2009年03月05日

●アディポネクチンとは何か

 アディポネクチンという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
 この問いに答える前に、岡部正氏という医師をご紹介する必要
があります。岡部氏は、東京・銀座にある「岡部クリニック」の
院長兼経営者であり、日本糖尿病学会認定専門医・指導医です。
タレント・司会業のみのもんた氏の糖尿病の主治医としても有名
です。日本テレビの「おもいっきりテレビ」にもたびたび出演す
る有名な医師です。
 その岡部正氏が次の本を上梓しています。この本には驚くべき
ことが書いてあるので、しばらくご紹介することにします。きっ
とあなたの健康法にヒントを提供するでしょう。
――――――――――――――――――――――――――――
 岡部正(医師)著
 『奇跡のホルモン「アディポネクチン」――メタボリックシ
 ンドローム、がんも撃退する』     ――講談社α新書
――――――――――――――――――――――――――――
 アディポネクチンというのは、1996年に日本で発見された
体の脂肪(脂肪細胞)から分泌されるホルモンの名前です。日本
で発見されたので、「ジャパニーズホルモン」として世界で話題
になっているのです。
 岡部正の本には、アディポネクチンの有効性について次のよう
に書いてあります。いいことづくめ、まるで夢のようなホルモン
ですね。
――――――――――――――――――――――――――――
 アディポネクチンは、血糖を下げるインスリンの働きを助け
 る作用があり、糖尿病の予防と改善に役立ちます。血管を広
 げる作用により、血圧を下げる効果もあります。また脂肪の
 代謝を活性化し、中性脂肪を減らします。さらに、傷んだ血
 管を直接修復することにより動脈硬化を防いでくれます。こ
 のようないろいろな作用があることから、いま話題のメタボ
 リックシンドロームの予防と改善のカギを握るのもアディ
 ポネクチンと考えられています。
                ――岡部正著の前掲書より
――――――――――――――――――――――――――――
 そこで、改めてアディポネクチンとは何かです。
 これまで体の脂肪とは、食べ過ぎ、運動不足によって余ったエ
ネルギーを貯蔵する倉庫と考えられてきたのです。しかし、最近
の研究により、脂肪細胞にはさまざまな生理活性物質を分泌する
働きがあることがわかってきたのです。この脂肪細胞が分泌する
生理活性物質のひとつがアディポネクチンです。

●アディポネクチンはホルモンである

 アディポネクチンを発見したのは、大阪大学医学部分子制御内
科の松澤佑次先生の研究グループです。この発見は日本人による
医学上の画期的業績として世界中から注目を集めているのです。
 体の脂肪から分泌される生理活性物質には、善玉物質と悪玉物
質の2つがあります。そのうちの善玉物質がアディポネクチンな
のです。
――――――――――――――――――――――――――――
 善玉生理活性物質 → アディポネクチン
 悪玉生理活性物質 → TNF−α、PAI−1、IL−6
            など
――――――――――――――――――――――――――――
 善玉物質と悪玉物質とは、どういう関係にあるのでしょうか。
 アディポネクチンと悪玉物質とは、ちょうどシーソーゲームの
ような関係にあります。血液の中に悪玉物質が多くなるとアディ
ポネクチンは少なくなり、悪玉物質が少なくなると、アディポネ
クチンは多く分泌するのです。
 つまり、こういうことです。太って脂肪が増えるとアディポネ
クチンも増えるのかというとそうではなく、肥大化した脂肪細胞
からはアディポネクチンの分泌量が減ってしまうのです。
 内臓脂肪が増えると、いろいろな悪玉の生理活性物質が分泌さ
れ、その分アディポネクチンの分泌を抑えてしまうのです。逆に
やせて内臓脂肪が減るとアディポネクチンは増えてくるのです。
これをまとめると、次のような循環になります。
――――――――――――――――――――――――――――
 太る → 内臓脂肪が増える → アディポネクチンが減
 る → 糖尿病・高血圧・高脂血症・動脈硬化・メタボリ
 ックシンドローム + がんになりやすい
               ――岡部正著の前掲書より
――――――――――――――――――――――――――――
 アディポネクチンはホルモンです。それが証明されたのは20
03年のことです。ホルモンとは何でしょうか。ホルモンは、体
の中で作られて、血液で目標になる組織に運ばれその受け皿(受
容体)にくっついて代謝などに影響を与える物質のことです。
 実はアディポネクチンは1996年に発見されたのですが、最
初は受け皿が見つからなかったのです。しかし、2003年に東
京大学大学院医学研究科糖尿病・代謝内科研究室が見つけたので
す。これで、アディポネクチンは生理活性物質から昇格して、ホ
ルモンの仲間入りを果たしたのです。それは、日本の肥満研究が
世界のトップクラスであることを示しているのです。    

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2009年03月12日

●百寿者のアディポネクチンの方が若い女性よりも倍以上多い

 こういう医学論文があります。慶応義塾大学医学部老年内科が
東京都内に住む百寿者―――100以上の超高齢者の健康状態を
調べ、その特徴を分析したものですが、健康長寿とアディポネク
チンの関係が確かめられたのです。
 調査対象は、100歳以上の女性(百寿者)66人と若い女性
66人――身長・体重の補正をして公平な条件としたうえで、血
液中のアディポネクチンの量を比較したのです。
 その結果、百寿者のアディポネクチンの平均値20.3 μg/
mlは、若い女性の平均値10.8 μg/ml より約2倍高い数字を
示したのです。これによって、アディポネクチンが多い人は長生
きすることが確かめられ、世界的に注目される調査になったので
す。なお、「μg」 はマイクログラムのことであり、マイクロは
100万分の1を表します。
 アディポネクチンは、人間の脂肪(脂肪細胞)から分泌されるホ
ルモンです。「アディポ」は脂肪という意味であり「ネクチン」
はくっつく、接着という意味で、血管の壁などにくっつきやすい
性格なので、アディポネクチンと名付けられたのです。

