――――――――――――
 ロビン・ウォーレンは、「胃炎の患者にある細菌がいる」という事実からピロリ菌の研究をはじめたのですが、これはコッホの原則の「1」に該当するのです。続いて、ウォーレンとバリー・マーシャルはその菌の分離・培養に取り組んでこれをクリアしています。これはコッホの原則「2」です。
 問題は、その細菌を他の動物に感染させて、同じ病気を引き起こさせることです。これはコッホの原則の「3」なのですが、マーシャルはこれを自分の身体を使って試したのです。
 66歳の慢性胃炎の患者から採取したピロリ菌をマーシャルは飲んでその症状を確かめたのです。その結果、マーシャルは次のように報告しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
  内服して2週間ほどの間、腹部不快、吐き気、頭痛、口臭などの症
  状を呈した。              ――バリー・マーシャル
――伊藤真愼著、『ピロリ菌/日本人6千万人の体に棲む胃癌の元凶』
                       祥伝社新書/034
―――――――――――――――――――――――――――――――――
 そして内服10日後に内視鏡検査を受けて胃炎を併発していることを確認、菌が病変部位に存在することを報告しています。1985年のことです。これはコッホの原則の「3」と「4」に該当し、この原則をすべてクリアしたのです。彼らの研究が認められたのはそれから20年後の2005年――ノーベル賞を受賞したときだったのです。

●ピロリ菌はなぜ胃に住みつけるのか

 ところで、ピロリ菌はなぜ胃に留まっていられるのでしょうか。
 胃にはかなり強い力で内容物を腸へ押し流す力が働いています。その力に逆らってピロリ菌が胃に留まっていられるのはなぜでしょうか。
 既出の伊藤真愼氏――四谷目メディカルキューブ内視鏡センター長はこれについて次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
 (ピロリ菌は)体の端に4〜8本の鞭毛という細長い毛を持っており
  これを一秒間に100回ほどスクリュー状に回転させて胃の細胞表
  面の粘膜の中を泳ぎまわることができます。その速度はかなり速く
  一秒間に自らの長さの10倍程度の距離を移動可能です。そして、
  この鞭毛の回転方向を逆にすることで、前にも後ろにも進むことが
  できます。
――伊藤真愼著、『ピロリ菌/日本人6千万人の体に棲む胃癌の元凶』
                       祥伝社新書/034
―――――――――――――――――――――――――――――――――
 このようにピロリ菌は胃に住みつこうとし、それを可能にする能力もあるのです。したがって、人の一生に近い長い年月胃に留まっている可能性が高いのです。それにピロリ菌は一度感染すると、長期間にわたって感染状態が続き、自然には排除されにくい細菌なのです。
 ピロリ菌が長い間胃に留まっていると胃の細胞を慢性的に傷害することで、潰瘍やがんをはじめとする病気を発症する恐れがあるのです。そのため、感染して長い潜伏期間の後にゆっくりと発病する「スローウィルス」になぞらえて「スローバクテリア」ともいわれています。
 ピロリ菌が胃の中に留まっていられるのは、単に鞭毛の運動だけではないのです。それはピロリ菌がウレアーゼという酵素を持っているからです。ウレアーゼは体内にある尿素を分解し、二酸化炭素とアンモニアを生成します。そのアンモニアは、酸性の環境を中和するのに役立つのです。
 アンモニアはアルカリ性であり、ピロリ菌のいる周囲を中和して、強い胃酸から身を守る環境にすることができるのです。しかし、皮肉なことに、ピロリ菌の身を守るウレアーゼの存在が、いくつかの検査法によって、ピロリの生息の有無を発見するのに役立つのです。
 ピロリ菌が人に感染するのは、乳幼児期であることが多く、成人の感染は少ないといわれます。したがって、何はともあれピロリ菌の有無を検査することが必要なのです。                        
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2008年06月12日