●「女性は長生き」の秘密はアディポネクチンの量

 岡部クリニックの検査データによると、アディポネクチンの一
番低い人と高い人は次のようになっています。
――――――――――――――――――――――――――――
     一番低い人 ・・・・・  1.7μg/ml
     一番高い人 ・・・・・ 58.5μg/ml
――――――――――――――――――――――――――――
 一般的に、アディポネクチンが4μg/ml 以下になると、糖尿
病、心筋梗塞がん、メタボリックシンドロームになりやすいとい
われています。そのため、4以下を「低アディポネクチン血症」
と呼び、アディポネクチンを増やす治療を行うことになっていま
す。
 岡部クリニックの検査でわかった重要なことがあります。それ
は、女性のアディポネクチンの量は男性の1.5 倍あるというこ
とです。岡部クリニックのデータでは、どの年齢層でも女性のア
ディポネクチンの値が男性を上回っているのです。日本人の平均
余命は、男性78.64 歳、女性は85.59 歳であり、つねに
女性の方が男性を上回っているのはご存知のことと思いますが、
これにアディポネクチンの値の男女差が関係している可能性があ
ります。
 もうひとつ検査で判明したことがあります。それは、男性も女
性も75歳を超えると、アディポネクチンの値が高くなることで
す。男性の場合は、30〜74歳の年齢層と比べて1.8 倍高く
なります。つまり、高齢になるほど、アディポネクチンが多い人
が占める割合が目立って増えているのです。

●ウエスト(お腹回り)とアディポネクチンとの関係

 ウエスト(お腹回り)とアディポネクチンの関係を調べると、男
性も女性もウエストが太くなると、アディポネクチンの値が低く
なります。具体的にいうと男性では85センチ、女性では78セ
ンチを超えると、アディポネクチンが平均よりも低くなります。
 ウエストが太くなるというのは、内臓に脂肪がつく内臓脂肪型
の肥満を意味しています。内臓脂肪型の肥満はアディポネクチン
を少なくするというのが医学上の定説となっています。
 ウエストだけでなく、ウエストを身長で割った指数とアディポ
ネクチンとの関係でいうと、男女とも0.5 を超えると――ウエ
ストが身長の半分以上になると、アディポネクチンが平均よりも
低くなったのです。つまり、身長の低い人は、ウエストが75セ
ンチ程度でも要注意ということになります。
 人間の体は、20歳までに骨格や筋肉がほぼ出来上がります。
それ以降は、体重が増えても骨が増えることはないのです。した
がって、20歳以降に体重が増えた場合は、その増えた分のほと
んどは脂肪による脂肪太りであると考えられます。したがって、
20歳の体重はその人の「基本体重」なのです。
 このことから、20歳のときの体重よりも増えた体重が多けれ
ば多いほど、アディポネクチンの値が低くなっているのです。
 以上をまとめて、アディポネクチンの値が平均以下になるケー
スについてまとめると、次のようになります。20歳時の基本体
重よりも男性では10キロ以上、女性で8キロ以上になると、ア
ディポネクチンは低くなります。
――――――――――――――――――――――――――――
                  男性    女性
 ウエスト           85cm以上 78cm以上
 ウエスト÷身長            0.5以上
 20歳頃からの体重の増加   10kg以上  8kg以上
                  ――岡部正(医師)著
 『奇跡のホルモン「アディポネクチン」―メタボリックシン
 ドローム、がんも撃退する』      ――講談社α新書
――――――――――――――――――――――――――――

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2009年03月19日

●BMI/ボディマス指数とは何か

 肥満であるかどうかについては、BMIによる判定が一般的で
す。ところでBMIとは何でしょうか。まず、言葉から覚えてく
ださい。
――――――――――――――――――――――――――――
   BMI = Body Mass Index/ボディマス指数
――――――――――――――――――――――――――――
 BMIは、身長(T)と体重(W)の関係から算出したヒトの
肥満度を示す指標です。具体的にどのように計算するのでしょう
か。
――――――――――――――――――――――――――――
     W(体重kg) ÷ T(身長m)2
     正常範囲/18.5 〜24.9
――――――――――――――――――――――――――――
 計算は簡単です。体重を身長の二乗で割ればよいのです。気を
つけることは、Tは(m)が単位であって、(cm)単位ではないこ
とです。次に計算例を示しておきます。
――――――――――――――――――――――――――――
  ≪身長170cm、体重70kgの人のBМIは≫
       70kg ÷ (1.7×1.7) =24.22
――――――――――――――――――――――――――――
 計算が面倒な人は、次のサイトでいろいろ数字を入力してBM
Iを知ることができます。
     http://www.ahv.pref.aichi.jp/taikei/chap1_nn.html 
――――――――――――――――――――――――――――
 BMIの計算式は世界共通ですが、肥満の判定基準については
国によって違いがあるのです。米国は、25以上を標準以上とし、
30以上を「肥満」としているのです。
 しかし、多様な肥満の病態を、身長と体重の関係のみに抽象し
て算出されるこの指数には自ずから限界があります。とくに内臓
肥満はメタボリック症候群の原因でありながら、この数値に表れ
にくいこともあり、「隠れ肥満」となる場合があります。
 BMIには、こういった問題は残されているものの、計算式が
簡単なこともあり、成人の肥満の指標として多用されているので
す。しかし、背の高い人ほど数値が高くなる問題点もあります。
 むしろBMIよりも、前回お話ししたように、20歳のときの
体重を覚えているなら、それより10キログラム以上(男性)増
えているなら肥満と考える方が実態に合っています。