●ピロリ菌の有無はどのようにして知るか

●ピロリ菌の有無は血液・尿の抗体検査でわかる

 ピロリ菌の存在が注目されてくると、自分はピロリ菌に感染しているかどうかが心配になります。とくに日本ではピロリ菌の感染者は多く、国民の半分の6000万人が感染者といわれています。
 ピロリ菌に感染している人には、慢性胃炎や潰瘍・がんなどの病気になる人が多いことがわかっています。逆にピロリ菌に感染していない人で、内視鏡などで健康な胃であることが確かめられた場合には、胃がんになるリスクはきわめて少なく、現在のように毎年胃のレントゲンや内視鏡検査を受ける必要はないとまでいわれているのです。
 ピロリ菌に感染しているかどうかは、血液や尿によって抗体の有無を調べることで比較的簡単に知ることができます。ピロリ菌に感染すると血液中に抗体ができるので、その抗体を測定すればいいのです。抗体は微量ながら尿にもあらわれるので、尿によっても検査可能です。
 このように簡単にできる検査ですが、通常の健康診断には含まれていないことが多いのです。現在受けている健康診断の血液検査項目を見て、ピロリ菌の有無を調べる項目がないときは、その旨申し出るとオプションで検査が受けられることがあります。
 しかし、健康診断の血液検査項目に「ペプシノーゲン」があるときは、これによってピロリ菌の有無を知ることができるのです。それでは「ペプシノーゲン」とは何でしょうか。
 ペプシノーゲンは、胃で生成される消化酵素である「ペプシン」の前駆物質であり、ペプシノーゲンの血中の価を調べることによって、胃粘膜に萎縮が生じているかどうかが類推できるのです。ペプシノーゲンの異常はピロリ菌感染が原因であることが多く、萎縮があればピロリ菌が存在する可能性が高いのです。なお、ペプシノーゲンの異常があるときは胃の内視鏡検査が必要です。
 しかし、健康診断の血液検査項目の中にピロリ菌抗体検査がない場合、希望して検査を求めると、健康保険は適用されず、自己負担になります。通常血液や尿の抗体検査では、1500円〜4000円のオプション費用がかかることになります。なお、ペプシノーゲン検査についても健康保険の適用は認められていないのです。

●1960年代以前は発展途上国スタイルである

 ピロリ菌の有無は、採血だけでなく、保存している血清でも検査が可能であるので、各種の病気と診断されたときのピロリ菌の感染率だけではなく、無症状の人についてもその感染率の調査が可能になっています。
 1992年のこと、北海道大学の浅香チームは無症状の日本人を対象にしたピロリ菌の感染率調査を行ったのです。その結果、次のような重要なことがわかったのです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
 それによると、40歳代以降では約80%の人が感染しており、若い
 年代は感染率が低いことが判明しています。つまり、1960年頃よ
 りも前に生まれた世代では感染率が高く、それ以降に生まれた世代で
 は感染率は急激に減少してきているという成績です。この原因を直ち
 には断定できないものの、上下水道の整備などに伴い、衛生環境が改
 善されたことが関係しているのではないかと推測されています。
――伊藤真愼著、『ピロリ菌/日本人6千万人の体に棲む胃癌の元凶』
                       祥伝社新書/034
―――――――――――――――――――――――――――――――――
 北海道大の調査後に兵庫医大の福田チームは、1986年に集められた血清と1998年の血清を使って2回の調査を行ったのです。ちなみに、血清というのは、血液が凝固したときに上澄みにできる淡黄色の液体成分のことです。
 調査の結果をまとめると、次のようになります。
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 1.年齢ごとの感染率は浅香チームの結果と同じであることを確認
 2.10数年間で感染率のカーブはそのまま右に移動していること
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 これによって明確になったことがあります。それは、ピロリ菌の感染率は、年齢が高くなるにしたがって上昇するのではなく、ある年齢層の感染率は、生まれた年代でほとんど決まってしまい、その後上昇することはあまりないということです。だから、感染率のカーブは右に移動するのです。
 これは重要なことを示しています。今後は衛生状態がますます良くなっていくと考えられるので、日本では2040年頃になると、ピロリ菌の感染者は大幅に減少し、その結果として胃がんも減少するのでは・・という期待が広がっています。
 世界におけるピロリ菌の感染率では、先進国の西欧諸国では感染率が低く、発展途上国では若年のうちから感染率が高い傾向にあります。これは明らかに衛生環境の違いからくるものと考えられます。日本の場合、1960年頃を境にそれ以前に生まれた人はいわゆる発展途上国スタイルであり、健康診断のさいにピロリ菌検査を受けてみる必要があると考えられます。     
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2008年06月19日