●皮下脂肪は定期預金/内臓脂肪は普通預金

 体の脂肪のことを「体脂肪」といいます。体脂肪はどのくらい
の割合が標準なのでしょうか。
――――――――――――――――――――――――――――
     ≪体脂肪率≫
      男性 ・・・・・ 15〜19%
      女性 ・・・・・ 20〜25%
――――――――――――――――――――――――――――
 体脂肪率が男性では25%、女性は30%を超えると、糖尿病
や高血圧などの生活習慣病が急速に増えることがわかっています。
 ところで、太るというのはどういうことでしょうか。それは脂
肪が増えることです。体の水分の量が大きく変化することはあり
ませんので、脂肪が増えた分だけ筋肉の割合が減ることになりま
す。
 既出の医師岡部正氏は、次のような面白いたとえで、脂肪につ
いて説明をしています。
――――――――――――――――――――――――――――
 指でつまめる 脂肪 ・・・・・ 皮下脂肪 → 定期預金
 指でつまめない脂肪 ・・・・・ 内臓脂肪 → 普通預金
――――――――――――――――――――――――――――
 脂肪にはそのつき方によって、「皮下脂肪」と「内臓脂肪」に
分かれます。
 「皮下脂肪」とは、指でつまめる脂肪といわれ、ゆっくりつい
て、とれにくいので、定期預金にたとえられています。皮下脂肪
は太もも、お尻のまわりにつきやすく簡単にはとれないのです。
また、皮下脂肪は、人類の長い歴史の中で飢餓や寒さに備えるた
めについたものであり、先に備えるという点で定期預金というの
でしょう。
 これに対して「内臓脂肪」とは、指でつまもうとしてもつまめ
ない脂肪のことです。内臓につく脂肪はつきやすく、とれやすい
ので、普通預金にたとえられているのです。
 内臓脂肪は食事と食事の間のエネルギー不足を補う短期倉庫の
ような役割を果たすものです。したがって、普通預金なのでしょ
う。エネルギーのとり過ぎが起きると、脂肪がたまり過ぎてしま
います。そして、下腹部やお腹の周りが太くなるのです。  
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2009年03月26日

●BMI/ボディマス指数とは何か

 肥満であるかどうかについては、BMIによる判定が一般的で
す。ところでBMIとは何でしょうか。まず、言葉から覚えてく
ださい。
――――――――――――――――――――――――――――
   BMI = Body Mass Index/ボディマス指数
――――――――――――――――――――――――――――
 BMIは、身長(T)と体重(W)の関係から算出したヒトの
肥満度を示す指標です。具体的にどのように計算するのでしょう
か。
――――――――――――――――――――――――――――
     W(体重kg) ÷ T(身長m)2
     正常範囲/18.5 〜24.9
――――――――――――――――――――――――――――
 計算は簡単です。体重を身長の二乗で割ればよいのです。気を
つけることは、Tは(m)が単位であって、(cm)単位ではないこ
とです。次に計算例を示しておきます。
――――――――――――――――――――――――――――
  ≪身長170cm、体重70kgの人のBМIは≫
       70kg ÷ (1.7×1.7) =24.22
――――――――――――――――――――――――――――
 計算が面倒な人は、次のサイトでいろいろ数字を入力してBM
Iを知ることができます。
     http://www.ahv.pref.aichi.jp/taikei/chap1_nn.html 
――――――――――――――――――――――――――――
 BMIの計算式は世界共通ですが、肥満の判定基準については
国によって違いがあるのです。米国は、25以上を標準以上とし、
30以上を「肥満」としているのです。
 しかし、多様な肥満の病態を、身長と体重の関係のみに抽象し
て算出されるこの指数には自ずから限界があります。とくに内臓
肥満はメタボリック症候群の原因でありながら、この数値に表れ
にくいこともあり、「隠れ肥満」となる場合があります。
 BMIには、こういった問題は残されているものの、計算式が
簡単なこともあり、成人の肥満の指標として多用されているので
す。しかし、背の高い人ほど数値が高くなる問題点もあります。
 むしろBMIよりも、前回お話ししたように、20歳のときの
体重を覚えているなら、それより10キログラム以上(男性)増
えているなら肥満と考える方が実態に合っています。

●皮下脂肪は定期預金/内臓脂肪は普通預金

 体の脂肪のことを「体脂肪」といいます。体脂肪はどのくらい
の割合が標準なのでしょうか。
――――――――――――――――――――――――――――
     ≪体脂肪率≫
      男性 ・・・・・ 15〜19%
      女性 ・・・・・ 20〜25%
――――――――――――――――――――――――――――
 体脂肪率が男性では25%、女性は30%を超えると糖尿病や
高血圧などの生活習慣病が急速に増えることがわかっています。
 ところで、太るというのはどういうことでしょうか。それは脂
肪が増えることです。体の水分の量が大きく変化することはあり
ませんので、脂肪が増えた分だけ筋肉の割合が減ることになりま
す。
 既出の医師岡部正氏は、次のような面白いたとえで、脂肪につ
いて説明をしています。
――――――――――――――――――――――――――――
 指でつまめる 脂肪 ・・・・・ 皮下脂肪 → 定期預金
 指でつまめない脂肪 ・・・・・ 内臓脂肪 → 普通預金
――――――――――――――――――――――――――――
 脂肪にはそのつき方によって、「皮下脂肪」と「内臓脂肪」に
分かれます。
 「皮下脂肪」とは、指でつまめる脂肪といわれ、ゆっくりつい
て、とれにくいので、定期預金にたとえられています。皮下脂肪
は太もも、お尻のまわりにつきやすく簡単にはとれないのです。
また、皮下脂肪は、人類の長い歴史の中で飢餓や寒さに備えるた
めについたものであり、先に備えるという点で定期預金というの
でしょう。
 これに対して「内臓脂肪」とは、指でつまもうとしてもつまめ
ない脂肪のことです。内臓につく脂肪はつきやすく、とれやすい
ので、普通預金にたとえられているのです。
 内臓脂肪は食事と食事の間のエネルギー不足を補う短期倉庫の
ような役割を果たすものです。したがって、普通預金なのでしょ
う。エネルギーのとり過ぎが起きると、脂肪がたまり過ぎてしま
います。そして、下腹部やお腹の周りが太くなるのです。  
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2009年04月02日