●胃がんの脅威とピロリ菌との関係

●10万人が羅患し半分が死亡している胃がん

 ごく大雑把にいうと、日本では毎年約100万人が亡くなっています。そのうち悪性新生物、すなわち、がんで亡くなる人は30万人ですが、肺がんで亡くなる人は約5万5千人、胃がんによる死亡者は約5万人です。
 もちろん、年度によって数字は違いますが、胃がんの死亡者数については、あまり変わっていないのです。急増したのは肺がんの死亡者であり、1980年に約2万人であったものが、20年の間に3万人以上増加しているのに対し胃がんの死亡者は、1980年から毎年約5万人であって、変わっていないのです。つまり、胃がんの脅威は依然として続いているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
              1980年   2001年
     肺がんの死亡者 21294人  55034人
     胃がんの死亡者 50443人  49958人
―――――――――――――――――――――――――――――
 胃がんによる死亡数は5万人であるとすると、胃がんと診断された人はどのくらいいるのでしょうか。胃がんと診断された人の数を「胃がん羅患数」というのです。
 ところが「胃がん羅患数」を全国的に調べた調査はないのです。これはおかしな話で、胃がんと診断されて治療を行った結果、どのくらいの人が治癒したのか全国的に知ることができないからです。
 しかし、「全国癌羅患率協同調査」というものがあるのです。これは地域で調査しているデータを集めて類推して全国数値を算出したものです。これによると、1999年については次のようになっています。
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     男性胃がん羅患数 ・・・・・ 6万9627人
     女性胃がん羅患数 ・・・・・ 3万4058人
     ――――――――――――――――――――――
                   10万3685人
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 羅患数と死亡数の差は治療の成果と考えられるので、約10万人が胃がんと診断され、それに対応する治療の結果、約半分の5万人が生存していることになります。しかし、年間5万人の死亡数は大きな数字なのです。胃がんは依然として人間にとって大きな脅威なのです。

●ピロリ菌は確実な発癌因子/WHOの認定

 胃がんは早期発見が何よりも大切であるとして、「間接胃レントゲン検査」が行われています。しかし、この検査の診断精度は、57%〜90%といわれているのです。これは、胃がんと診断されない見逃し率が10%〜43%あることを意味しています。
 しかも、陽性的中度は0.9%〜2%ときわめて低いのです。これは胃がんの疑いで精密検査を受けても、98%〜99.1%は胃がんではないということを意味しています。胃のレントゲン検査は、レントゲン機器の撮影方法、撮影技術、使っているバリウムの適否などがその精度を左右するのです。
 この検査方法に比べると、内視鏡検査の信頼性は高いのですが、コストの関係上すべての人に実施することは不可能です。その解決策の一つとして、血液検査でできる「ペプシノーゲン」と「ピロリ菌抗体」を併用して、陽性の人について内視鏡検査をするという方法が検討されています。
 ピロリ菌に感染して時間が経つと、慢性胃炎を起こす可能性が高まります。これがそのまま持続・進行すると、胃粘膜萎縮や腸上皮化生という慢性胃炎の進んだ状態になるのですが、とくに萎縮の進んだ胃炎を放置すると、胃潰瘍や胃がんになりやすいのです。
 ピロリ菌陽性者と非感染者を長年経過観察した報告があります。この場合、ピロリ菌感染者からは、8年間に約4.7%の胃がんが発生しましたが、非感染者からは胃がんの発症はなかったといいます。
 また、胃がん患者がピロリ菌感染者であったかどうかを調べた調査では、その感染の有無を正確に診断すればするほど、菌のいる確率がきわめて高い数字になるのです。多くの調査結果を総合すると、現在では胃がん患者の90%以上がピロリ菌感染者であることが常識とされているのです。
 こうした数多い調査報告に基づいて、1994年にWHOのIARC――国際癌研究機関によって、ピロリ菌は「確実な発癌因子」として認定されているのです。しかし、このWHOの認定は、疫学調査に基づくものであったため、「ピロリ菌によって本当に病気を発症させることができるかどうか」という部分はあいまいのままであったのです。そこで、単に自然経過を観察するだけでなく、何らかの治療を施し、その経過に介入して治療の効果を調べる「介入試験」も多く行われているのです。
 中国からピロリ菌感染者を除菌群と非除菌群に分けて、胃がんの発生率を比較した研究では、8年間の追跡期間中に、除菌群246名中1名――0.41%、非除菌群306名中6名――1.96%の胃がんが発見され、除菌群で有意に胃がんが抑制されるという結果が出たのです。          
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2008年06月26日