●アディポネクチンには高血圧を予防する

 アディポネクチンには高血圧を予防し、改善する働きがあります。ア
ディポネクチンと高血圧の関係について述べることにします。
 アディポネクチンは、次の2つの働きで、血圧を正常化するのです。
――――――――――――――――――――――――――――――――        1.インスリン抵抗性を改善する
        2.血管を広げる作用があること
――――――――――――――――――――――――――――――――
 「インスリン抵抗性」とは何でしょうか。
 高血糖状態の人は、健康な人に比べて、血圧が高いケースが多くなることがわかっています。これは、インスリン抵抗性になるからなのです。インスリン抵抗性とは、インスリンの効きがわるくなることをいうのですが、これが原因で血圧は高くなるのです。
 塩分――塩化ナトリウムを取り過ぎると、血圧が高くなります。体にはそれを防ぐ機能があります。ナトリウムが体の中に増えると、過剰なナトリウムを体から追い出す役割を担っているのが腎臓なのです。しかし、インスリン抵抗性になると、腎臓のこの働きが弱くなり、ナトリウムが増えて血圧が上がってしまうのです。
 アディポネクチンが増えると、インスリン抵抗性が改善されるのです。そうすると腎臓の働きが正常になり、ナトリウムを追い出してくれるので、血圧を下げることができるのです。
 続いて2つ目の働き「血管を広げる作用があること」はどうでしょうか。
 アディポネクチンは、血管拡張反応を高めるので、血管が広がり、血液が通りやすくなります。血液が通りやすいようになれば、心臓から血液を送り出すのに必要な血圧を下げることができるのです。また、血管が広がると、血管が伸び縮みする伸縮性が増すので、そのことも血圧が下がる要因になります。

●糖尿病の人は正常な人より3倍がんにかかりやすい

 「糖尿病や肥満している人はがんになりやすい」とよくいわれます。しかしなぜ、糖尿病や肥満の人ががんになるのかについては、本当のところははっきりしていなかったのです。ところがアディポネクチンが発見されたことで、その謎が解けてきたのです。
 糖尿病とがんの関係については、疫学調査でも明らかになってきています。疫学調査というのは、ある地域や集団を対象として、長期間にわたって健診結果や生活習慣と病気との因果関係を調べるものです。
 少し難しくなってしまって恐縮ですが、病気の原因と思われる環境因子を設定し、その因子が病気を引き起こす可能性を統計的に調べるのです。例えば、喫煙と肺がんの関係を調べる場合、タバコを吸う集団の肺がんの発生率と吸わない集団の発生率を比較して,喫煙量に対する危険の度合いを調査します。この危険の度合いは,相対危険比と呼ばれ「ある環境因子により病気の発生率が何倍になるか」を示しています。
 疫学調査といえば、福岡県久山町で取り組んできたものが規模や年数から見て日本一の疫学調査といえます。これによると、糖尿病とがんの関係については次のような関係が明らかになっています。
―――――――――――――――――――――――――――――――― 糖尿病の人は、正常な人に比べて3倍、血糖コントロールが悪い糖
 尿病の人は実に6倍もがんの発生率が高い。 ――久山町疫学調査
 より
 『奇跡のホルモン「アディポネクチン」――メタボリックシンドロ
 ーム、がんも撃退する』           ――講談社α新書
――――――――――――――――――――――――――――――――

●アディポネクチンを腫瘍マーカーとして使う

 アディポネクチンと胃がんとの関係については、東京大学腫瘍外科の研究論文があります。これによると、胃の上部にがんができた人は、アディポネクチンの値が低いということがわかっています。
 アディポネクチンには抗がん剤のように腫瘍細胞の増殖を抑える働きがあることがわかっており、アディポネクチンが多い人はがんにはなりにくいことになります。
 逆にいうと、アディポネクチンの値の低い人はがんになりやすいということになるので、アディポネクチンの値は一種の腫瘍マーカーとして使うことができるのです。
 腫瘍マーカーとは、がんの進行とともに増加する生体因子のことであり、主に血液中に遊離してくる因子を、抗体を使用して検出する臨床検査のひとつです。しかし、血液中の腫瘍マーカーが陽性になるということは、がんが相当大きくなっている状態であり、これに頼ることは危険です。
 それよりもアディポネクチンの値を定期的に調べておき、値が減少するようだと、がんになる恐れがあるので、検査をしてもらうなどの予防対策を取る方がはるかに現実的な対応です。アディポネクチンの値は血液検査で調べることができます。                       
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2009年04月09日

●「成人病」を「生活習慣病」に変更した理由とは何か

 昔、糖尿病、高血圧、高脂血症、がんなどの病気は「成人病」と呼ば
れています。それが、1996年からそれらの病気は「生活習慣病」と
呼ばれるようになったのです。病気の名前を変えたのはもちろん厚生省
なのですが、これには将来に対する重要な伏線がありそうです。
 なぜ、成人病ではいけないのでしょうか。
 成人病というと、成人して年をとるに伴い老化するために起きる病気
でありどのように生活習慣を変えて病気にかからないよう努力しても病
気自体は加齢にしたがい進行するというイメージがあります。つまり、
加齢ということが免罪符になって、自ら生活習慣を改善しようと努力し
なくなるイメージが「成人病」という言葉にはあるのです。
 それなら「生活習慣病」ならどのように変わるのでしょうか。
 生活習慣病という名前には、悪い生活習慣を積み重ねた結果かかる病
気というイメージがあります。つまり、そういう病気にかかるのは、患
者自身にも責任があるというイメージになるのです。厚生省が今回のメ
タボ検診などで将来狙っているのは、自ら悪い生活習慣を改善しないで
そういう病気にかかった人はペナルティとして多く医療費を取る魂胆が
あるのではないかと思われます。
 医師の岡部正氏は、このことを糖尿病に例をとって医療費の矛盾を指
摘しているのでご紹介しましょう。糖尿病には、次の2つの種類があり
ます。
――――――――――――――――――――――――――――――――
  1.1型糖尿病 ・・・ 先天的にインスリン分泌機能がない
  2.2型糖尿病 ・・・ 成人になってからの発症するタイプ
――――――――――――――――――――――――――――――――
 1型糖尿病は、子供に多いのですが、先天的もしくはウイルスの感染
などが原因で、膵臓のインスリン分泌機能が壊され、注射でインスリン
を生涯補い続ける必要がある病気です。
 2型糖尿病は、成人になってから発症することが多く、発病の原因の
多くは食べ過ぎ、運動不足に代表される悪い生活習慣であるとされてい
ます。つまり2型糖尿病は生活習慣の改善に努力すれば、かからないで
済む病気であるという考え方です。これに対して1型糖尿病は、患者自
体はどうしようもないわけで
医療費を同じように扱うのは疑問であると岡部氏は述べています。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 インスリン注射には高い医療費がかかりますが、1型糖尿病の人と
 2型糖尿病の人の医療費(健康保険の点数)が全く同じで差がない
 のは不公平ではないか、という考え方も成り立ちます。1型糖尿病
 の人は自分の責任で病気になったわけではなく、やむなくインスリ
 ン注射をしなくてはならなくなった人たちです。一方、2型糖尿病
 の人の多くは、そういう事態になることを医者から警告され、自分
 でも理解をしているにもかかわらず、食べ過ぎ・運動不足に代表さ
 れる悪い生活習慣を改めなかった結果、インスリン注射をするよう
 になった人ということになります。
『奇跡のホルモン「アディポネクチン」―メタボリックシンドローム、
 がんも撃退する』              ――講談社α新書
――――――――――――――――――――――――――――――――

●血糖値改善・血圧降下はアディポネクチンに関係のある

 血糖値を改善する糖尿病の飲み薬の中には、アディポネクチンを増加
させる働きをするものがあります。血糖値を改善する薬には次のタイプ
があります。
――――――――――――――――――――――――――――――――
      1.インスリンの分泌を促進するタイプ
      2.糖分の増加・吸収を遅くするタイプ
      3.インスリンの働きを強化するタイプ
――――――――――――――――――――――――――――――――
 このなかで、3つ目のタイプ「インスリンの働きを強化するタイプ」
の薬にはアディポネクチンを増加させる働きがあります。これは最近に
なって判明した事実です。
 「インスリンの働きを強化するタイプ」の薬のひとつとして、ピオグ
リタゾン――商品名は「アクトス」というのがあります。このピオグリ
タゾンには、アディポネクチンを非常に増やす効果があるのです。しか
し、ピオグリタゾンは効く人と効かない人がいるのです。インスリンの
分泌能力があり、アディポネクチンの低い糖尿病の患者には大きな効果
があるそうです。
 血圧とアディポネクチンの関係についても述べておきます。血圧降下
剤の進歩は目覚ましいものがありますが、降下剤のなかには、アディポ
ネクチンを増やす降下剤もあるのです。現在、アディポネクチンとの関
係で注目されているのは、「アンギオテンシンU受容体拮抗薬」(AR
B)という種類の降下剤です。具体的な薬品としては「ニューロタン」
「プロプレス」、「ディオバン」、「ミカルディス」、「オルメテッ
ク」などがそれに該当します。血圧降下剤を飲んでいる方は薬の名前を
確認していただきたいと思います。
 ARBを飲んでいる高血圧の患者は、それ以外の降下剤を飲んでいる
人よりも糖尿病になりにくいことはわかっていたのですが、それはアデ
ィポネクチンの量に関係があることが最近判明したのです。         
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2009年04月16日

●肥満だからといってダイエットするのは危険

 肥満は万病のもと――とくに生活習慣病の敵であるとよくいわれます
したがって、肥満さえ改善できれば――つまり痩せれば病気を防げると
考えて、ダイエットに励む人は少なくありません。
 しかし、ダイエットも健康には決して良くはないのです。無理に痩せ
ることによって身体の抵抗力がなくなり、かえっていろいろな病気を併
発してしまうこともあるからです。
 一般的にいって、肥満になって内臓脂肪が増えると、血液中のアディ
ポネクチンが減るのです。逆に内臓脂肪が減ると、血液中のアディポネ
クンは増えることになります。次の構図です。
――――――――――――――――――――――――――――――――
  太る→内臓脂肪が増える→アディポネクチンが減る→糖尿病
  ・高血圧・高脂血症・動脈硬化・メタボになりやすい→がんの恐れ
――――――――――――――――――――――――――――――――
 しかし、肥満でもアディポネクンの値が高い人もいるのです。岡部正
先生はこういう人を「タチの良い肥満」と呼び、そういう人は無理して
痩せなくてもいいといっています。逆に「タチの悪い肥満」は、内臓脂
肪が増えてアディポネクチンが減るタイプの人は何らかの方法で痩せる
必要があります。
 しかし、いくらアディポネクチンの値が高いタイプでも過度の肥満は
足腰に負担がかかって、腰痛や関節痛の原因になったり、呼吸が抑制さ
れて睡眠時無呼吸症になるので、痩せなければいけないのはいうまでも
ないことです。

●アディポネクチンの値とメタボリックシンドロームの関係

 日本人でメタボリックシンドロームの人は、その予備軍も入れると、
男性の2人に1人――40〜74歳、女性は5人に1人の割合であると
いわれます。アディポネクチンはメタボリックシンドロームを予防し、
改善する力を持っているのです。
 メタボリックシンドロームは、太ってウエストが太くなり、内臓脂肪
が増える状態になり、インスリンの抵抗性が起こります。さらに、血糖
値が高い高血糖の状態や血液中の中性脂肪が高い状態になり、血圧が高
い状態が持続し、動脈硬化が進行するのです。動脈硬化を起こす原因が
一つの身体に複数起きるので、放置しておくと大変なことになります。
 メタボリックシンドロームの判定基準をおさらいしておきましょう。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 ◎ウエスト(お腹まわり)
   男性 85cm以上
   女性 90cm以上
  これに加えて、次の3つのうち2項目以上該当する状態をメタボリ
  ックシンドロームと称する。
 ◎血液中の脂質
   中性脂肪が150mg/dl以上
   またはHDLが40mg/dl未満
 ◎血圧
   最高血症――収縮期血圧が130mmMgかつ/または
   最低血圧――拡張期血圧が 85mmMg以上
 ◎血糖値
   空腹時の血糖値が110mg/dl以上
   『奇跡のホルモン「アディポネクチン」――メタボリックシンド
   ローム、がんも撃退する』         ――講談社α新書
――――――――――――――――――――――――――――――――
 メタボリックシンドロームを改善しないでいると、その人の10年後
の医療費は正常の人よりも3倍高くなるというデータがあります。医療
保険の財政逼迫の原因になるとともに個人の負担する医療費も増えるわ
けです。
 これらの現象は、アディポネクチンによって明解に説明ができるので
す。肥満になって、内臓脂肪が増えると、アディポネクンが目立って減
少します。そういう意味で、メタボリックシンドロームは「低アディポ
ネクチン血症」であるといえるのです。
 アディポネクチンが血中に少なくなると、インスリンの効きが悪くな
る――インスリン抵抗性――が起こり、高血糖になるのです。それによ
って、血管が広がりにくくなるので、高血圧になります。
 さらに、筋肉や肝臓での脂肪を燃やす働きが低下し、脂肪酸の原料で
ある中性脂肪が余って血液中に増えて、高脂血症になります。そのうえ
動脈硬化を防ぐことができなくなるので、動脈硬化が進行してしまうの
です。
 したがって、何はともあれ、アディポネクチンの値を調べてみて、値
が少ないときは、メタボリックシンドロームを疑う必要があります。低
アディポネクチン血症の人の2人に1人はメタボリックシンドロームな
のです。したがって低アディポネクチン血症と診断された人は、メタボ
リックシンドロームの条件を満たしていなくてもメタボリックシンドロ
ームを疑うべきです。
 しかし、アディポネクチンはどの医療機関でも血液を検査すれば調べ
ることはできますが、保険などの適用はありません。
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2009年04月23日