●血液検査と内視鏡検査で胃がんは防げる

●ピロリ菌に関する血液検査で何がわかるか

 ある疾患の検診を効果的に行うには、疑いのある人を絞り込んで精密検査を行う方法です。例えば、大腸がんについては、便潜血の検査を事前に行い、陽性者に絞り込んで大腸検査を受けさせる方法が採用されています。
 また、肝がんについては、肝炎ウイルスの検査を行い、陽性者を絞り込む方法がとられることがあります。B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに感染していると、肝がんを発症するリスクが高まることがわかっているからです。
 しかし、胃がんの検査については、はじめから胃レントゲン検査を行うのが一般的です。これではコストもかかるし、胃レントゲン検査も万全ではないので、最近では血液検査でリスクを見分ける方法が研究されているのです。それは、次の2つです。
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            1.ピロリ菌の抗体検査
            2.ペプシノーゲン検査
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 ピロリ菌の感染は抗体検査でわかるのですが、これだけで判断するには問題があるのです。それは中高年では陽性者が多くてリスクの高い人に絞り込めないことがひとつと、一部のきわめてリスクの高い人で、抗体が陰性化してしまうケースがあることです。
 もうひとつのペプシノーゲン検査は、胃粘膜の萎縮の程度を調べる検査なのです。胃粘膜の萎縮は内視鏡やレントゲンでも評価できますが、ペプシノーゲン検査は血液検査だけで行える簡便性と数値で評価できるので、客観性に優れているのです。ペプシノーゲンの異常は胃粘膜の萎縮をよく反映することがわかっており、その程度を数値によって判断できるのです。
 このことをもう少し詳しく説明します。既に述べたように、ペプシノーゲンとは胃で生成される消化酵素「ペプシン」の前駆物質であり、主として胃底腺の主細胞に分泌されるのです。胃底腺というのは、胃粘膜を構成する細胞であり、その分布領域は、胃の底部から胃体部まで広がり、胃全体の3分の2を占めているのです。
 ペプシノーゲンは胃粘膜の萎縮が進むにつれ、胃底腺領域が縮小していくため、ペプシノーゲンの量や胃底腺領域における比率が減少します。この度合いによって胃全体の萎縮の進行度がわかるというわけです。

●和歌山医大における注目すべき実験

 和歌山医大では、ピロリ菌抗体とペプシノーゲンの2つの血液検査を組み合わせて、胃がんのリスクを測定する試みが行われています。ピロリ菌抗体とペプシノーゲンの2つの血液検査を行い、次のように対象者をAグループからDグループの4つに分け、それぞれの胃がん発見の頻度を算出したのです。
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         ペプシノーゲン「正常」I ペプシノーゲン「異常」
  ピロリ菌抗体「陰性」A       I D 対年間10万人
           胃がんの発症なし I      871人
ピロリ菌抗体「陽性」B 対年間10万人 I C 対年間10万人
           107人     I      238人
  ――伊藤真愼著、『ピロリ菌/日本人6千万人の体に棲む胃癌の元凶』
                         祥伝社新書/034
―――――――――――――――――――――――――――――
 これによると、Aグループは胃がんの発症はゼロであり、以下、Bグループ→Cグループ→Dグループの順でリスクが高まっています。ピロリ菌の感染者は、感染が長期化するにしたがい、胃粘膜収縮が進行し、B→C→Dに変化していくものと予測されているのです。
 Dグループは、ペプシノーゲンが「異常」を示しているのに、ピロリ菌抗体は「陰性」になっています。これは、ピロリ菌の感染状態が長期にわたって続いたために、胃粘膜が高度に収縮し、ついにはピロリ菌自体が棲めなくなってしまった結果、ピロリ菌抗体が陰性となったのです。したがって、Dグループのリスクはきわめて高いのですが、このケースは全体の数パーセントに過ぎないそうです。
 この和歌山医大の研究でも明らかであるように、ピロリ菌は明らかに胃がんの危険分子です。したがって、ピロリ菌に感染していることがわかったら、速やかに除菌治療を受けることが望ましいのです。
 しかし、現在の健康保険では、ピロリ菌に感染しているだけでは除菌治療は健康保険の対象となっていないのです。どうしてかというと、感染者になったからといって、潰瘍やがんという重大な病気を引き起こす割合が必ずしも高くなく、何事もなく一生を終えるケースが多いことなどによるものです。
 しかし、胃がんは現在でも深刻な病気であり、除菌治療によって胃がんを発症するリスクが少しでも減るのであれば、除菌治療を行うべきです。とくに胃がんの手術をして胃を残している場合、その後そこに第2のがんが発症する頻度が高いことが知られているのです。このケースなども除菌治療をした場合としない場合では胃がんの発症に大きな差が生ずるのです。       
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2008年07月03日

●こうして胃や十二指腸に潰瘍ができる

●胃の構造を覚える必要がある

 ピロリ菌がどのようにして胃を侵食するのかについて、少し詳しく見ていくことにします。ところで、私たちの胃というのはどういう構造をしているのでしょうか。
 胃は「胃袋」といわれるように、袋状になっている消化のための臓器です。最初に、「噴門」と「幽門」という言葉を覚える必要があります。胃の上方の入口が「噴門」であり、食道からつながっています。出口は「幽門」といい、十二指腸につながっています。この入口と出口は固定されていますが、胃そのものは腹部に固定されているわけではありません。
 胃は袋状になっていますから、食べ物が入っているときと入っていないときは、大きさが異なります。何も入っていないときは1000ミリリットル以下であり、入っているときは2000ミリリットル以上に大きくなります。食べ物が入っているときとそうでないときは倍以上の大きさの開きがあるのです。
 さて、次に胃の構造ですが、胃の内部から外側にかけて次の5つの層に分かれています。
―――――――――――――――――――――――――――――
         1.粘膜層
         2.粘膜下層
         3.筋層――――きんそう
         4.漿膜下層――しょうまくかそう
         5.漿膜
―――――――――――――――――――――――――――――
 胃の粘膜――粘膜層と粘膜下層のことですが、ここには次の4つの細胞があるのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
         1.「胃酸」を分泌する細胞
         2.「ペプシノーゲン」を分泌する細胞
         3.「粘液」を分泌する細胞
         4.「ガストリン」を分泌する細胞
―――――――――――――――――――――――――――――
 「ペプシノーゲン」は既にお馴染みですが、これは分泌されると、消化酵素「ペプシン」になる前駆物質です。「ガストリン」というのは、胃酸の分泌を調節するホルモンのことです。