●メタボリックシンドロームにおける女性の判定基準の矛盾

 メタボリックシンドロームにおけるお腹まわり――腹部肥満の判定基
準には疑問があります。前回その基準について述べましたが、ウエスト
について再現しておきます。
――――――――――――――――――――――――――――――――
        男性 ・・・・・ 85cm以上
        女性 ・・・・・ 90cm以上
――――――――――――――――――――――――――――――――
 日本の判定基準は、ウエストを測って上記の数値をもとにして判定し
ます。これはCTスキャンで撮影した内臓脂肪の面積100平方センチ
メートル以上を根拠にしているのです。
 しかし、男性はともかく女性の「90cm以上」というのは、世界各
国の数値から見て、日本が突出しているのです。日本人の女性と米国人
の女性の身長差は10センチメートル以上ありますが、その米国の女性
の基準は「88cm以上」なのです。明らかに日本の基準は異常です。
 このように女性の基準が甘いのは、日本人女性は動脈硬化になりにく
いので男性並みの病気が起きる場合は、ウエストが「90cm以上」に
甘くしているのです。しかし、日本人女性は男性よりも平均寿命が約7
年長いからであって女性の現在の判定基準はこの観点からもおかしいと
いえます。
 アディポネクチタンとの関係でいうと、女性のウエストが78センチ
メートルを超えると、アディポネクチタンが平均以下に減少することが
わかっているので、女性についてはこの数値を判定基準にするべきです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
        女性 ・・・・・ 78cm以上
――――――――――――――――――――――――――――――――

●メタボリックシンドロームにならない生活習慣とは

 メタボリックシンドロームの予防のための基準としては、名古屋大学
医学部公衆衛生学・医学ネットワーク管理学教室が、2002年からメ
タボリックシンドロームの予防に役立つ生活習慣は何かの解明に取り組
んでいます。
 調査対象者としては、予備調査で健康状態が良いと判定された35歳
以上の成人男性1688人です。
 その結果、次のようなわかりやすい生活習慣が判明したのです。次の
6項目の基準のうち、4項目以上を実行している人はメタボリックシン
ドロームにはならなかったことがわかったのです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
   1.背青魚(サバ、サンマなど)や野菜などをよく食べる
   2.朝食を毎日とる。満腹になるまで食べない。薄味嗜好
   3.週に3回、合計で90分、中程度の強さの運動を励行
   4.今までたばこを一切吸わないか、禁煙を励行している
   5.特別な機会を除いて、お酒をあまり飲まない習慣励行
   6.20歳頃からの体重の変化が5キログラム以内である
――――――――――――――――――――――――――――――――

●アディポネクチタンをどのように測定するか

 アディポネクチタンはがんの予防にも役立ちます。「がんには早期発
見が一番」といわれますが、がん検診や人間ドックでがんが早期発見さ
れたとしてもそれが早期がんであるとは限らないのです。がんの検査に
はどうしても限界というものがあるからです。
 その点はっきりしているのは、がんとアディポネクチタンについての
次の事実です。
――――――――――――――――――――――――――――――――
     がんになるとアディポネクチタンの値が低下する
――――――――――――――――――――――――――――――――
 がんの定期検診を受けることを前提として、アディポネクチタンの値
を定期的に調べるのです。そして、アディポネクチタンの値が減少を始
めたら、少し念入りな検査を受けるという方法です。こうすると、がん
の早期発見につながる可能性はきわめて高くなります。
 このように、アディポネクチンの値が、健康に大きな影響を与えるこ
とがわかってきましたが、自分のアディポネクチンの値を知るにはどう
したらよいのでしょうか。
 内科の主治医がいる人は、「アディポネクチンの値を知りたい」と申
し出れば、血液検査をして対応してくれます。特殊な血液検査ではなく、
何かの事情で血液検査をするときに、アディポネクチンの値も知りたい
と申し出れば、測定してもらうとことができます。
 主治医がいない人は、総合病院の肥満・糖尿病専門医(外来)を受信
して医師にそのことを告げればよいのです。しかし、アディポネクチン
はその存在は認められていますが、その値の測定に関しては健康保険の
扱いにはならないので、4000円〜5000円の費用がかかります。
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2009年04月30日