●ピロリ菌と胃潰瘍・十二指潰瘍の関係

 それでは、ピロリ菌は胃のどこにいるのでしょうか。
 ピロリ菌は、粘膜層の表層や粘液の中にいます。そして、胃の細胞を直接・間接に傷害するのです。これが長く続くと、胃粘膜を保護しているバリアが壊れて、粘膜層の細胞が破壊されるのです。この状態を「びらん」といいます。
 この「びらん」を放置すると、それはさらに深くなり、粘膜下層や筋層までが傷害され、破壊されます。この状態が「潰瘍」です。
 しかし、人間の身体は実によくできていて、ピロリ菌による破壊攻撃によって破壊された粘膜を修復する力が働いて、そのほとんどのケースは修復されるのです。しかし、それは身体全体に活力がある場合であって、病気をして身体が弱っていたり、歳をとって身体の抵抗力がなくなると、ピロリ菌の攻撃活動が粘膜を修復しようとする力を上回って潰瘍の状態が進行し、がんになってしまう可能性もあるのです。
 さて、十二指腸についても構造を覚える必要があります。十二指腸は胃の出口「幽門」につながっています。その名の示すように、指を横に12本並べたぐらいの長さ――20センチ〜30センチ――があります。この十二指腸の幽門につながる部分を「十二指腸球部」といいます。
 十二指腸は小腸の一部ですが、その構造は胃とまったく同じ5層があるのです。しかし、筋層に関しては胃のそれが非常に強靭であるのに対して、十二指腸の筋層は薄いのです。しかし、消化されたものを吸収する部分である粘膜が発達しているのです。
 十二指腸では、重炭酸によって胃酸を中和し、酸が過剰になることを防いでいます。酸が過剰になると、十二指腸球部――幽門につながった部分で傷害を受けやすくなるのです。これが「十二指潰瘍」の原因になるのです。
 胃がピロリ菌に感染すると、胃の前庭部で傷害により炎症が起こります。そうすると、胃酸分泌を刺激するホルモン「ガストリン」が出て、酸が過剰になります。そのため十二指腸球部が過酸状態になり、その状態が続くと、十二指球部潰瘍になる可能性があります。
 ピロリ菌によって胃潰瘍や十二指潰瘍が起きやすくなるメカニズムは以上の通りですが、ピロリ菌以外で、胃潰瘍や十二指潰瘍が起きる原因として、最も代表的なのは「消炎鎮痛剤」によるものです。
 消炎鎮痛剤は解熱剤や痛み止めとして使われますが、これを過剰に摂取すると、胃炎、胃潰瘍、十二指潰瘍などの胃腸障害を起こしやすいのです。また、最近は心臓病などでも使われる「アスピリン」も潰瘍の因子となりやすいので覚えておくべきです。                       
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2008年07月10日

●ピロリ菌は3種類の薬によって除菌される

●ピロリ菌と胃がんの関係

 もし、胃・十二指腸潰瘍という診断が下されたら、ピロリ菌が陽性であるかどうかが重要なポイントになります。ピロリ菌が陽性であるかどうかを調べて陽性の場合、除菌治療を行う必要があります。なぜなら、除菌によってその再発率を劇的に抑えることができるからです。
――――――――――――――――――――――――――――――
   ≪除菌治療による胃潰瘍の累積再発率の低下≫
          1ヵ月後   6ヵ月後   12ヵ月後
   除菌不成功   32%    62%     62%
   除菌 成功    5%     8%     12%
    ――伊藤真愼著、『ピロリ菌/日本人6千万人の体に棲む
              胃癌の元凶』 祥伝社新書/034
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 しかし、これほどピロリ菌と胃・十二指腸潰瘍の関係が明確になっているにもかかわらず、医療機関によってはピロリ菌の診断やその除菌を積極的には行わず、漫然と抗潰瘍剤を投与するだけのところも多いので、治療に不満を感じたら、遠慮せずに医師に説明を求めるべきです。
 胃潰瘍がどういう状況で胃がんになるかについては、十分には解明されていないのです。しかし、ピロリ菌感染による持続的な慢性胃炎を原因とする胃粘膜傷害が長く続いていることと胃がんの発症とは密接な関係があると考えられているのです。
 ピロリ菌感染に伴ってニトロソアミンという発がん物質が生じたり、ピロリ菌が胃の細胞に「CagA」という特殊なたんぱく質を注入することで細胞の新陳代謝が鈍り、菌を排除することができなくなって胃がんの発症につながるということが最近の研究によって知られてきています。
 医師の問診だけで胃がんを予測することは、ほとんど不可能であるといわれています。問診では、胃がんのリスクの高い人をいかにして絞り込むかという点に重点が置かれます。胃に何らかの症状があって家族に胃がんになった人がいる人や、ピロリ菌の感染が疑われる慢性胃炎や潰瘍の既往症があって除菌治療を受けていない人などはリスクの高いケースになるのです。
 最近では、血液検査も胃がんの発見に寄与することが多いのです。血液検査では、次の5つについて検査できます。
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            1.貧血があるかどうか
            2.栄養の状態はどうか
            3.肝機能異常があるか
            4.腫瘍マーカーの状況
            5.ペプシノーゲン検査
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 中でも5の「ペプシノーゲン検査」は、既に述べているように、胃粘膜の萎縮の状況を反映する検査であり、胃がんのリスクがあるかどうかの判断材料になるといわれています。

●健康保険が効くピロリ菌除菌方法

 以上の考察からわかるように、ピロリ菌が陽性の場合は速やかに除菌をするのがベストですが、実際にどのようにして除菌するのでしょうか。
 ピロリ菌の除菌には、次の3つの薬の組み合わせて一週間内服する方法が標準であり、この処方は健康保険で認められています。
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 胃酸を抑える薬 ・・・・・ ランソプラゾール/オメプラゾール
 抗生物質――@ ・・・・・ クラリスロマイシン
 抗生物質――A ・・・・・ アモキンシリン
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 2000年の発表によると、この除菌方法の除菌効果は90%であるということですが、年々除菌成功率は低下し、現在では70〜80%になっているといわれます。それは、細菌の薬剤に対する耐性化が進んでいることが原因であると思われます。
 抗生物質は、その使用量が増えることによって、薬剤耐性が生じやすくなるのです。特にクラリスロマイシンはピロリ菌に効きにくくなっており、耐性菌が増加しているといわれます。
 しかし、もうひとつの抗生物質であるアモキンシリンは、ペニシリン系抗生剤ですが、これはピロリ菌に対しては耐性が生じにくいので、耐性菌の割合は2〜3%といわれます。
 したがって、クラリスロマイシンが効かないときは、胃酸を抑える薬であるプロトンポンプ阻害剤とアモキンシリンの2剤で治療する方法をとるとともに内服量や内服日数を増加させることによって、除菌効果を高めるのです。
 ピロリ菌除菌治療によって生ずる副作用は、抗生物質の服用によって正常な腸内細菌に影響し、軟便や下痢になる程度の軽度のものが多く、多くの人にとって受け入れられやすい治療法であるといえます。         
posted by キーヘルス at 04:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ピロリ菌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月17日