●太った理由を調べる必要がある

 アディポネクチンを確実に増やすには、体重を減らすことが一番なの
です。体重を減らすと、内臓脂肪は確実に減るからです。体重を減らす
場合、あまり大きな目標を掲げず、達成可能な小さな目標からはじめる
べきです。岡部正医師は、目標は次のようにすべきであるといっていま
す。
――――――――――――――――――――――――――――――――
         いまの体重を5%減らすこと
――――――――――――――――――――――――――――――――
 現在の体重から5%減らしただけで、アディポネクチンは確実に増え
てきます。何も焦ることはないのです。少しずつ減らすよう心がけまし
ょう。太る原因にはいろいろありますが、体重を減らす場合は、どうし
て太ったのかという原因を知っておくことが必要です。
 岡部正医師は、太った原因をチェックする50の質問を作成していま
す。以下にその50の質問を出しますので、1項目ずつ検討して該当す
る□にチェックを入れてください。どの項目にチェックが入っているか
わかると、太る原因となった悪い生活習慣のタイプがわかるのです。判
定のやり方にはついては、次回に説明します。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 □ 1.太りやすい体質だと思う
 □ 2.水を飲んでも太ってしまう
 □ 3.親や兄弟姉妹も太っている
 □ 4.朝食をとらないことが多い
 □ 5.1日2食のことが多い
 □ 6.食事の時間が不規則
 □ 7.外食が多い
 □ 8.夜寝る前に食べることが多い
 □ 9.食事をお菓子で代用する
 □10.人より食べるのが早い
 □11.あまり噛まずに食べる
 □12.テレビや新聞を見ながら食べることが多い
 □13.一度にたくさん食べることが多い
 □14.旅行のときや正月はいつも太る
 □15.おやつやデザートを食べる習慣がある
 □16.果物やお菓子がいつも身のまわりに置いてある
 □17.お菓子を見ると満腹でもつい手が出てしまう
 □18.退屈すると何か食べたくなる
 □19.イライラすると食べてしまう
 □20.気持ちが悪くなるほどたくさん食べることがある
 □21.食べ過ぎを人から指摘されたことがある
 □22.お腹がいっぱいになるまで食べないと気がすまない
 □23.お腹がいっぱいでも好きなものなら入る
 □24.人が食べているのを見るとつられて食べてしまう
 □25.たくさん食べた後で後悔する
 □26.食事に誘われると断れない
 □27.「今日は特別」などの理由をつけて食べることが多い
 □28.面倒くさがり屋で飽きっぽい
 □29.決めたことはきちんとしないと気が済まない
 □30.いやなことは避けて通るほうだ
 □31.甘いものが大好き
 □32.缶コーヒーやジュースをよく飲む
 □33.揚げ物や脂っこいものが好き
 □34.野菜、海藻類が不足している
 □35.ファーストフードやインスタント食品をよく食べる
 □36.アルコールをよく飲む
 □37.食べ物を買うときはいつも多めに買う
 □38.料理を作るときはいつも多めに作る
 □39.料理が残るともったいないのでつい食べてしまう
 □40.食べ物をもらうとつい食べてしまう
 □41.料理を残すのは行儀が悪いので全部食べる
 □42.朝が弱く、夜型の生活をしている
 □43.体重をあまり測らない
 □44.ゆったりとした服を着ることが多い
 □45.鏡で全身を見ることがない
 □46.太った友達が多い
 □47.運動が嫌い
 □48.休日や暇なときはゴロゴロして過ごす
 □49.駅やデパートなどでは階段をほとんど使わない
 □50.車を使うことが多い
『奇跡のホルモン「アディポネクチン」―メタボリックシンドローム
 がんも撃退する』              ――講談社α新書
―――――――――――――――――――――――――――――――  
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2009年05月07日

●自分がどのタイプに属するかを判定する

 前回の50の質問は、それぞれ次の10のタイプに対応しています。
自分がチェックを入れた項目がどのタイプに属するかを調べて、自分が
どのタイプであるかを決めること――それが最初にやることです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
1〜 3  あきらめタイプ/太る体質だからしようがない
4〜 9  食事の習慣が原因タイプ/朝食抜きや夜食は当たり前
10〜14  食べぐせタイプ/早食い・ながら食い・ドカ食いをす

15〜19  間食タイプ/お腹がすいていないのに食べる
20〜24  胃拡張タイプ/満腹感がマヒしている
25〜30  性格・考え方に問題があるタイプ/ダイエットはいつ
も挫折
31〜36  高カロリーの食事をするタイプ/食べ物の好みが原因
37〜41  もったいないタイプ/残すくらいなら食べてしまおう
42〜46  ルーズタイプ/行動パターンに太るリスクがある
47〜50  運動不足タイプ/体を動かすのが大の苦手
岡部正著、『奇跡のホルモン「アディポネクチン」――メタボリック
シンドローム、がんも撃退する』        ――講談社α新書
――――――――――――――――――――――――――――――――

●10のタイプの特徴を明らかになる

 岡部正先生の分類した10のタイプを次のように名前を整理して、そ
れぞれについて説明します。
――――――――――――――――――――――――――――――――
          1.「あきらめタイプ」
          2.「食事習慣タイプ」
          3.「食べぐせタイプ」
          4.「間  食タイプ」
          5.「胃拡張 タイプ」
          6.「性格問題タイプ」
          7.「美食志向タイプ」
          8.「残飯処理タイプ」
          9.「ルーズなタイプ」
         10.「運動不足タイプ」
――――――――――――――――――――――――――――――――
 第1は「あきらめタイプ」です。
 肥満を自分の体質のせいにして、何もしないタイプです。太りやすい
遺伝子はありますが、その影響は30%程度であり、70%は生活習慣
が原因です。
 第2は「食事習慣タイプ」です。
 ここで習慣とは「夜食」をとるという習慣です。夜食は肥満に向かう
超特急列車です。この悪い食事習慣はすぐやめるべきです。
 第3は「食べぐせタイプ」です。
 「早食い」「ながら食い」「ドカ食い」の3つは、確実に肥満になる
食べぐせです。こういう食べぐせのある人はやめるよう努力してくださ
い。
 第4は「間食タイプ」です。
 食事と食事の間の間食――これが肥満の原因になります。空腹でもな
いのに習慣で食べていないでしょうか。
 第5は「胃拡張タイプ」です。
 胃拡張というのは、たくさん食べて胃に食べ物が詰まった感じになら
ないと脳の満腹中枢が満足しないことをいうのです。腹八分目を実行し
ましょう。
 第6は「性格問題タイプ」です。
 自分に甘いタイプと厳し過ぎるタイプ――どちらのタイプも途中で中
断してしまう可能性が高いのです。肩の力を抜いて取り組むことです。
第7は「美食志向タイプ」です。
 天ぷら、中華料理、甘いもの、ケーキなどの高カロリーなものが好き
なタイプは、しばらくこの種の食べ物を控える必要があります。
第8は「残飯処理タイプ」です。
 食べ物が残ったとき捨てられないので、無理して食べてしまう人がい
ます。年配者や主婦などに多いタイプです。
 第9は「ルーズなタイプ」です。
 いつもルーズな服装を着ている人がいます。自分の体型に合わせて着
る物を選んでいるといつのまにか太ってしまいます。
 第10は「運動不足タイプ」です。
 運動不足は消費カロリーが少なく、また基礎代謝が多い筋肉の衰えを
招くので太りやすくなります。したがって、運動量を増やすことです。
 肥満の人にアンケートでその原因を聞くと、その90%の人が「意志
が弱いから」と答えています。しかし、悪い食事習慣を改善できないこ
とを「意志が弱いから」の一言で済ますのは問題があります。もっと明
確な動機のようなものが必要です。その動機になり得るものが「アディ
ポネクチンが少ない」というのがあります。アディポネクチンが少ない
と病気になりやすいのです。したがって、肥満を解消してアディポネク
チンを増やすのです。      
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2009年05月14日