「除菌治療にラクトフェリン併用でピロリ菌完全除菌」

●ピロリ菌の除菌に役立つ食品と飲料

 「朝食をとらないと脳はエンストを起こす」――このタイトルを覚えておられるでしょうか。なぜこのタイトルを取り上げたのかというと、朝食を抜くと、胃潰瘍になるリスクが高くなることについてお知らせしたいからです。
 かつては、胃潰瘍や十二指腸潰瘍に関しては、厳しい食事療法が課せられていたのですが、最近では、胃酸の濃度を持続的にチェックする方法――「PHモニター検査」ができるようになったので、厳しい食事制限は大幅に緩和されるようになってきています。
 胃酸の濃度を、日夜チェックすることによって判明したのは、胃酸濃度が高くなるのは食事の前の空腹時であり、とくに空腹状態が続く夜間には胃内は強酸性となっているのです。これが「潰瘍は夜つくられる」といわれるゆえんなのです。
 したがって、この状態で朝食を抜くと、強酸性の状態が持続することになるので、朝食は抜いてはならないのです。忙しくて、どうしても朝食がとれないときは、せめて牛乳を飲むことです。牛乳は胃酸を和らげて、粘膜を保護する作用があるので有効なのです。要するに、規則的に食事をとることは胃の健康のためにも必要なことなのです。
 最近は韓国料理ブームで、とくに刺激の強い「激辛食品」を好む人が増えていますが、刺激の強い香辛料は直接的に胃の粘膜を傷害する恐れがあるので、ほどほどにすべきです。また、辛いものや味の濃いものは胃酸の分泌を促進するので、空腹時にそういうものだけを食べると、急性胃炎や胃潰瘍を起こす恐れがあることを知っておくべきです。
 ブロッコリーに抗ピロリ菌作用があるという説があります。2002年の米国国立科学紀要誌にファーヘイという学者が発表しています。ファーヘイは、ブロッコリーやその新芽に含まれるスルフォラファンにピロリ菌を抑制する作用があることや、動物実験では胃の腫瘍の生成を阻害する作用があることを報告しています。
 これに関連して、筑波大学の谷中教授は2005年の日本消化管学会において、動物実験において、スルフォラファンがマウスのピロリ菌を減少させ、ピロリ菌による胃炎の進行を抑制する効果が見られたこと、さらには人間の感染者でもピロリ菌の抑制効果や胃炎の改善が確認されたことを発表しています。
 ブロッコリーはちょっという人はココアはどうでしょうか。
 ココアには、カカオFFA――FFAは遊離脂肪酸――が含まれているのですが、これがピロリ菌に対する殺菌効果があるといわれているのです。カカオFFAは細菌の細胞膜に直接作用し、菌を破壊して死滅させるのです。試験管の中の実験では、通常飲用している程度の濃度のココアで強い殺菌効果が確認されているそうです。

●ラクトフェリンにも強い殺菌効果がある

 東海大学の古賀教授らの報告によると、ピロリ菌の感染がわかっている人たちに4週間にわたって乳酸菌LG21を含有したヨーグルトを摂取してもらったところ、ピロリ菌がほぼ10分の1ないし、100分の1程度に減少することを示唆する所見が得られたそうです。
 この報告では、同時にペプシノーゲンを胃炎の指標として観察した結果、胃炎が改善していることも示されています。ヨーグルトを食べ続けることで、ピロリ菌が減少し、その結果として胃炎が改善されたものと思われます。
 それから、本メルマガでもご推奨しているラクトフェリン――これは、牛乳の乳清から発見された糖タンパクで、鉄と強く結合する特性を持っています。ラクトフェリンの「フェリン」とは「鉄を運ぶ」という意味であり、ラクトフェリンは鉄分と結合しやすい性質を持っているのです。そのため体内に鉄分が吸収されやすくなり、貧血の予防や改善に効果があるわけです。
 ラクトフェリンは、食品である牛乳に含まれる成分であり、牛乳から分離製造する技術が発達したため、現在では大量製造が可能になっています。ラクトフェリンには、生体内の微生物を抑制する作用をはじめ、抗炎症作用免疫調節作用などが注目されています。ピロリ菌の培養に際して、ラクトフェリンの抗菌活性はピロリ菌にも及ぶことが確認され、各種動物実験や人間への投与試験が行われた結果、菌量を減少させる効果が確認されています。
 ラクトフェリンの効果は、胃の中に含まれるペプシンで分解され、一部はラクトフェリシンという抗菌ペプチドとなります。この物質が、強い抗菌活性を示す物質として働くため、大腸菌という悪玉菌や0−157、カンジダ菌、ピロリ菌などに対して強い殺菌効果を発揮するのです。
 しかし、ヨーグルトにせよ、ラクトフェリンにせよ、それぞれ単体での除菌効果は万全ではありません。したがって、薬剤による除菌治療に併用して服用することによって、除菌成功率を高める使い方が効果的です。
 ピロリ菌感染の日本の現状は驚くべきものです。中高年層の70〜80%が感染者であり、日本全体で約6000万人がピロリ菌感染者がいます。ピロリ菌について調べてきましたが、ピロリ菌の感染をチェックして感染していたら除菌治療をするのが安全と思われます。               
posted by キーヘルス at 03:53| Comment(0) | TrackBack(0) | ピロリ菌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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