●なぜ、「太ったライオン」はいないのか

 前回、「早食い」「ながら食い」「ドカ食い」の3つは、確実に肥満
になる食べぐせであると述べました。確かに「ドカ食い」が肥満になる
ということは理解できますが、「早食い」や「ながら食い」は、なぜ肥
満になるのでしょうか。これについて考えてみましょう。
 動物の食欲は、脳の中にある「視床下部」というところでコントロー
ルされているのです。そこには「満腹中枢」というものがあり、お腹が
空いたら「食べよ」という指令を出し、満腹になったら「やめよ」とい
う指令を出して、食べる、食べないをコントロールしているのです。
 太ったライオンはいないといわれます。どうしてでしょうか。
 ライオンはお腹が空くとシマウマを襲いますが、満腹のときはたとえ
目の前をシマウマが通っても見向きもしないのです。また、シマウマを
食べているときでも満腹になったと感ずると、肉を残して立ち去るので
す。ですから、太ったライオンはいないのです。それは「視床下部」に
よって食欲がコントロールされているからです。
 しかし、人間の食欲は、「視床下部」の上部にある大脳によって左右
されるのです。この大脳は余計なことをするのです。食事をした後で「視
床下部」が満腹のサインを出しても、目の前においしいものが置かれる
と、大脳は「食べてみたい」という指令を出すのです。そうすると人間
はつい食べてしまう人が多いのです。これは食欲と食事のゆがみである
といえます。
 「早食い」の人は、「視床下部」で満腹中枢が満腹のサインを出す前
に食べてしまうので、食べ過ぎになってしまうのです。また、「ながら
食い」――例えば本を読みながら食べるような場合、脳が本を読む方に
行ってしまっているので、満腹中枢が正しいサインを出せなくなって、
つい食べ過ぎてしまうことになるのです。
 「早食い」を避けるということは「ゆっくり食べる」ということです。
ゆっくり食べると、満腹中枢は正常なサインを出せるのですが、それだ
けではなくもっと大事なことがあるのです。
 それは何よりも食べ物が胃や腸で消化吸収されることです。そのため
には約20分はかかるのです。したがって、20分以内に食事を済まし
てしまうと、満腹感が得られず、つい余計に食べてしまうことになりま
す。
 岡部正医師は、「ゆっくり食べることに役立つ食べ方」として、次の
ヒントを提供してくれています。
――――――――――――――――――――――――――――――――
 1.トーストは一度に2枚焼かず、1枚食べてから必要ならもう1枚
   焼く
 2.噛んでいる間は箸を下に置く
 3.テーブルマナーをきちんと守って食べること
 4.ご飯をおかわりしたいときは5分待つ
 5.食事の途中で中休みを入れる
 6.肉はスペアリブ、魚は焼き魚など骨付きで食べる
 岡部正著、『奇跡のホルモン「アディポネクチン」――メタボリック
 シンドローム、がんも撃退する』       ――講談社α新書
――――――――――――――――――――――――――――――――

●合理的で規律のある食事がアディポネクチンを増やす

 朝食は抜かないようにするべきです。それは、朝食が1日のスタート
にあたり、エネルギーを補給する役割を持っているからです。もし、朝
食を抜くと、脳の栄養不足と体のエネルギー不足を招き、ガソリン不足
で車を走らせるようなことになってしまうからです。朝食の基本原則は
次の通りです。
――――――――――――――――――――――――――――――――
     糖質 + たんばく質 + ビタミンとミネラル類
――――――――――――――――――――――――――――――――
 最優先すべきは「糖質(炭水化物)」です。ご飯やパンなどがそれに
該当します。糖質はたんぱく質や脂質に比べて消化・吸収が良く、エネ
ルギー源として即効性があるのです。
 「たんぱく質」は体温を上げる効果が「糖質」の約3倍、脂質の約5
倍もあるのです。肉、魚、卵、大豆製品などを「糖質」にプラスして食
べるようにすべきです。
 「ビタミンとミネラル類」は、「糖質」と「たんぱく質」の働きを十
分発揮させる働きをします。ミネラル類は、野菜、海藻、果物などに多
く含まれているのです。何はともあれ朝食は抜かないことが大切です。
 岡部医師は、昼食は麺類や丼物、カレーライスのような単品料理はで
きるだけ避けて、おかずの多い定食を食べるよう勧めています。
 夕食のメインは、魚、肉、大豆製品などのたんぱく質です。魚は白身
魚、肉は赤身の肉、大豆製品には豆腐を岡部医師は勧めています。揚げ
物などの脂っこい料理はできるだけ控えめにして、夕食はさっぱりとし
た和食にすることが大切です。あまりこってりした夕食を採ると、胃に
負担がかかり、朝食が採れなくなることがあります。
 以上のような食事を心がけることによって、内臓に余計な脂肪がつか
ず、アディポチクチンを増やすことにつながるのです。        
posted by キーヘルス at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | アディポネクチン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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